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「教員公募制度」大阪市が全面導入へ メリット・デメリットは?【争点:教育】

2013年10月06日 15時56分 JST | 更新 2013年10月06日 15時56分 JST
時事通信社

学校に必要とする教員像を示して教員を募集する「教員公募制度」を、大阪市教育委員会が全ての市立小中学校(429校)で導入する方針を決めた。来春の移動でまず100校を対象に開始する。朝日新聞デジタルは、来春での募集について次のように報じている。

初年度は「英語教育」「習熟度別授業」などで特色のある学校など計100校(小56、中42、小中一貫2)が対象。例年、1校当たり2、3人が異動するが、教員公募枠は各校1人とする。応募できる教員は同じ学校で7年以上勤めた人のみに限定する見込み。


(朝日新聞デジタル「教員公募制、大阪市が全面導入へ 校長の裁量拡大狙う」より。 2013/10/05 19:08)

学校公募制は、校長の教育理念や学校運営方針等に基づき、教員を公募するという取組みだ。文部科学省の調査によると、2011年4月1日においては、26の教育委員会で教員公募制の取組を行っているという。今回大阪市が目指す公募制は、民間人を採用するものではなく「教員の人事異動を公募化する制度」と言い換えてもいいだろう。

メリットとしては、指導力のある教員を、学校に集めることができるという点がある。

教員公募制度を採用している東京都立日比谷高校は、東京大学への合格者が急増し、人気が復活しているという。進学塾大手の市進学院の長谷川一夫情報出版室長は、日比谷高校など東京都の「進学指導重点校」の取り組みについて、次のように話しているという。

重点校指定だけでなく、人事考課制度により教員が成果で評価されるようになったことや、学校間で「あそこには負けたくない」という競争原理が働いていることも貢献していると指摘する。各校では企業さながらの「経営計画」を作成し、年度末には自己評価まで行っている。


(J-CASTニュース「開成合格して「日比谷」選ぶ例も 東大合格者急増「名門都立」が完全復活」より。 2013/09/21 10:00)

小中学校の事例ではどうだろうか。教員公募制を取り入れている東京都の公立一貫校・千代田区立九段中等教育学校の高木克校長は、学校側が欲しい人材を示すため、校長などの管理職と教員との対立もなくなり、教員のモチベーションが上がるというメリットを挙げている。

(高木克校長)「公募教員を採用する際に意欲や意思の確認が行われますから、それぞれの学校に採用された教員は、本気でその学校を発展させたいという情熱にあふれています。既存高のように旧き慣行や個人的な思想信条で学校経営に背を向けるような教員は、1人もいません」


(峰 如之介著「なぜ、我が子を東大に行かせたいのですか?」より。)

また、地域住民とも一緒に教員を選ぶ教員公募制を採用している京都の小学校の例では、地域の子供を育てる責任感を、教師に持たせることができると、京都市長の門川大作は話す。

(京都市長)「例えば、ある小学校で、定年退職と異動で5人の先生が入れ替わる場合に、校長と地域のコミュニティが、迎え入れる教員を公募することができる。そして、地域のコミュニティの代表と校長が面接して、問題なければ、教育委員会が確認して発令する。そうすると、地域社会も親も、自分たちが迎えた教員であり、学校の先生も、迎えられた教師であるということで、本当に責任持って頑張るという意識が生まれます。そこまでの組織内分権をやっていく。こういうことによって、学校も良くなる、地域も、子供がしっかりと育つ地域社会を作っていく、こうして責任を共有していくことが大事だと思います。


(文部科学省「教育制度分科会(第23回)」より。 2013/05/20)

学校をマネジメントする側への資質が求められて良いとする意見もある。

橋下徹大阪市長は4月、校長が教員の人事権を持っていないことが、いじめや体罰の問題につながっているとツイートしている。

しかし、教員公募制には、「優秀な教員が一部の人気校に偏る」などの学校間格差を心配する反対意見などが出ている。

というのも、地域によって学校を取り巻く環境に既に差があるとする意見もあるからだ。

交通の不便な場所への勤務地へは不人気になるのではという懸念もあった。

校長へのイエスマンばかりにならないかとする意見も出ている。

公募校長のセクハラ事件を心配する声もある。

また、学校というもののあり方自体を問う意見も出ている。

教員の公募制について、あなたはどのように考えますか?あなた自身が校長だったら、親だったら、様々な視点でのご意見をお寄せください。

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