【US 708】銀河系最速の星を発見 ダークエネルギーの解明につながるか

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ドイツにあるヨーロッパ南天天文台のステファン・ガイアー氏らのチームは3月5日、約20年前に発見された星「US 708」が、私たちの銀河系で最も速く移動していると発表した。秒速1200キロという「地球から月まで5分」の速さで、天の川から脱出しようとしているという。音速の約3500倍の速さだ。

us 708
(超新星爆発の観念図)Artist's conception of a star (left) being ejected from a galaxy by a supernova explosion. In reality the supernova would have been faded away long before the star reached that position. Credit: ESA/Hubble, NASA.

これまで見つかった超高速星には、2014年5月にアメリカ・ユタ大学の研究チームが発見した「LAMOST-HVS1」(時速220万キロ)がある。LAMOST-HVS1は元々2つの星がおたがいの重力によって引き合っていた「連星」だったとみられる。その片方が銀河中心にあるブラックホールに近づいて捕まってしまったために、2つの星の引力バランスが崩れ、LAMOST-HVS1が糸が切れたかのように別の方向に高速で移動しているとみられている。

しかし、US 708の軌道を計算すると、ブラックホールから飛ばされてきた移動距離とは合致しないという。ガイアー氏らはUS 708の高速度はブラックホールが原因ではなく、Ia型超新星爆発(超新星爆発)によるものではないかとしている。もともと連星だった片一方の星が爆発を起こし、その影響でもう一方の星が飛ばされたのではないかというのだ。研究チームはこの仮説を説明する動画を公開した。

宇宙科学研究所のページによると、Ia型超新星爆発の規模は一定とされており、飛ばされた星の状況によって、宇宙の大きさや、銀河が遠ざかる速度などがわかるとされている。

しかし、銀河が遠ざかる速度に変化がでていることがわかり、それは「ダークエネルギー」の影響によるものと考えられている。ダークエネルギーは、宇宙の中心にあるブラックホールの引力に打ち勝ち、宇宙を膨張させようとする力のことだ。ナショナル・ジオグラフィックによると、ガイアー氏らは今回の発見を受けて、US 708と同様の星の探索を再開させているとされる。もし十分な例が集まれば、超新星爆発が起こる仕組みや、ダークエネルギーの解明につながるのではないかと、同誌は分析している。

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