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北朝鮮は、なぜ首相が解散を決断してからミサイルを発射しなくなったのか?

日本が唯一できることは、米国の指示待ちだけの様にしか見えない。

2017年10月20日 10時42分 JST | 更新 2017年10月20日 10時42分 JST

北朝鮮が一か月以上ミサイル発射をしていない。これは20172月以降初めてのことだ。829日のミサイルが北海道の上空を通過し、初めて全国瞬時警報システムの警戒情報が出され、915日のミサイルでは12道県が対象になり、北朝鮮の脅威が最高レベルに達した。

丁度、その時期、衆院解散が騒がれ始め、918日、安倍首相は外遊前のインタビューで「帰国後に判断したい」と解散を初めてほのめかした。今年はすでに10回以上ミサイルを発射しているのに、解散が決まってからは一度もミサイルを発射してないのはなぜだろう?単なる偶然だろうか。

首相が解散をこの時期にしたことについて、「野党がバラバラになっているから」とか「内閣支持率が回復したから」とか言う専門家がいるが、私は、北朝鮮からの脅威がピークになったことが一番の理由だと思っている。これにより、「パラバラの野党にこの有事を任せられますか?」と、最も共感の得やすいキャッチコピーを与党は使うことができるようになった。「モリカケ問題には納得できないけど、野党に北朝鮮問題を任させるよりはまし」と有権者の心を読み取る能力は凄いと思う。

勝手な想像だけど、私は選挙当日まではもうミサイルは打たないと思う。北朝鮮は、ミサイルを発射すれば、それが選挙運動に使われてしまうと思い、選挙が終わるまで待っているのではないかな。要するに、あまり好きじゃない首相に勝ってほしくないのではないかな。あくまで想像だから、ぜひ専門家の方たちの意見も聞いてみたいが、偶然にしてはできすぎている気がするし、北朝鮮の人のことを「不法難民」(こんな言葉存在しません)とか「武装難民」とか偏見に満ちた発言を副総理がしている国を好きになる理由はない。

安倍首相は北朝鮮問題を選挙の争点の一つとし「最大限の圧力をかける」という政府の姿勢を支持するかしないか決めてほしいと言う。予測不能な隣国からの脅威に怯える人たちが、「強い姿勢で臨みます」という指導者にNOと言うのは難しい。

でも、ここは冷静に考えてほしい。ほとんどの「圧力」は、一定の信頼関係がないと起動しない。顔も見たくない人に「次同じことしたら、もうお前とは話さない」と言われても、それは何の圧力にもならない。嫌われている人が相手にかけられる唯一の圧力は「次同じことしたら痛い目に合わすぞ」だ。首相は、軍事力行使を含めすべてのオプションがテーブルにあるという米国を支持しており、選挙で勝てば、民意を得たとし、米国に「国民の支持は得ております。何でもやってください」と伝えるだろう。

党首討論で、記者が首相に「北朝鮮とは水面下で対話しているのか?」と問う場面があった。首相は「水面下の話は水面下ですから、していてもしていなくても話せません」と返した。対話のルートが少しでもあるのだとしたら、政府がそれを広報しない理由はないと思う。

北朝鮮の政府高官がロシアと接触しただけでも日本で大きなニュースになるくらい、北朝鮮が対話に応じるというのは珍しいことだ。対話のルートを作ることすらできず、国連安保理決議案も結局、米中ロが主導し、日本が唯一できることは、米国の指示待ちだけの様にしか見えない。

首相には申し訳ないけど、それくらいだったら、どの党首でもできる。だから北朝鮮は選挙の争点にはなりえない。だから私は投票する際、北朝鮮問題のことは忘れようと思う。