"顔パス"入場や、車いす支援など。ICTが実現する未来のイベント運営とは?

2016年03月30日 00時34分 JST | 更新 2016年03月31日 01時11分 JST

参加者をはじめ、来場者や運営スタッフなど、多くの人々が集まる大規模イベントでは、混雑による事故や混乱が懸念される。また、誰もが楽しめるイベントにするためのおもてなしのサービスも重要だ。

その課題を、NECの先進のICTを活用して解決する実証実験が、昨年11月、約1万人が参加した、市民参加型のスポーツフェスティバル「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2015 アジア パシフィック」で行われた。

そこには、最先端の画像解析技術やネットワーク技術を活用し、スポーツイベントを安全・安心、そして快適に運営するための取り組みがあった。

受付・入場は"顔パス"でスムーズに


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今大会でもっとも多くのチームが参加したリレーマラソン。チームのキャプテンだけで約300名に上るため、受付を行う際には参加者・主催者とも大変な労力となる。

この競技の受付で行われたのが、NECの顔認証技術による実証実験。チームのキャプテンには、事前に顔画像を登録してもらい、そのデータと、大会当日に専用端末で撮影した顔画像を照合することで入場管理を行った。

顔認証による本人確認にかかる時間は1秒ほどで、メガネやヒゲなど登録時の顔と異なっていても正確な認証を実現。この高精度かつハイスピードな認証によって、参加者は長い時間待たされることなく、スムーズな受付が可能となった。

また高精度な認証は運営側にとっても、なりすまし入場を防げるなどのメリットが生まれる。多数の人々が集まる大規模イベントを安全に運営するには、このような本人確認が非常に重要だ。

車いす参加者へのさりげない支援


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車いすでの参加者も多いイベントでは、運営側のサポートも必要だ。今回行われたのは、車いすの参加者をサポートするために、来場を早期検知する実証実験。

画像認識技術により、駐車場の映像から、事前登録された車いす参加者の車両ナンバープレートを自動で検知する。その情報が運営スタッフに連絡され、車いすの参加者が車を降りる際にサポートをつける体制を整えるというもの。

また車いすの形状を学習することで、どこに車いすの参加者がいるかを常に把握し、状況に応じたタイムリーなサポートも実現。 このサービスは、障がい者だけでなく、老人や子どもなどさまざまな方々に対するサポートの可能性を持っている。

混雑状況をリアルタイムに把握して、事故を防ぐ


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競技場では、大勢の来場者で混雑が予想される。すいている道やゲートがわかれば、より時間を掛けずに入退場でき、混乱や事故を防ぐこともできるはずだ。

そこで役立つのが「行動検知・解析」による混雑状況の把握。NECは今回、大勢の来場客が集まる会場付近で、「群衆行動解析技術」を用いた実証実験を実施。映像を元に、個人を特定することなく混雑状況や人の流れをリアルタイムに運営側で確認することを可能にした。

リアルタイムの状況把握に加え、混雑予測までを行うことができれば、より来場者をスムーズに誘導し、混雑を軽減することも可能になるだろう。

参加者の心をつなぐ、リアルタイム観戦


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フルマラソンの距離を5〜10名で走るリレーマラソン。今大会では、マラソンコース3カ所に撮影機器を設置。その映像を各チームに配付したタブレット端末100台に配信し、遠隔地を走るメンバーの状況を競技場にいるメンバーがリアルタイムで観戦できるようにした。

実証実験ではNEC独自の「誤り訂正エンジン」を採用したWi-Fiマルチキャストにより、タブレット端末へ映し出される映像を鮮明化。

設置された撮影機器に向かってポーズをきめるランナーと、競技場から熱い声援を送る仲間たち。臨場感の伝わるライブ中継により、チームの心がひとつになり盛り上がるシーンも見られた。

将来のスポーツイベントでは、同時に実施される他の会場の競技を、スマートフォンでライブ観戦できるようになるということも期待される。

※NEC実証実験の詳細はこちら