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【境界のないセカイ】講談社がLGBTへの配慮で発売中止か 「腫れ物扱いは不幸でしかない」

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「境界のないセカイ」第1話の表紙 | comicbox
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講談社から3月9日に発売予定だった幾夜大黒堂(いくや・だいこくどう)さんの漫画「境界のないセカイ」の単行本が発売中止となり、ウェブ上での連載も打ち切られることになった。幾夜さんのブログによると、性的少数者(LGBT)からのクレームを恐れた講談社側の意向で発売中止になったという。これを受けて、DeNAが配信する「マンガボックス」での連載も15日公開の第15話で打ち切られることになった。

この漫画は医療技術が進んだ未来社会を描いたラブコメディ。「性選択制度」で、18歳以上の国民が男女の性別を自由に選択できるようになっているという設定だ。高校3年生の勇次が、女性に性別変更した従兄弟の「啓ちゃん」への思いを募らせていく様子を描いている。

幾夜さんによると、講談社が特に問題視したのは第5話で登場するバーチャル・リアリティ装置で、勇次が女性の体を疑似体験したシーンだ。オペレーターの女性が「女性なら男性と恋するのが普通でしょう?これは女性の人生を体験するコースですから」という台詞があった。

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幾夜さんがブログに掲載した第5話の該当するシーン

幾夜さんはブログで次のように書いている。

講談社さんが危惧した部分は作中で"男女の性にもとづく役割を強調している"部分で、「男は男らしく女は女らしくするべき」というメッセージが断定的に読み取れることだと伺っています。(私への窓口はマンガボックスさんの担当編集氏なので、伝聞になっています)これに対して起こるかもしれない性的マイノリティの個人・団体からのクレームを回避したい、とのことでした。

「境界のないセカイ」マンガボックス連載終了のお知らせ: 幾屋大黒堂Web支店 @SakuraBlog

この描写について幾屋さんは「主人公の変化を描く過程の一部でした」として、次のように説明している。

この作品は男女の性別の行き来が可能になった世界を描いています。その世界ではセクシュアリティに特に疑問を持たない、無関心な人たちは「男(女)が好きなら女(男)になれば良いのでは?」と考える人が比較的多いのではないか、と考えていました。そして物語が進む中で主人公はヒロインをはじめとして性の越境を行った人に触れる中で、こうした無関心から来る考え方にすこしづつ疑問を抱いていき、最終的には多様な生き方に寛容な考えを持たせていくつもりでおりました。(同上)

その上で「せっかく性的マイノリティへの理解が進んできたのに、一転して腫れ物扱いされてしまうようになってしまったら不幸でしかない」と、発売中止に悔しさをにじませた。幾夜さんは、この作品の単行本の新たな発行先や連載媒体を募集しているという。

この件について講談社は「担当者が不在なので回答できない」とコメントしている。

【UPDATE】講談社の週刊少年マガジン編集部の担当者に連絡が取れた。「僕らとしてはそうした発言をしたつもりはないが、現在、関係各所に事実関係を確認している。近日中に会社として公式発表をする予定だ」と話している。(2015/03/16 15:37)

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