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予算委員会質疑のハイライト引用(天下り・その1)

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昨日のブログで報告した通り高評価をいただいた2014年2月6日の参議院予算委員会質疑のハイライトを議事録から引用してみる。この質疑では「天下り問題」を取り上げた。
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○水野賢一君
次の話題に移りますが、天下りの問題について伺いますが、安倍内閣になってから天下りはないんでしょうか。

○国務大臣(稲田朋美君)
再就職監視委員会において指摘された事案が1件あったと承知いたしております。

○水野賢一君
つまり、もう天下りあっせんは基本的に禁止しているわけですよね、禁止しているけれどもそれに違反したのが1件あったと、そういう理解でいいですか。

○国務大臣(稲田朋美君)
天下りの禁止に関しては、公務員制度改革の一環として、平成19年の第1次安倍内閣において、御党の代表である渡辺喜美大臣の下、規制をいたしました。そして、その法律に従って監視委員会が指摘した事案が1件あるということでございます。

○水野賢一君
まさに今大臣がおっしゃったように、天下りあっせんが認定されたのは1件、まあ本当に1件だけなのかという気はしますけれども、1件あったのは事実ですよね。これ、じゃ、あっせんした人、これは国土交通省の事務次官までやった人ですけれども、これ何か処分を受けたんでしょうか。

○国務大臣(太田昭宏君)
退職をしておりましたものですから、注意ということをし、さらに、再発を防止しなくてはいけないということで、現在の職員そしてOBのメンバーに対しても再度このことについて徹底をさせていただいたというのが昨年の3月26日の決定から私どもがやったことでございます。

○水野賢一君
今いみじくもおっしゃられたように、退職後に、事務次官辞めた後にその人のことを注意したんですよ。はっきり言って痛くもかゆくもないわけですよね。

これ、稲田大臣にお伺いしますけど、各省庁の幹部がこういう行為をしたときは、今のように痛くもかゆくもないようなことになっちゃっているんだから、現実に、刑事罰とかそういうことは検討していないんですか。

○国務大臣(稲田朋美君)
不正行為の見返りとして天下りのあっせんをしたときには刑事罰が規定をされております。それ以上に、あっせん行為そのものだけについて刑事罰を規定することについては様々な議論がありまして、刑事罰を科して犯罪とするまでのことであるか、ほかの刑事罰との整合性というか、そういったことも検討されて、現時点で刑事罰を科すということは考えておりません。

○水野賢一君
先ほど、天下りあっせんが認定されたのは1件だけという話ですけど、これ、安倍政権が発足後に早期退職勧奨というのは、まあ最近これは、やまったようですけれども、中央省庁の官僚のうちどれだけに早期退職勧奨があってどのぐらいの人が拒否したとかという数字ありますか。

○国務大臣(新藤義孝君)
安倍政権が発足した平成24年の12月26日、そして本年の2月の5日までに各府省庁、委員会の内部部局の職員に対して退職勧奨を行った人数は324人です。そして、そのうち退職勧奨を拒否したのはゼロということであります。

○水野賢一君
いや、これが、まさに天下りが、あっせんがあるだろうと疑われることのそのものじゃないですか、今おっしゃったのは。だって、3百何人に肩たたきをして、それで何にもあっせんしないで、次の就職先の面倒も見ないで肩たたきをして、それで誰も拒否しなかったなんて、そんなことは常識で考えて、それ通用すると思いますか。総理、そう思いませんか。あっせんはあるんじゃないですか、水面下で。

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〔水野賢一の感想〕
現在、国家公務員法が定めているのは「天下り」そのものの禁止ではなく「天下りあっせん」の禁止である。逆に言えば省庁のあっせんを受けずに自分で再就職先を見つけたならば、官僚時代の所管業界に再就職してもOKということになっている。

それだけに甘いのではないかという批判もあるわけだが、質疑でも明らかになった通り、現行法でも禁じられている違法な天下りあっせんも1件認定されている。しかも当事者は「注意」しか受けていない。現行法には刑事罰の規定がないからである。刑事罰はなくても行政処分を受ける可能性はあるが、上記の事案の場合には、あっせんした国土交通省幹部は発覚時には退職していたために行政処分の対象にさえなりえなかった。そこで私は「(それでは)痛くもかゆくもない」と追及したわけだが、政府側はあまり問題意識を感じてはいないようだ。

天下りの問題に関しては、福島第一原発事故の2か月前にも資源エネルギー庁長官だった人が東京電力顧問に天下っていた。これも国会では追及したが、それは次回の「ハイライト引用(天下り・その2)」でご報告。