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生命科学は、生命(いのち)を研究する学問です

2014年01月17日 22時00分 JST | 更新 2014年03月19日 18時12分 JST

 私は現在、京都大学大学院生命科学研究科に在籍し、博士後期課程の大学院生として研究活動に従事しています。幅広い知見を有する優秀な研究者やサイエンスライターの方々が沢山いらっしゃる中で、光栄なことにサイエンス記事を投稿させていただく機会を与えて頂きました。ハフィントンポスト関係者の皆様に深く感謝いたします。

 生命科学の知見は、iPS 細胞関連技術、ガン治療をはじめとする最先端医療技術だけでなく植物・動物の育種から遺伝子組換え技術など、私達の身近なものに応用されています。最近では、クモの糸をヒントにした新たな素材が話題になり、また、藻類を用いたエネルギー資源開発なども話題になっていました。

 一方で、この益々身近になる「生命科学」なる学問については、あまり学ぶ機会がなく、よくわからないという方々も多いと思うのです。新聞などでは有名ジャーナルに掲載されたとき、科学欄に取り扱われはするものの、日々アップデートされる科学知見に触れる機会などほとんどないのではないでしょうか? また、もし生命科学のリテラシーを高めることができれば、多額の税金が投資されて推進される研究活動により厳しい世論の目を向けることができ、科学界だけでなく納税者にとっても有益であろうと考えます。

 では、「生命科学」とは一体どのような学問なのでしょうか。文科省の「ライフサイエンスの広場」には次のような記述があります。

ライフサイエンスは生物が営む生命現象の複雑かつ精緻なメカニズムを解明することで、その成果を医療・創薬の飛躍的な発展や、食料・環境問題の解決など、国民生活及び国民経済の発展に大きく寄与するものとして注目を浴びている分野です。

 国の目線を色濃く反映した記述といっていいでしょう。我が研究科の石川冬木教授は次のように説明します。

生命科学は、生命(いのち)を研究する学問です。その対象は、ウイルス、バクテリアからヒトにいたるまで多種多様な生物を含み、研究を実施する場は、分子・遺伝子レベルから個体、エコシステム(注:生態系)にいたるまでの様々な階層にわたります。生命は単純な分子機械ではありません。従って研究には、これら多種多様なアプローチを駆使して生命の全体像を浮かび上がらせる必要があります。

 生命を対象とした研究は、理学、農学、薬学、医学等の伝統的な研究分野に分割された形で今現在も行われていますが、生命科学と名を冠した研究科も多数存在します。生命科学は生命の全体像を見渡す学際的な学問として位置付けられています。そして生命を愛する研究者によって、昼夜分かたず研究がこのニッポンでも推進されているのです。

 私はこの生命科学を研究してきた経験を活かして、及ばない力は承知の上で、過去から今に至るまでの重要な論文、あるいは面白いユニークな研究発表や文献などを分かりやすい形で、読者の皆様にお届けしようと思っています。テーマは社会的に関心が高いと思われるものにするつもりです。読者の皆様、ご指導ご鞭撻のほど心よりお願い申し上げます。

「お前なんかじゃだめだ、オレが発信する」という方々が増えていくのは、歓迎すべきことと思います。様々なメディアを介して、幅広くそして奥深いサイエンスをより身近に感じられるようなニッポンになればいいなぁと考えています。

【参考文献】

文部科学省のホームページ「ライフサイエンスの広場」

京都大学大学院 生命科学研究科ホームページ

ノーベル賞受賞者がサインをするイス

日本人ノーベル賞受賞者