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サイボウズ青野慶久社長、官僚を一喝 駒崎弘樹氏が理由を語る

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サイボウズ青野慶久社長 2014年8月撮影 | The Huffington Post
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総務省は3月5日、省職員のワークライフバランスを推進するプロジェクトチーム(PT)の、第1回会合を開催した。このPTは、すべての職員が安心して、結婚・出産・子育てと、仕事とを両立できる環境を整備・推進するために設立されたもの。長谷川岳・総務大臣政務官(44)や官房長、参事官などの幹部職員のほか、子育て中の職員や有識者らが、取り組みを議論した。

しかし、この会議の中でちょっとしたハプニングがあった。有識者委員として参加していたサイボウズ社長・青野慶久さん(43)が、会議中の職員らの態度に業を煮やし、本気で取り組む気がないのかと一喝したのだ。

官僚が先頭に立ってワークライフバランスを推進しなくては、いつまでたっても民間まで取り組みは広がらない。ところが、官僚からは後ろ向きの言葉しか出てこなかった。

「こっちは忙しい時間割いて来てるんだ。国のために。本気じゃないなら、次回から絶対来ない」

青野さんはグループウェア国内シェアNO.1を誇る上場企業の経営者であると同時に、2児の父親。2010年に育児休業を取得したことで、「東証1部上場企業の経営者でも育休を取る」と話題を呼んだ。

この日の会議では、取り組み目標をどうするかについて議論が行われていた。青野さんとともに会議に参加していた、病児保育サービスを展開するNPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹さん(35)はハフポスト日本版の取材に対し、青野さんが一喝する直前の官僚らは、取り組みがうまくいくか自信がないように見えたと話した。

「職員らにも取り組みを推進したいという思いはあります。一方で公務員バッシングもあり、自分たちは定時に帰ってはいけないのではないかというような思いもあるのだと思います」

駒崎さんは、国家公務員がワークライフバランスの取り組みを推進しないなら、民間での推進も難しいと話す。

「省庁は大手企業に、たくさんの仕事を発注しています。定時を過ぎたあとに、『これ、議員に頼まれちゃったから、明日までにお願いね』などと、官僚の感覚で大企業に依頼する。そうすると、大企業で働いている人も断れず帰れなくなる。大企業はさらに下請け企業に『クライアントから頼まれちゃったから、お願いね』と依頼…このように、悪循環が続くんです」

さらに駒崎さんは、官僚らが定時後に仕事をする一因に、「国会待機」があると指摘した。国会では、議員の質問に対する大臣らの答弁は、官僚が書くのが通例となっている。しかし、議員から質問内容が送られてくるのは、質問が行われる前日の深夜であったりするのだ。与党側は前々日の質問通告の徹底を呼びかけているが、なかなか守られていない。結果、官僚が家に帰るのは深夜になってしまう。

「議員らが質問日の1週間前までに質問内容を送っていれば、官僚は残業をしなくてもすむんです。官僚の残業代やタクシー代は、国民の税金なんですよ。政治家は自分の給料を減らすなどといいますが、質問を早く送るようにすることで、税金の使われ方もずいぶん改善されると思います」

ところが、公務員に対して民間からは「もっと働け」との意見も見られる。結果、官僚たちも定時で帰ることや育児休暇を取得することをためらい、ワークライフバランスが悪化してしまう。そんな状況があるために、会議では『計画を立てても無理なのでは』というような空気が漂ったのだと、駒崎さんは分析した。

しかし、青野さんの一言で、会議の空気が変わった。参加者たちから、「変えるんだ、やり遂げるんだ」という前向きな思いが感じられるようになったという。

「このPTは、省幹部と職員が議論できる画期的な機会だと思います。せっかく始まった取り組みを、推進して欲しい」

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