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京阪特急の"新名物"として期待される京阪特急プレミアムカー

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京阪特急の鳩マークに、3つ星を加えたエンブレムが光る(京阪電気鉄道提供)。

京阪電気鉄道(以下、京阪)の特急は、かつて京橋―七条間でノンストップ運転が行なわれていたが、停車駅の増加などにより、区間や時間帯によっては乗客が着席できない状況である。近年は外国人観光客が増加したことや、「確実に坐りたい」などといった乗客の声に応え、8000系特急形電車の6号車を指定席「京阪特急プレミアムカー」(仮称。以下、プレミアムカー)に改造し、2017年度上期のデビューを予定している。

■8000系とは

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8000系は"エレガン都エクスプレス"としてデビュー。2008年の塗装変更を機に"エレガント・サルーン"へ。

京阪のエース、8000系は鴨東線開業に伴う輸送力増強などの一環として、1989年に登場し、当初は7両固定編成と初代3000系の増結用中間車が用意された。初代3000系と比べ、補助椅子を除き全席転換クロスシート、シートピッチ(座席と座席の間隔)を900ミリから920ミリへ拡大(後述するダブルデッカー〔2階建て車両〕は910ミリ)、側窓を大きくして景色を眺めやすくするなど、グレードアップを図った。

同年10月5日に鴨東線が開業すると、叡山電鉄との乗継で、比叡山や鞍馬寺などを訪れる観光客が急増した。特に叡山電鉄は列車が1両もしくは2両運転なので、"積み残し"が発生するほどのフィーバーだったという。

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8000系の転換クロスシート。登場当初、布地はアースブラウンとローズピンクの2種類だった。

8000系は乗客から好評を博し、のちに増備にされ、初代3000系の大半を置き換えている(初代3000系は2013年3月末で引退)。その後、1997年から1998年にかけて、旅客誘致と輸送力増強の一環として、ダブルデッカーを増結し、8両編成化された。

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8000系のロングシートは、ハイバック式も相まって、転換クロスシートより坐り心地がいい。読書を楽しむにはピッタリの席だと思う。

2010年3月18日より、リニューアル車がお目見えし、様々な利用シーンに対応するため、車端部の座席をロングシート化(併せて、吊り手、車椅子スペースなども設置)。ワンランク上の快適さを目的に背もたれを高くしており、坐り心地もいい。なお、リニューアルに伴い、京阪特急の象徴だったテレビカーが廃止された。

8000系リニューアル車は先頭車の展望席、4号車のダブルデッカー、各車両の車端部に設けられた日本一豪華なロングシートに加え、2017年度上期からは京阪初の有料車両、プレミアムカーがお目見えする。

■プレミアムカーの概要

京阪によると、8000系プレミアムカーは、編成中のプレミアムカーを利用する乗客と、一般車を利用する乗客の双方が利用しやすい(不便とならない)位置として、6号車を選定した。なお、乗降用ドア2か所のうち1か所を閉鎖する。

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プレミアムカーには、専属のアテンダントが乗務する予定。座席のヘッドカバーとドアは、円弧形状をモチーフとしている(京阪電気鉄道提供)。

座席は2人掛けと1人掛けの横3列で、快適な坐り心地とパーソナル空間の演出をテーマに、通路幅の変更、新たに開発する大型ヘッドレストを備えたリクライニングシートを導入し、大型テーブル、電源コンセントの設置を予定している。

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大型ヘッドレストの側面にも、プレミアムカートのエンブレムを飾っている。実車の登場が待ち遠しい。なお、料金は500円以下を検討している(京阪電気鉄道提供)。

座席幅やシートピッチなどについては、8000系の転換クロスシートよりもゆったりしたものとする予定だ。現時点、座席数は約40席を検討しており、4号車を除く一般車に比べ、座席数が約20席少ない(現行の8000系中間車は補助椅子を除き、転換クロスシート36席、ロングシート22席〔うち優先座席10席〕の計58席)。

■気になるのは指定席券の購入方法とダイヤ

プレミアムカーは有料車両なので、乗車するには事前に座席指定券を購入しなければならない。現時点、パソコンやスマートフォンからスムーズに予約できるシステムの開発を予定し、券売機や旅行代理店などの発売については検討中だという。パソコンや携帯電話を持っていない人が少なからずいることを考えると、定期券うりばや券売機などで買える環境の整備が求められよう。

また、プレミアムカーは6号車(中間車)に設定されるため、空席探しなどの理由で、隣の車両から通り抜けの乗客が現れることも想定しなければならない。参考までに、JR東日本の普通列車用グリーン車は、ラッシュ時のみ施錠して、普通車からの通り抜けができないようにしているので、より落ち着いた空間にする施策を期待したい。

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2代目3000系"コンフォート・サルーン"。当初は"中之島線のエース"という存在だったが、現在は京阪特急中心の運用にシフトされた。

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現在の特急は8000系と2代目3000系が中心で、一部の列車は通勤形電車も運用に就いている。現行のダイヤだと、車両数の関係で特急の8000系統一が難しく、2017年度上期以降は、特急の運行体系を今一度見直すことも考えられる。

【協力:京阪電気鉄道】

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