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北の湖理事長急逝 一番の供養は第70代横綱日馬富士の優勝

2015年11月20日 23時04分 JST | 更新 2016年11月20日 19時12分 JST

■北の湖部屋、30年の歴史に幕

北の湖理事長が2015年九州場所13日目の全取組が終えたことに安堵したかの如く、息を引き取った。まだ62歳。停年まであと3年を残し、黄泉の国へ旅立ってしまった。現職の理事長を失った協会(公益財団法人日本相撲協会)の損失ははかり知れない。

第55代横綱北の湖が1985年初場所3日目で現役を引退したとき、横綱在位63場所(史上1位)、最年少横綱(21歳2か月。史上1位)、優勝24回(当時2位)、通算勝ち星951(当時1位)という輝かしい成績を残した。現在でも横綱在位数と最年少横綱の記録は誰にも破られていない。

現役引退後は一代年寄北の湖として後進の指導にあたり、同年中に三保ヶ関部屋から独立し、北の湖部屋を創設。個性的な北桜(現・式秀親方)、過日の暴力事件で解雇された金親(かねちか)、現役の北太樹など、多くの関取を育て上げた。また、弟弟子の元大関北天佑が45歳の若さで逝去した際、二十山部屋所属の力士を引き取ったほか、木瀬親方(元前頭肥後ノ海)の不祥事に伴い、木瀬部屋に所属する者すべてが北の湖部屋に"一時移籍"し、角界一の大所帯となっていた。

現在、北の湖部屋は師匠北の湖のほか、部屋つき親方1人、力士16人(うち関取2人)、行司2人、呼び出し3人が在籍している。先述した通り、「北の湖」は一代年寄のため、部屋つき親方が師匠として引き継ぐことができない。本来、後継者がいない部屋は閉鎖されるが、今回の場合は14日目と千秋楽に限り、「北の湖部屋所属」という特例で土俵に上がれると思う(原則として、力士は無所属で土俵に上がることができない)。

■一番の供養は日馬富士の優勝

僭越(せんえつ)ながら、北の湖理事長一番の供養は「日馬富士の優勝」と断言したい。今場所13日目の第69代横綱白鵬戦に完勝した相撲を見ていると、2年ぶり7回目の優勝が現実味を帯びてきた。

日馬富士は、本場所、花相撲に関係なく全身全霊でとる力士。2015年1月の日本大相撲トーナメントでは、早々に敗退する2横綱とは対照的に、勝ち進んで優勝をもぎとった。取組直後のインタビューで、優勝賞金については「本場所のために使う」と明言している。2014年以降はケガの影響で休場を繰り返しているが、体調が万全なら10回優勝してもおかしくない。3人の横綱の中では、真っ向勝負を怠らない力士だが、気性が荒い面が災いし、我を忘れると負ける難点がある。

御存知の通り、北の湖理事長は白鵬の猫だましを痛烈に非難した。私も述べさせていただくと、三役以上の力士は姑息な手段をとってはいけない。横綱、大関は協会の象徴であり、子供たちにとっても"ヒーロー像"のひとつだからだ。対戦相手が奇策に出ても、受けて立つのが横綱、大関である。今場所、白鵬が36回目の優勝を達成したとしても、納得できない大相撲ファンが多いのではないだろうか。

北の湖理事長の急逝に哀悼の意を表するとともに、今の大相撲人気が末永く続くことを願ってやまない。

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