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地球の内核形成は昔なのか、それとも最近なのか

2016年06月08日 17時58分 JST | 更新 2017年06月06日 18時12分 JST

高圧高温条件での鉄や鉄合金の熱伝導率は、地球型惑星の進化とダイナミクスの重要な要因である。近年、この熱伝導率の不確かさが増してきていることから、地球史に対して極めて多様な予想が生まれ、従来の地球物理学の理論に疑問を呈している。

今回2つのグループが、レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルを使って、地球の核に相当する極端な温度圧力条件での鉄の性質を調べているが、異なる方法論を使っており、対照的な結論が導かれている。太田健二(東京工業大学)たちは、4500 Kまでの鉄の電気抵抗率を測定して、最近のab initio研究から予測される低い値よりさらに低い見積もりを得た。これは、地球の核の熱伝導率が高いことを示唆しており、伝導によって核が急速に冷却され、内核が比較的若いことを示していると、彼らは結論付けている。

一方、Z Konôpkováたちは、大きさが水星から地球程度の惑星の核に相当する圧力温度で、レーザーパルスによる加熱後に固体鉄を伝わる熱パルスを測定した。彼らの測定結果では、地球の核の熱伝導率は従来の見積もりの下限近くであり、地球の核の熱対流が地球のダイナモを数十億年にわたって駆動してきた可能性、すなわち内核は太古のものであるという説が支持される。

Nature534, 7605

2016年6月2日

原著論文:

Experimental determination of the electrical resistivity of iron at Earth's core conditions

doi:10.1038/nature17957

Direct measurement of thermal conductivity in solid iron at planetary core conditions

doi:10.1038/nature18009

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