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マイナースポーツで、生きていく。

2016年01月05日 23時41分 JST | 更新 2017年01月04日 19時12分 JST

マイナースポーツの選手がその競技活動で現状生きていけないのはなぜか。それは仕事になっていないからだと思う。

例え話ですみません。

もし料理人が、料理人として、料理を作ることを仕事として生きていきたいのであれば、仕事になる条件は大きく3つだと思う。「料理を作ること」、「料理がお客さんのもとに運ばれること」、「お客さんがそれを美味しいと思うこと」。この3つが全てできて初めて仕事になり、料理人として生きていけるのではないかと思う。

スポーツの場合、特に野球、サッカーといったプロスポーツの場合、「試合をすること」「それをお客さんが観ること」「お客さんがそれを観て良かった」と思うから一つの産業として成り立っているように思う。

飲食店の場合は、お客さんがわざわざ店に来てくれるし、こちらから宅配することもできる。メジャースポーツの場合も観にきてくれたり、観にこれない場合はテレビや新聞で報道してくれる。

料理の場合は、食べれば不味いか美味しいかわかるし、メジャースポーツの場合も、どんなプレーが良かったか、何が良かったか、感動のしどころが、だいたいわかる。

マイナースポーツの選手がそれを仕事として生きていけない理由は主に二つある、と思う。

ひとつは、結果を出したところで「誰も知りえない」こと。

もうひとつは、知ったところでそれが凄いことなのか「誰もわからない」こと。

結果を出しても誰にも知られないというのは、どれだけ美味しい料理を作っても食べる人まで運ばれない状態と同じだ。

料理の場合は、そこに交通手段がある限り、運べるし来てくれる。要は道路がないと料理人は仕事にならない。

スポーツにおいてそれは競技場であったりテレビや新聞などのメディアだった。だからこそ来場者数、視聴者数が期待できないマイナースポーツは仕事にならなかった。

もうひとつの問題、それは、選手が出した結果をみても、それが凄いことなのかわからないことだ。

何秒でゴールした!こんな技ができるようになった!と知ったところで、視聴者はその競技をやったことがないし、何がルールでどう凄いのかわからない。だから感動のしようがない。

料理の場合は、他の料理や他の店と比較できるが、スポーツの場合、野球は野球だし、ラグビーはラグビーであって違う競技間での比較は難しいし、マイナースポーツの場合、他の選手どころか誰も知らないから同じ競技内でも誰がどう凄いかわからない。だから共通の価値観である、オリンピックが必要になる。

マイナースポーツに生きる社会人選手にとって大事なのは、自分自身が日本一、世界一になると同時に、そのスポーツをしていること自体が凄いと言われるようにすることだと思う。プロ野球選手がプロ野球選手であること自体に価値があるのは、野球という競技の価値を高める長年の努力の蓄積があったからだと思う。要はマイナースポーツの選手は、自分の価値向上と競技の価値向上どちらもしなきゃいけない。

今はネットという、選手自身が発信できる道路がある。観に来てくれなくても、報道されなくても、自分で自分を、競技を配信できるようになった。

つまりは「結果を出し」、「それをわかりやすい形で」、「知らせる」この3条件を選手自身が自分でできる時代になった。ネットの登場によってマイナースポーツの選手が工夫次第でその競技活動を仕事として生きていける時代になったのではないかと思う。まだ無職だけど。

自分が誰で、どういう人間で、どういう競技をやっていて、なぜやっていて、何ができなくて、なぜできるようになりたくて、どうなったのか。それをできるだけわかりやすい形で、自分で知らせること。それができれば、ちょっとは社会に貢献できるようになるんじゃないかと思う。「マイナーだから」が完全に過去の言い訳になる時代が来るのではないかと思う。「マイナーだからオリンピックで勝たなければ意味がない」というのは、ある意味正解で、ある意味怠慢なのかもしれない。

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2015年10月に企業を退職、現在無職。12月に行われた日本代表最終選考でトップ通過。

16年4月韓国で行われるアジア大陸予選で3位以内で五輪枠獲得。種目は軽量級ダブルスカル。 https://www.facebook.com/nakano.rowing/

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