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「このままでは音楽業界の二の舞」広告ブロックにメディアが歯をむく

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iOS 9の公開前後から、話題が絶えない「広告ブロック」の問題だが、ついに、当事者であるメディア業界と広告業界が動き出した。

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世界120カ国3000社を超す新聞社などが加盟する「世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA、旧世界新聞協会)」とオンラインメディアの業界団体「デジタル・コンテント・ネクスト(DCN)」が24日、共同で対策プロジェクトを立ち上げたことを発表。

ネット広告の業界団体「インタラクティブ広告協会(IAB)」も、「広告ブロック」に対する訴訟の可能性も含みつつ、ネット広告の改善の取り組みを打ち出した。

WAN-IFRAはこう述べている。

プラットフォームではなく、パブリッシャーが主導権を握らなければならない。

そうだといいのだが。

●ニュースメディアが動き出す

テックメディア「リコード」は24日、ジェイソン・キントさんとビンセント・ペイレーンさんの連名による、「広告2.0:議論の呼びかけ」と題する記事を掲載した。

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キントさんはDCN、ペイレーンさんはWAN-IFRAのCEOだ。

記事はこう述べる。

皮肉なことに、広告とアドテク企業が果敢になればなるほど、読者の我慢の限界は下がっていった。そしてついにユーザーは行動を起こした。(中略)広告1.0は大幅下落を引き起こし、遂には自ら破滅していくだろう。

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両氏は、パブリッシャーが置かれているのは、2000年代初めの音楽業界と同じ状況だと言う。音楽業界はユーザーに、違法コピーに対する有効な代替策を提供できなかったと指摘。

その結果、ユーザーは反逆を起こし、音楽への支払いを拒否。音楽業界はアップル(アイチューンズ)のルールを飲まざるを得なくなった。

広告の現状に手を打たないと、その二の舞になる、と警告する。

広告がコンテンツを見えにくくし、ウェブサイトを遅くし、データを探り、読者のパブリッシャーと編集者に対する信頼を毀損し続けるなら、フェイスブックやアップルのような巨大テクノロジー企業が再び参入の機会を捉え、ルールを決めてしまうだろう。

これは、広告のあり方を捉え直す機会だ、と両氏は述べる。ユーザーの信頼に基づく新たな「広告2.0」へ移行すべきだと。

●対応策の協議

取り組みは始まっている

今月、フィナンシャル・タイムズやエコノミスト、ガーディアン、BBC、アクセル・シュプリンガーといった会員社の大手メディアがロンドンで会合を開き、対応策を検討したという。

その場には、「広告ブロック」による広告収入への影響は約220億ドル(約2.7兆円)との調査結果を発表したページフェアや、IABの関係者らも参加したようだ。

すでにドイツでは、アクセル・シュプリンガーを含む大手メディア各社が、「広告ブロック」が競争制限に当たるとして、人気ソフト「アドブロック・プラス」を提供するドイツのメーカー「アイオー」を相手取った訴訟を相次いで起こしている。

ただ、4月にはツァイト・オンラインとハンデルスブラットの新聞2社が敗訴

5月にもドイツのテレビ大手のRTLとプロジーベンSAT1も敗訴した

ユーザーが自由意思でインストールしているソフトは、競争制限禁止法違反には当たらない、との判断だ。

アクセル・シュプリンガーの裁判はなお係争中。

来月、独ハンブルグで開かれる「ワールド・パブリッシング・エキスポ」でも、この問題が協議されるという。

それに加えて会員企業向けのアンケートも実施。グーグル・アナリティクスを使った、ユーザーの「広告ブロック」利用実態調査なども呼びかけている。

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●終末後の世界

ネット広告業界も声をあげている。

「アド・エイジ」は22日、「広告ブロック:無益なインターネットの黙示録/広告業界は破壊者を葬る必要がある」と題する記事を掲載した。

筆者はIABのCEO、ランダル・ローゼンバーグさんだ。

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ローゼンバーグさんは、インパクトのある表現で「広告ブロック」を非難する。

営利目的のテクノロジー企業がそそのかす広告ブロックは、まさに強盗だ――ユーザーの不満につけ込むゆすりの手口で、民主的な資本主義経済をゆがめる危険がある。

批判のボルテージは高いが、掲げる4つの提言は極めて穏当。ユーザー体験を阻害する広告をやめよ、との提言だ。

1.顧客データにしのぎを削ることで、インターネットを遅延させるのはやめるべきだ。
2.広告の表示は、コンテンツよりも後に。コンテンツを素早く見たいユーザーの欲求を阻害せぬよう。
3.オートプレイの動画広告など、ユーザーを動揺させるような広告形式については、広告主や代理店が自主的にやめるべき。
4.パブリッシャーはサイトのユーザー体験をきちんと管理し、基準に適合しない広告は排除するべき。

そしてこう述べる。

業界がそのやり方を変えなければ、ブランドや関係者にとって、広告のコストはいや応なく高くつくものになっていくだろう。(中略)広告ブロック成金とパブリッシャーは、果てしないテクノロジーの軍拡競争を強いられることになる。それでもインターネットはマスコミュニケーションのツールとしては生き残るかもしれない。ただ、随分と違った様相にはなっているだろう。ことによると、終末(黙示録)後の世界のような。

(2015年9月26日「新聞紙学的」より転載)

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