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集団的自衛権、行使容認で自公が合意

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公明党の外交・安保調査会と憲法調査会の合同会議であいさつする北側一雄副代表(中央右)。右端は山口那津男代表=6月30日午後、東京・永田町の衆院第2議員会館  | 時事通信社
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[東京 1日 ロイター] - 自民党と公明党は1日、これまでの憲法解釈を見直し、集団的自衛権の行使を容認することで合意した。日本への直接的な攻撃に対して最小限の武力行使しか許されなかった自衛隊は、親密な他国が攻撃を受けた場合も反撃が可能になる。

中国の軍事力増強など安全保障の環境が変化する中、日本の防衛戦略の幅が広がる一方、武力行使の範囲が政権の解釈で拡大する恐れがある。

1日夕方に政府が閣議決定した上で、行使容認への意欲を強く示してきた安倍晋三首相が午後6時から会見する。

<自国防衛を強調>

歴代政権は集団的自衛権について、国連憲章で権利を認められてはいるものの、憲法が制約する必要最小限の武力行使に含まれないとの立場を取ってきた。しかし今回、地政学的な変化や技術革新の加速など日本を取り巻く安全保障の環境が変わったとして、必要最小限の範囲に集団的自衛権が含まれるよう憲法解釈を変更する。

閣議決定の文案は、日本と密接な関係にある国が攻撃された場合、1)日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由と幸福の追求権が根底から覆される明白な危険がある、2)日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない、3)必要最小限の実力行使にとどまる──の3条件を満たせば、集団的自衛権は「憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った」としている。

1日朝の与党協議後に会見した自民党の高村正彦副総裁は「自らを守り、国の存立、国民の権利、暮らしを守るためにしか(行使)できないこと、はっきり書かれている。極めて厳しい縛りが入っている」と説明。国際法で認められている集団的自衛権すべてが行使できるわけではなく、あくまで自国の防衛のためにしか使えないことを強調した。

<「万が一の外交カード」>

安倍政権は国家安全保障会議の設置、武器の全面禁輸見直しなど、戦後の日本の安保政策を変えつつあるが、外国での武力行使につながる可能性のある集団的自衛権の容認は、自衛隊創設以来の大きな転換になる。元外交官の宮家邦彦氏は「次元が変わる。今生きている世界が二次元だとしたら、三次元に突入する。つまり世界標準の国になる」と話す。

集団的自衛権の行使容認で安倍政権が目指すのは、日米同盟、さらに米以外の友好国との関係強化。中国が台頭する一方、米国の力の低下が指摘される中、自衛隊の役割を拡大して米軍の負担を減らすとともに、東南アジア諸国やオーストラリアなどとの防衛協力を進めやすくする。

政府関係者として協議に携わる礒崎陽輔首相補佐官は「これは外交カード。万が一のときには助け合おうというカードを切ることで友達の輪が広がる。これで日本の外交的な抑止力がより担保される」と語る。

<グレーゾーン対応も合意>

一方、日本防衛のための限定的な容認としながら、政権の解釈次第で範囲が拡大する可能性がある。政府は閣議決定を経て、自衛隊を動かすための法整備に着手する。具体的に何が可能になるかは今回の与党協議と閣議決定では明確になっておらず、法律の制定過程で3条件に照らしながら決めていくことになる。

自民党と公明党は協議の中で、8つの具体的な事例に当てはめ、集団的自衛権の行使が可能かどうかを検討してきたが、いずれも答えは出ていない。公明党の北側一雄副代表は、日本を防衛中の米艦防護については「日米関係の信頼性、実効性を確保する上で非常に大事。安保上の必要性があると考えている」とする一方、シーレーン(海上交通路)に敷設された機雷を自衛隊が掃海することについては否定的な見方を示す。政府と自民党は、8事例すべて可能と考えている。

このほか両党は、武力攻撃には至っていないものの、主権が侵害される「グレーゾーン」事態への対応についても合意。離島防衛を念頭に、自衛隊の派遣手続きを迅速にする。さらに国連平和維持活動(PKO)などでの武器使用基準を緩和、給油活動などの後方支援を拡大することも決めた。

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