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アップルのCEOがゲイだとCNBCがうっかりバラしてひんしゅくを買った件

2014年06月29日 00時57分 JST | 更新 2014年06月30日 01時05分 JST

昨日、CNBCのキャスターが番組の中でアップルのティム・クックCEOがゲイだとうっかりバラして、とても気まずい場面がありました。

誤解の無いように最初に断わっておくと僕はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)は本人が持って生まれたアイデンティティであり、偏見を持たれたり、差別されたり、法的権利を制限されたりするべきではないし、ちっとも恥ずかしくないと思います。

事の発端はイギリスのオイルメジャー、BP(ティッカーシンボル:BP)の元CEO、ジョン・ブラウンが自伝の中でゲイであることを隠しながら大企業のCEOを務めるのが、いかに辛かったかを告白したことについて、ニューヨーク・タイムズのコラムニストでノンフィクション作家としても定評のあるジェームズ・スチュワートが解説している最中に、CNBCのアンカーのひとりであるサイモン・ホッブスが「アップルのティム・クックは自分がゲイであることについて、結構、おおっぴらに認めているよね?」とやってしまったことにあります。

上の動画でジェームズ・スチュワートが言っていることは、「プロスポーツの選手でも自分がゲイであることを公に認めることはごく普通になっているのに、こと企業の経営者となると未だタブー的な雰囲気が抜けていない。自分がコラムを書くためにコンタクトした経営者は、誰一人として名前を公表していいと言って呉れた人は居なかった」ということです。

自分がゲイであることを公表するかどうかは、全く個人的な問題であり、他人に詮索されるべきことではありません。しかしジョン・ブラウンの自伝やジェームズ・スチュワートのコラムが伝えるように、企業社会ではまだまだこの問題に関する世間の目は冷たく、経営者は人知れず苦しんでいるということです。

CNBCのこのチョンボはとても残念なことですが、時価総額で世界最大の企業のCEOがゲイであるということがわかったことで、この問題について考えてみる良い機会になった気がします。

(2014年6月29日「Market Hack」より転載)