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貧困層の専業主婦、働きたくても働けない「社会の壁」

2015年07月03日 01時24分 JST | 更新 2015年07月03日 01時42分 JST
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貧困状態の中で専業主婦でいる子育て女性は、全国で50万人以上いると推計される。しかし、保育所の不足や時間の融通が利く仕事の求人が少ない結果、働く意欲があっても働けなくなっているという研究結果が発表された。専業主婦であるため保育所に子供を預けにくいことや、資格を持たないことなどから低賃金の仕事しか選べないことなどが、就業を阻んでいるという。

研究をまとめたのは、独立行政法人の労働政策研究・研修機構の研究員、周燕飛さん。2012年に発表して話題となった、「専業主婦の世帯の8分の1が貧困」だとする研究を深堀りし、妻の学歴や資格の有無、住んでいる地域の待機児童の状態などと合わせて分析した。

発表資料によると、貧困層の専業主婦の8割以上が遅かれ早かれ働きたいと回答。働き方については6割が「パート・アルバイト」を選んだ。仕事に就く際に重視する条件としては、過半数が「土日祝日に休める」「就業時間の融通がきく」などが選択された。

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働いていない主な理由については、過半数が「子どもの保育の手立てがない」ことをあげており、3歳未満の児童を抱える世帯だけに絞ると、その割合はさらに高くなった。貧困層の専業主婦の約半数は3歳未満の児童を抱えており、また、待機児童数の多い市区町村に住んでいる割合が高かった。

また、妻の学歴や年齢、資格の有無などから、実際に働いた場合に得られる賃金を「専業主婦の市場賃金」として分析したところ、貧困層の世帯では子供の年齢が低いために家庭での時間的価値が高く、「市場賃金≧家庭での時間的価値」という条件が満たされていないために、就業を選ばない一因になっていることも分かった。資料は「保育所への優先的入所」の他、「無料職業訓練の提供」、「専門資格取得への支援」などが、貧困層の専業主婦の就業促進につながると指摘している。

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