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エボラ出血熱、ヨーロッパも上陸直前 イギリス・フランスの確率は何%?

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ボストンにあるノース・イースタン大学の研究者らは、旅客機の乗客等を通じてエボラ出血熱が「上陸」する各国の可能性の推定を発表した。

研究チームの推定によると、エボラ出血熱が10月24日までにフランスに上陸する可能性は75%に上り、ヨーロッパでは最もリスクの高い国とされている。

イギリスに上陸する可能性は50%で、ヨーロッパでは2番目、世界では6番目に高い(10月31日までの推定によれば、世界で最も感染拡大の可能性が高いのはガーナ、2番目はアメリカ。アフリカ諸国以外ではベルギーが7番目に入っている)。

イギリスの数値の高さは、旧植民地との関係もあるが(エボラ熱の感染が深刻なシエラレオネはイギリス連邦加盟国)、ロンドンが国際線の主要なハブとなっていることが大きい。ヒースロー空港は世界で最も利用者数の多い空港のひとつであり、どの空港よりも多くの国際線旅客が降り立つ。

この数字は、航空交通が100%稼働したとの想定で算出されており、感染地域からの運航稼働率が現在の水準のまま変わらないことを前提としているが、航空便稼働率が80%減少した場合には、フランスのリスクは25%、イギリスのリスクは約15%に低下すると推測されている

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エボラウイルスが拡大する可能性をランキングにしたもの。右側は、航空便稼働率が80%減少した場合の可能性(なお、このランキングは「10月24日までの推定」で、最新である「10月31日までの推定」とは数字が異なる。最新情報はこちら)。

ブリティッシュ・エアウェイズエミレーツ航空は、リベリア、ギニア、シエラレオネなど、最も感染が広がっている国への運航を一部停止している。

今回の調査を率いたアレックス・ヴェスピニャーニ教授は「Reuters」の取材に対し、「飛行機での移動は、拡散を促進する要因になっている」と述べた。「だが、感染国との関係にはそれぞれ違いがあり、これら3カ国の症例数も異なる。そのため、これに伴って確率も変わる」。

「これは決定論ではなく、確率についての推定だ。ただ、その確率は誰にとっても次第に大きくなってきている。誰が幸運で誰が不運かという問題なのだ」

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防護服を着た「国境なき医師団」の医療従事者が、リベリアのペインズヴィルにある同団体の治療センターで、エボラ出血熱に感染した疑いのある子供を抱いている。

感染地域から運航される航空機の乗客は、搭乗の際に体温を計ることになっている。しかし、エボラ出血熱に感染していた場合でも、発症までには最大21日間の潜伏期間がある。

乗客は搭乗前に感染者との接触についても質問されるが、嘘をついたり、単に会った人の症状に気づかなかったりすれば、このプロセスは役に立たない。

アメリカの衛生当局は現在、感染国からの渡航禁止措置がもたらす効果を疑問視しており、国境の閉鎖は救援隊員らの活動を妨害するおそれがあるとしている。

これに対して、共和党所属の政治家らはオバマ政権に対し、感染国からの運航をすべて停止するよう求めている。ルイジアナ州のボビー・ジンダル知事(大統領候補指名の可能性もある政治家だ)は、アメリカは「感染国からの渡航受け入れを中止するべきだ」と主張している。

テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員も、「さらなる症例がアメリカに上陸するのを防げるよう」監視を強化するよう求めている。しかしオバマ政権はこれを拒否し、渡航を禁止しても得るものはないと述べている。

イギリスにあるレディング大学のイアン・ジョーンズ教授は次のように指摘している。「仮に感染国からの運航の80%を停止しても、感染者は残り20%の飛行機に乗って、これをすり抜けてしまうかもしれない。さらに、アムステルダムなどを経由して遠回りのルートを取る人を止めることもできない」

「機内で感染者の隣に座っても、相手がエボラウイルスの最終段階である致命的な症状に至っていなければ、エボラ出血熱に感染するリスクは実際のところゼロだ。そして、この段階に達した人が飛行機への搭乗を許可される可能性は極めて低い。空気感染するウイルスではなく、誰かがくしゃみをしたからといって感染するものではない」と、ジョーンズ教授は述べている。

これまでにエボラ出血熱と診断されたイギリス人は、シエラレオネ滞在中にウイルスに感染したボランティアの看護師、ウィリアム・プーリー氏1人だけだ。同氏は帰国してロンドンのロイヤル・フリー・ホスピタル(王立施療病院)に搬送されたが、現在は回復している。

プーリー氏はその後、輸血のためアメリカのアトランタに渡った。医療関係者は、エボラウイルスへの抗体を持ったと考えられるプーリー氏の血液が、西アフリカで活動中にエボラウイルスに感染した医師の命を救える可能性があると期待している

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西アフリカの感染地域における症例数の予測


なお、スペイン政府は10月6日、同国の病院でリベリアとシエラレオネで感染したエボラ出血熱の患者を担当していた看護助手の女性が、エボラ熱に感染していたことを明らかにした。アフリカ以外で感染したのが確認されたのはこれが初めてとされる。ノース・イースタン大学の推定では、スペインの確率は14%だった。

[Jessica Elgot(English) 日本語版:湯本牧子、合原弘子/ガリレオ]

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