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働く女性の割合が1位のフランス 理由は「手厚い子育て政策」

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アメリカのキャリアウーマンは、かつては世界をリードする存在だった。1990年には、アメリカの25歳から54歳までの女性のうち約73%が仕事を持ち、女性の就労率では経済協力開発機構(OECD)に加盟する民主主義国中の上位に位置していた。

しかし、その後仕事を持つアメリカ人女性の割合はほとんど変わっていない。一方で、他の国々は大幅な状況改善を図ってきたことが、ホワイトハウスが2月に連邦議会に提出した「2015年大統領経済報告」に掲載されている下のグラフから見て取れる。

labor force
就労適齢期女性の就労率推移。1991年から2013年まで。出典:OECD

このグラフによると、仕事を持つアメリカ人女性の割合は1990年以降ゆるやかに下降しており、現在の順位はOECDに加盟する民主主義国22カ国の中で17位だ。

一方で1位に躍り出たのはフランス。フランスの働く女性の割合は、1990年の72%から、2013年には84%近くまで上昇している。

フランス政府は、子どもを産んでも働き続けたい女性とその家族を支援する法律の整備に積極的に取り組んできて、そして政策は効果をあげている。ほとんどの女性が仕事を持ちながら、2010年の出生率は2.01%と、アイルランドに次いでヨーロッパ第2位を誇る。

また、フランスの家族政策は子育てをするすべての母親と父親が羨むほど手厚い。産前産後の休暇は有給であり、保育所に預けるときには手当が出る。加えて親は1年間の育児休暇を取得でき、政府からは育児手当が入るほか復職も保証されている。

それに比べると、アメリカ人には12週間の産前産後休暇を「無給で」とる権利しかない。

フランスの子育ての様子を知るのに、ウォール・ストリート・ジャーナルの外国特派員パメラ・ドラッカーマンがパリでの育児を綴った『フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密』は一読する価値がある。この本には、フランスの幼稚園で子どもたちが本物の銀製ナイフやフォークを使って美味しい料理を食べる様子や、親たちが安全面で子どものことを心配したり罪の意識を感じたりすることなく、胸を張って子どもたちを保育園に送り出す様子が描かれている。

一方、アメリカのルポライター、ジョナサン・コーンは、政治雑誌ニュー・リパブリックへの寄稿「地獄のようなアメリカの託児所」の中で、アメリカの託児所で優良施設だといえるのわずか10%であることを示すデータを紹介している。おまけにアメリカの託児料金はとても高い。

2013年に「女性の労働力:なぜアメリカは遅れを取ったのか?」という研究を発表したコーネル大学の研究者たちによると、仕事を持つ女性の割合のアメリカと他国との差は、約3分の1は、政府の働く女性を支える支援策が不十分であることに起因しており、残りは高齢化によって労働市場から女性の数が減ったことと、不況に原因があるという。

一方でコーネル大学の研究者たちは、手厚い家族支援策にはマイナス点もあると指摘している。アメリカでは、仕事を持つ女性の割合はフランスより低いものの、子どもを持っても働き続ける女性は仕事で成功をおさめやすく、より高い地位につく傾向がある。逆に仕事から離れてしまうと、たとえ政府からの援助があったとしても、母親になることで出世コースから外れてしまう「マミートラック」に陥る可能性がある。

それでも、フランスに移住するのに備えてフランス語を学んでおくのはいい考えかもしれない。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]

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