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「生物は食べられるのに、ロボットは食べられないよね」⇒ゼラチン製"食べられるロボ"研究中。薬としての応用可能性も

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スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究者らは、この度ゼラチン製のアクチュエータに関する論文を発表した。このテクノロジーを応用すれば、将来食べられるロボットが誕生するかもしれない。

食べられるロボットの開発というのは、一見奇妙な夢のように感じられる。実際に、アクチュエータの開発に関わっていたチームも、現段階ではこのテクノロジーの使い道を完全には見いだせないでいる。EPFLの知能システム研究室(Laboratory of Intelligent Systems)でディレクターを務めるDario Floreanoも、TechCrunchの取材に対し、この研究は通常とは逆のプロセスで進んでいったと認めている。どうやら今回の研究は、何か特定の問題を解決するためではなく、新しいものを創り出すということを目的に行われたようなのだ。

「1年前に(大学院生で論文を共著したJun Shintakeが)私のところに来て、『私たちは生物にインスパイアされたロボットの研究をしていますが、生物は食べられるのに、ロボットは食べられませんよね』と、とても面白いことを言ってきたんです」と彼は説明する。「食べ物とロボットの制限・属性は全く違います。それが何に使えるかはさておき、このふたつを組み合わせることができるのかというのはとても面白いテーマだと思ったんです」。

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暖かい/涼しい場所に自ら移動できる食べ物や、人間や動物に向かって進んでくる食べ物などを、食べられるロボットの応用の可能性としてFloreanoは挙げる。しかし、その中でも最もインパクトが大きそうなのが、動く医薬品としての応用だ。最近のRecodeの記事でもこの点が触れられており、これがEPFLの研究を世に広めるきっかけとなった。

「薬への応用はかなり面白いと思います。患部に直接薬を運べるようになるかもしれませんからね」とFloreanoも語っている。

昨年には、MITが豚の腸からできた折り紙のようなロボットの開発について発表していた。このロボットは、誤飲された電池など有害なものを人体から取り除くために、体内で自動的に開くようになっている。EPFLの研究がMITと異なる点は、人間の体がアクチュエータの全てのパーツを分解できるということだ。

このアクチュエータは、ソフトロボティクスと呼ばれる、周りの環境に合わせて形を変えられるロボット扱う分野の研究の一環として開発され、応用例には掴むものに合わせて変形できるロボットグリッパーなどがある。

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一旦体内に入ったロボットは、化学反応を動力として利用できるかもしれない。さらに、最近食べられる電子機器の研究も盛んに行われており、人体に無害なバッテリーであれば、消化はされないものの、体に影響を与えずに体外へ排出されるので、動力源の別の選択肢として利用できるかもしれない。

現段階では、EPFLのゼラチン製の食べられるアクチュエータには全く味が付いていないが、研究チームは、ホスピタリティの分野では世界レベルの学校で、EPFLの近くにあるÉcole hôtelière de Lausanneとタッグを組み、美味しいロボットの研究も進めようとしている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

(2017年3月15日TechCrunch Japan「ゼラチン製の食べられるロボットの研究―、患部に直接届く薬としての応用可能性も」より転載)

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