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世論をつくる10%の人達

2013年05月21日 23時28分 JST | 更新 2013年07月21日 18時12分 JST

「世界をひっくり返すには、どうしたらいいのか?!」

そんな疑問を、本気で追及している科学者がいる。アメリカ・ニューヨーク州に位置するレンセラー工科大学で、物理や数学、コンピュータ科学を研究するシエらの研究チームである。

シエらは、2011年に発表した論文の中で、様々な条件でシュミレーションを行い、驚くべき結論にたどりついた。

「少数意見であっても、社会全体でその数が10%を超えると、一気に広がる可能性がある」

つまり、常識にチャレンジして、献身的に周囲に働きかけ続ける人の割合が10%を超えると、劇的な変化が訪れると示されたのだ。

たしかに、人類の歴史を振り返ると、少数派であったはずの意見が、きわめて短期間に広がった事例は多い。たとえば、有名な事例としては、アメリカの黒人(アフリカ系アメリカ人)による公民権運動がある。あるいは、この「10%」という数字は、ビジネスの世界では「ティッピングポイント」として、経験的に知られている数字かもしれない。

世の中に数ある大ヒット商品やサービスの普及過程をみると、ある一定の普及率を乗り越えると、せきを切ったように社会全体に流行することがある。この一定の普及率は「ティッピングポイント」と呼ばれ、商品やサービスによって異なるが、一般に10%弱程度と言われている。

もちろん、「10%」という数字は、たった一つの研究結果に過ぎず、現時点で結論づけることはできない。しかし、この「10%」という数字を見た時、個人的にはとても救われる想いがした。

社会は、それを構成する人間同様、大変複雑なものである。よく見知った、たった一人の意見を変えることさえ難しいのに、ましてや大勢の意見を変えることは、きわめて困難な営みのように思える。だが、きわめて少数の人に影響を与えれば、それは結果として、所属する組織や社会の大きな変化につながる可能性があるというのだ。

何かを新しく始めると、その未熟さゆえに、必ず批判を頂くものである。

「大人すぐ怒るじゃん! 超怖いじゃん!」 by チームラボの猪子さん

という、発言に象徴されるように(笑)

しかし、怒られながらも、まずは身の回りの10%の人達に主張を届けることができれば、世界は少し変わるのかもしれない。

そんなことが、科学的にも言われ始めているようだ。