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『村上海賊の娘』が本屋大賞

2014年04月08日 22時37分 JST | 更新 2014年04月10日 01時09分 JST
時事通信社

全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ2014年の本屋大賞が4月8日発表され、和田竜(わだ・りょう)さんの『村上海賊の娘』が選ばれた。戦国時代の瀬戸内海が舞台で、当時大きな勢力を誇った海賊「村上水軍」の中でも、海賊王と恐れられた武将を父に持つヒロインが、一族の存亡をかけて戦いを挑む姿を描いた。

和田さんは1969年、大阪府生まれ、広島市育ち。早稲田大学政治経済学部卒業後、2007年に小説『のぼうの城』で作家デビュー。『村上海賊の娘』は吉川英治文学新人賞も受賞しており、上下巻合わせて約75万部のベストセラーとなっている。

8日に行われた本屋大賞の発表会で和田さんは、同作品の執筆には資料を読むのに1年、シナリオ作りに1年、連載に2年、そして、直しに半年という期間を費やしたと述べた。

和田さんは2014年1月、海賊をテーマに選んだことや、主人公が20歳の女性だったことについて、朝日新聞デジタルのインタビューに答え次のように述べている。

小学生の頃、家族で因島(尾道市)に行って、そこで初めて村上海賊を知ったんです。赤ふんどしを買って、それを家の階段の壁にずっと張ってました。着想は4年前。そして書くなら、織田信長を敵に回した木津川合戦だと思ったんです。荒くれ者集団の中に女性がいれば、ドラマになるな、海賊船のへさきで罵倒してほえている女性が描きたい、とか。(首領の)村上武吉に実の娘がいたら、そういう設定にしようと考えました。



(朝日新聞デジタル「広島)海賊物語 因島に原点 作家・和田竜さん」より 2014/01/20 03:00)

和田さんは読者に向けた動画メッセージで、自身は日本史が好きでないことを明かし、「日本史が苦手だという人にも、するすると読んでもらえるように、細心の注意を払って書いた小説。単純に面白い、歴史小説でありながら面白い小説を目指して書いた」と話している。

なお、発表会には2013年の本屋大賞受賞者の百田尚樹さんも駆けつけ、「海賊というタイトルが付いているので、私の本と並べて置いてくれたら、読者のみなさんも、これは百田さんの海賊の続編かと思って、私も少しは売れるんじゃないか」と述べ、会場を沸かせた。

■2014年本屋大賞の受賞作

1位『村上海賊の娘』和田竜(新潮社)

2位『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉(河出書房新社)

3位『島はぼくらと』辻村深月(講談社)

4位『さようなら、オレンジ』岩城けい(筑摩書房)

5位『とっぴんぱらりの風太郎』万城目学(文藝春秋)

6位『教場』長岡弘樹(小学館)

7位『ランチのアッコちゃん』柚木麻子(双葉社)

8位『想像ラジオ』いとうせいこう(河出書房新社)

9位『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦(朝日新聞出版)

10位『去年の冬、きみと別れ』中村文則(幻冬舎)

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