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シルバーパス:160億円、認証保育所:32億円、不妊治療:25億円...嗚呼、「再配分」の困難さよ。

2014年05月01日 21時27分 JST | 更新 2014年07月01日 18時12分 JST

「政治」とは何か??

教科書的には『再配分』であるとされています。

社会の資源を集めて、適切にそれを配りなおす。

具体的に言えば、集めた税金をどのように

社会補償や福祉に還元していくかということが、

政治や政治家の大きな役割になるのです。

ところがこれは、当然のことながら

字面で見るほど簡単なことではありません。

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画像引用元:東京都シルバーパスのご案内

最近政策研究をしている複数の案件で、

それが象徴的だと思ったことがあります。

掲題の数値になりますが、

シルバーパス:約160億円

認証保育所:約32億円(市部のみ)

不妊治療:約25億円

これは平成25年度に東京都が各事業に支出した金額です。

どれも確かに、「あった方がいいもの」です。

区部の認証保育所へは、「都区財政調整制度」によって

支払われた交付金から各区が補助金から支出するため、

東京都では支出総額を把握ができないとのこと。

「シルバーパス」は高度経済成長期の終盤となる昭和48年から

無料乗車券→敬老乗車券→老人パス→シルバーパスと名称を変えながら、

現在まで続く高齢者への社会保障政策です。

ちなみに広域自治体(都道府県)レベルで実施しているのは

日本で唯一東京都だけで、他にシルバーパスがあるところは

実施の主体は基礎自治体になります(大阪市、京都市、川崎市など)。

東京都がいかに革新首長だった時代に大盤振る舞いを

してきたかの証左でありますが、財政再建団体転落の危機に瀕していた

平成12年頃から、一部費用負担を徴収するようになりました。

とはいえ、費用負担はわずか一律1000円、

一定の課税ラインを超えた利用者は20,510円の負担になるとはいえ、

この対象者はわずか一割と少しに過ぎません。

もちろんシルバーパスそのものが

「バラまき」の「悪しき政策」なわけでは必ずしもありません。

高齢者の社会的活動を支えるものとして、一定の効果があるでしょう。

しかし同様に、沢山の若い人が「もっと多く」「もっと安く」子どもを産みたい、

認証保育所を利用したいと考えており、また少子化がこれほど問題になる中で、

果たして適切な「再配分」と断言できるでしょうか。

当然のことながら、単純な金額だけでは比較できません。

それぞれの施策の受益者、つまり利用者数を比較するとこうなります。

シルバーパス:約81万人

認証保育所:約5500人(市部のみ)

不妊治療:約8600人

一人あたりにならした数字で比較する、という観点も大事ですが、

この数字が物語るもう一つの事実は

「受益者が多い分野は、政治的な力が強くなる」

という明確な事実です。

シルバーパスのように、「薄く広く」という政策は受益者も多く、

反対する人が少ない分野です。政治家も積極的に取り組みます。

しかしながら、子育て支援や不妊治療のように

「限られた人数に、まとまった予算が必要」

となる政策には、様々な衝突や議論が起こることが予想されます。

対象人数も少ないですから、こうした分野には政治家は消極的になるのです。

繰り返しになりますが、この記事は現時点では

シルバーパスに対して一方的に疑義を唱える目的ではありません。

ですが、この問題について調べたいと言った時、とある方から

「それ(シルバーパス)に触れるのはやめておきなさい。

 次(再選)が確実になくなるよ

というアドバイスをいただきました

脅しではなく、善意でおっしゃっているのがわかるだけに、

社会保障分野の再配分の難しさ・恐ろしさを肌で感じた次第です。

なお都議会では、シルバーパスについては基本的に

全会派、全議員賛成で論点になったことはありません...

社会保障の利害調整とは、ことほど左様に難しいものなのです。

皆さまは、どのようにお感じになりますか?時にはこんな数字を見比べて、

考えて馳せてみていただけると幸いです。

それでは、また明日。

◼︎おときた駿プロフィール

みんなの党 東京都議会議員(北区選出)/北区出身 30歳

1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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