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ウィンブルドンテニス、錦織圭選手はサービスゲームでの集中がカギ/杉山愛オリジナルコラム「愛'sEYE」

2015年06月29日 22時11分 JST | 更新 2016年06月28日 18時12分 JST

■錦織選手は自分のサービスゲームにどれだけフォーカスできるかがカギです

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クレーの全仏から芝のウインブルドンへ......。今年から1週間のエクストラウイークができて間隔が3週間になったとはいえ、それでも準備期間は短く、選手は本当に難しい調整を強いられます。

ただ、芝は基本的に日本人のテニスにフィットしているサーフェスとも言えます。錦織圭選手はどのサーフェスでもそれほど大きな影響を受けませんが、日本勢に多いフラット系主体の選手たちは、クレーより芝のほうがよりフィットしているように思います。

フラット系のボールは、短く刈り込んだ芝の上で、勢いが殺されることなくそのままの勢いで弾んでいきます。スライスはコートの表面を滑っていきます。それゆえ日本選手が得意とする速い展開がしやすいのです。

また、クレーではスピンボールは高く弾むので、特に女子の場合、力の入らない頭の上の打点で打たされるケースが必然的に出てくるのですが、芝はバウンドが低めなので、力の入るところで打てるのも大きな違いです。その分、重心を低くしてプレーする必要があるのですが、そこも日本選手の得意とするところでしょう。

特に添田豪選手は芝を楽しみにしているはずです。芝では彼のフラット系のボールが生きるので、私自身、彼がいいプレーをしている姿をイメージしやすいのです。普段より展開を攻撃的にして、自分から攻めるということを課題に芝へのアジャストに取り組んでいることでしょう。先手をとって、どれだけ攻撃的に自分から展開していけるかだと思います。

奈良選手も早いタイミングで捕るのが得意な選手ですから、それが芝で生きるでしょう。彼女はサーブのキープがカギになるように思います。クレーや遅めのハードコートでは、サーブは確率重視の考え方で、おそらく70%、80%の確率でファーストサーブを入れてポイントを組み立てていると思うのですが、芝ではサーブでもう少しリスクを負ってもいいと思います。例えばボディに食い込んでいくスライスサーブ、ワイドのサーブなどをまぜ、多少リスクを負ってもサーブで多くのポイントが取れると展開が楽になると思います。

土居選手は最初、予選から出場する予定でしたが、予選開幕直前に本戦に繰り上がりました。彼女は全仏でもイバノビッチを相手にいい試合をしていますし、芝のバーミンガムでも予選から本戦2回戦に進出するなど、このところ好調なので期待していいと思います。芝は得意ですし、彼女の左利きのサーブも芝で有効です。

最後に錦織選手ですが、心配されたふくらはぎも軽傷で、開幕に調整が間に合いそうです。ウインブルドンでは去年のベスト16が最高成績。攻撃力が上がっているのがプラス要素で、サーブも強化されているので今回はそれ以上を期待していいと思います。

彼の試合は、どのサーフェスでも、勝ち試合はサーブのリズムがいいという特徴があります。案外、ここというところでエースで締めくくる場面も多いのです。特に芝は、サービスゲームでは自分からの展開が大事ですし、それにはサーブ自体の出来がキーになります。

去年のラオニッチとの4回戦のように、芝では長身のビッグサーバーにサーブでドカドカやられると厳しい展開になりますが、その分、自分のサービスゲームにフォーカスしていければいいでしょう。キープ力も上がってきているので。まずは自分のサービスゲーム、という心構えで臨むといい結果が出るように思います。

 

 

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