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自公の「子どもの貧困」対策まとまる ―― 親から子への「貧困の連鎖」をストップ

2013年05月16日 01時13分 JST | 更新 2013年05月16日 01時13分 JST
Getty Images
Group of young children in Urban Ghetto, Bronx, NY (Photo by Visions of America/UIG via Getty Images)

親から子へと、貧困の連鎖を食い止めよ――。「子どもの貧困」が問題となるなか、政府の対策法案がまとまった。朝日新聞デジタルは次のように報じている。

 自民、公明両党は14日、親から子への「貧困の連鎖」に歯止めをかける取り組みを国の責務とする「子どもの貧困対策推進法案」をまとめた。議員立法で月内にも国会に提出する。政府が提出準備中の生活保護法改正案などと合わせて、今国会での成立をめざす。

 法案は「子どもの将来が生まれ育った環境で左右されない社会の実現」を理念とし、対策推進の大綱づくりを政府に義務づける。関係閣僚らの「子どもの貧困対策会議」が作業を担い、学費の援助や社会との交流など、子ども向けの教育・生活支援策のほか、職業訓練や就職あっせんなど、親への就労支援策も盛り込む。

朝日新聞デジタル 05/15/2013 20:06)

子どもの貧困とはどう定義されるのか。「子どもの貧困率」という物差しがある。経済開発機構(OECD)が作成した基準を使い、厚生労働省が国民生活基礎調査をもとに算出するもので、具体的には、等価可処分所得の中央値の半分(貧困ライン)を下回る世帯に暮らす、17歳以下の子どもの割合をいう。

記事にある「15.7%」というのは、データがある1985年以降で最悪の数字だという(昨年7月に厚生労働省が発表)。先進諸国の中でもかなり高い水準だ。

ユニセフが昨年6月にまとめた報告書によると、北欧諸国やオランダは「子どもの貧困率」が7%前後、オーストラリアやイギリスは10-15%の間。米国やルーマニアでは20%以上が貧困の中で暮らすという。日本は同じ調査時点に14.9%で、先進35カ国の中で9番目にランクされた。

朝日新聞デジタルも、このユニセフの報告を次のように報じている。

日本のデータは、2009年の所得を基にしている。これまでユニセフが同様の分析をした報告書によると、日本の子どもの貧困率は00年12.2%、05年と07年がいずれも14.3%。今回は15%に迫り、年を追うごとに上昇している。順位も23カ国中12位(00年)、26カ国中17位(05年)、24カ国中16位(07年)と、低迷が続いている。

朝日新聞デジタル 2012/6/10 6:27)

子どもの貧困率の増加は、世界の先進国で共通する現象のようだ。OECDが15日に公表したプレスリリースによると、2007年以降、加盟16カ国で子どもの貧困率は増加しているという。特にトルコ、スペイン、ベルギー、スロベニア、ハンガリーでは2ポイント以上増加しているという。リリースは「OECD諸国で高齢者に代わって若者と子どもが、所得の貧困の危機に最もさらされる年齢層になったという、以前に明らかにされた傾向を裏付けるもの」だと論じている。

「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークの湯澤直美・共同代表は、5月7日に朝日新聞に掲載されたインタビューで次のように答えている。

「日本では今、6~7人に1人の子どもが貧困に直面しています。国連児童基金(ユニセフ)の報告書によると、2009年の日本の子どもの貧困率は14・9%。先進35カ国のうち、9番目の高さです。背景には景気の悪化だけでなく、政治がこの問題にしっかりと取り組んでこなかったことがあります。先進国の中で子どもの『社会保障』がこんなにおろそかな国は少ない。貧困率が高いひとり親世帯への支援が不十分だし、教育の機会均等も保たれていない。」

朝日新聞デジタル「(学びを語る)子どもの貧困 個人ではなく社会の問題 湯澤直美さん」より 2013/5/8)

日本全国がアベノミクス効果に浮かれる中、置き去りにされている子どもたちの存在に、いまいちど目を向けてみたい。