リンジー・アダリオさんが戦場を撮る理由 「人間の最も醜い部分を経験し、美しさを記憶にとどめる」

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NATO軍の爆撃で負傷したアフガニンスタン人のジャリド君

無関心があふれる世界。多くの人が真実を闇の中に隠そうとする一方で、真実に光を当てようとする人たちがいる。

その一人が、紛争地域の写真を専門とするアメリカ人フォトジャーナリストのリンジー・アダリオだろう。「人間の最も醜い部分を経験し、美しさを記憶にとどめる」。そのために、戦争を目撃することを選んだと、アダリオはスペイン語で出版された「En el instante preciso」(正にその瞬間:一人の写真家の愛と戦争の人生)の中で記した。

最近ワーナー・ブラザーズが、このアダリオの回想録を映画化する権利を獲得した。女優のジェニファー・ローレンスがアダリオの役を演じ、監督はスティーブン・スピルバーグが候補に挙がっている。

アダリオは数ある紛争地域の中でも、主にイラク、アフガニスタン、リビアやコンゴなどの地域で戦争レポーターとして活動してきた。またスーダンやパキスタンなどの紛争地域では、何度も女性の写真を撮ってきた。それだけでなく、ニューヨークのトランスジェンダーのセックスワーカー、ブータンの修行僧、インドのミスコンテストの女性たちなど、戦争とは直接関係のないコミュニティーも積極的に撮影している。

カメラと同じくらい文章も巧みに操るアダリオは、この回想録を自己陶酔的な物にはしなかった。その代わり、戦争写真家としてのキャリアと母親になること、また家族への思いと調和しようとする自身の葛藤を巧みに捉えながら、冷静な国際政治の分析を行った。

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アダリオの息子、ルーカス君。

ニューヨーク・タイムズ・マガジンから出版されたエッセイの中で、アダリオは、子供を持つことで仕事を制限することを余儀なくされるという考えについての不安な気持ちを綴っている。「母親になることで、自分のフットワークやキャリアが制限されると思い、非常に不安でした」とアダリオが書いている。

またアダリオは、母親になることで写真に対するアプローチが変わったとも話している。「母親になって、自分が写真に撮った母親に対する思いがこれ以上に強くなりました。この気持ちは子供のいない人には理解できないと思います」とアダリオはタイム・マガジンに話した。


ARCHIVO PERSONAL/ROCA EDITORIAL
2007年、トルコの沿岸で。アダリオと夫のポールさん。


下から、アダリオの写真を見てみよう。

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    アフガニスタン、2000年。
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    ブルカを着たアフガニスタンの女性。2000年。
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    タリバンの襲撃で死亡した仲間の体を運ぶアメリカ軍兵士。アフガニスタンのコレンガルバレー。
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    タリバンがカンダハールから撤退した後、自薦で州知事となったグール・アガーの邸宅の横に座るアフガニスタン人の男性たち。
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    バグダードでの夜間パトロールで、イラク人を呼び止めて身体検査を行うアメリカ軍兵士たち。
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    ダルフールで干ばつに苦しむ難民。
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    ピューリッツァー賞を受賞したニューヨーク・タイムズ・マガジンの「タリバニスタン」のシリーズから。

この記事は最初にハフポストスペイン版に掲載され、その後ハフポストUS版に翻訳・掲載されたものを翻訳しました。


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