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宮本エリアナさん「人種への偏見、日本と世界からなくしたい」【ミス・ユニバース日本代表】

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MIYAMOTO222
Kenji Ando
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ミス・ユニバース日本代表に選ばれた宮本エリアナさん(20)は、長崎県佐世保市の出身で、日本人の母親とアフリカ系アメリカ人の父親を持つ。ハーフとして初めて日本代表になった彼女は「日本と世界から人種への偏見をなくしたい」と訴えている。

宮本さんは5月1日、ハフポスト日本版のインタビューに応じ、ハーフが日本代表になったことがないと聞き、ミス・ユニバースへの出場を一度は見送っていた。しかし、2014年春に自分と同じハーフの友人が、自らのアイデンティティを見つけられず、悩んだ末に自ら死を選んだ。それをきっかけに「ハーフへの偏見や差別をなくすためにも出場することを決意しました」と話した。

ミス・ユニバース日本代表に選ばれた後、「ミス日本は両親が日本人でなければ」などと一部で批判の声が出たことについては、「日本で生まれ、日本で育っているのに、日本人ではないのであれば、ハーフの私たちは何人なのでしょう?」と指摘した。「国内外のメディアが、私のことを多く取り上げていただければ、人種問題について問題提起をする良いチャンスになると考えています」と抱負を述べた。

miyamoto ariana

■友人の死が応募のきっかけ


――ミス・ユニバースのコンテストに応募されたきっかけは?

宮本:初めて出場を考えたのは長崎事務局から2014年度のMUJ(ミスユニバース・ジャパン)に「出ませんか?」と声をかけていただきました。しかし、そのときは「ハーフの日本代表は今までにいない」と聞いていたので、出場を辞退しました。

気持ちが変わったきっかけは、2014年の春に私の友人で日本人と白人系アメリカ人のハーフの男の子が、ハーフであることを理由の一つとして自ら命を絶ってしまったことです。彼はまだ20歳でした。

彼の兄は英語が話せましたが、彼自身は英語が話せず、そのことも悩みの要因になっていたようでした。

「自分の居場所がわからない」と相談を受けていた数日後に、彼は命を絶ってしまいました。今後このようなことが二度と起きないようにするため、ハーフへの偏見や差別をなくすためにも出場することを決意しました。

――3月のコンテストで日本代表に選ばれたとき、どのように感じましたか?友人やご家族からは、どのような祝福の言葉をかけられましたか?

両親とも喜んでくれました。お父さんは「おめでとう、早く会いたいよ」、お母さんは「頑張りなさい、結果は考えずに楽しみなさい」と言ってくれました。お母さんは実際に会場へ見に来てくれていて、優勝したことをお父さんに連絡してくれていたようです。大会が終わり一段落した時に携帯を見ると、お父さんから「おめでとう」とメッセージが入っていました。

――宮本さんはアフリカ系アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんのハーフですが、そうした理由で子供のころ、日本で苦労された経験はありましたか?

ゴミを投げつけて笑われたり、知らんぷりされたりしました。「色が移る」と言われて、遠足や運動の時間に手をつないでくれませんでした。プールの時間もそう言われました。日本生まれ日本育ちなのに「アメリカへ帰れ!」と言われました。小さい時、5歳くらいまでですが、なぜ自分だけ外見が違うのか疑問を感じていました。1歳の頃に両親は離婚し、父はアメリカに帰っていたので、家族の中にも肌の色が違うのは自分だけだったこともあります。

その頃は、ただ疑問に思うだけだったけれど、外見のせいで受けたつらい経験から、肌の色がコンプレックスに変わっていきました。当時を乗り越えられたのは、お母さんが「あなたの肌は綺麗よ」「みんな羨ましいからそんなことを言うのよ」と、肌の色を褒めてくれていたからだと思います。また、多感な時期に私を支えてくれた伯母や祖母の存在も大きかったと思います。

自分自身を受け入れるのには時間がかかりましたが、そのきっかけとなったのは中学3年生の頃にアメリカのお父さんに会いに行ったことです。お父さんはそれまで写真でしか知らなかったんです。お父さんを見た瞬間に、言葉にはできないけれどすごくホッとして、自分のルーツを見つけた気持ちになり、そこから次第に自分を受け入れることができるようになりました。

――逆にアメリカの高校ではどうだったでしょう?

アメリカはいろんな国の人がいるので、自分らしく生活ができると思います。アメリカでは多くの人が大らかでフレンドリーでした。また、自分の意見を明確にしっかり伝える人が多いと感じました。

miyamoto ariana

■「日本は根本的なことが変わっていない」


――ハーフの宮本さんが日本代表に選ばれたニュースが、日本や世界で報道され各地で議論が起こりました。このことについて、どう思いましたか?

日本はグローバル化していると言いますが、まだ根本的なことが変わっていないと思います。というのは、例えば、仕事では海外の人を使うのに、いざハーフの人たちが「自分は日本人だ」と言っても否定されてしまうのです。そういったことを見ると「ハーフ=日本人」と、心からは受け入れてもらえていないのでは、と感じます。

日本で生まれ、日本で育っているのに、日本人ではないのであれば、ハーフの私達は何人なのでしょう?そして、それはつまり外国人に対する偏見につながっていると思うので、そういった認識を変えていきたいのです。

このことがわかって出場しているので、国内から批判の声があがるのは、悲しくないとは言いませんが、想定内ではあります。また、批判がないのであれば出場した意味がないとも思います。国内外のメディアが、私のことを多く取り上げていただければ、人種問題について問題提起をする良いチャンスになると考えています。

国内、国外問わず、ハーフであることで苦しんでいる人はまだまだたくさんいます。そういった方たちからメッセージが届いたり、同じ苦しみを持つ方やその親御さんから街で応援の声をかけてくださったりすることもあるので批判ばかりではないことも、力になっています。

ariana miyamoto

――現在、日本とアメリカの二重国籍とのことですね。22歳までにはどちらかの国籍を選ぶ必要が出てきますが……。

私は、生まれも育ちも日本です。アメリカの学校に通っていた時期もありますが、休みのときなどに日本に帰ってくると「あぁ、私は日本人だなぁ」とホッとしました。そんな自分のことを日本人だと思っているので、国籍は日本を選びます。

――今後行われるミス・ユニバース世界大会では、日本代表として、どのように美をアピールしたいですか?

ハーフである私は、外見的には一般的な日本人とは少し違うので、外見よりも、内面や中身のちょっとしたことをアピールしたいです。例えば、玄関をあがって、靴をそろえるとか、靴のまま、ソファーに寝転がらないとか、そうした1つ1つをちょっとしたことですけど、伝えていきたい。誰かがお皿を持っていなかったら、その人の皿をとってあげるとか。脱いだ服をたたむとか。そうしたことを伝えたいです。

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