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フィンランド流子育て イクメンたちが世界に伝えたい「育児パッケージ」の効果

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ムーミン版「育児パッケージ」も | finnishbabybox
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「お母さんにやさしい国」ランキングで、2013年、2014年と2年連続、世界1位となり、男女格差ランキングでも2015年に3位だったフィンランド。合計特殊出生率も、日本が1.42(2014年)であるのに比べ、ほとんどの女性がフルタイムで働いているフィンランドでは約1.8の水準を保っている。

そんなフィンランドの子育てを支えているのが、政府の支援策のひとつである「育児パッケージ」と呼ばれる母親手当だ。赤ちゃんや親が使用するアイテムがパックになった箱で、毎年4万世帯に出産をひかえた母親に無料配布されている。その「育児パッケージ」を世界でも広めようと、フィンランドのイクメン3人が2014年に会社を立ち上げて販売を始めた。

日本でも2015年に発売しているが、その“PR大使”を務めるのが、2010年から2015年まで駐日フィンランド大使館に参事官として勤務、現在はフィンランドのNGOに勤めているミッコ・コイヴマーさんだ。大使館在任時には、フィンランドのイクメン事情やワーク・ライフバランスを日本に伝え、「フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て」(かまくら春秋社)も出版、“イクメン大使”として親しまれていた。

フィンランドの育児パッケージには、一体、どんな効果があるのだろうか? 3月に来日したミッコさんに聞いた。

■育児パッケージで「父親になる自覚が生まれる」効果

育児パッケージは、1930年代から母親手当の現物支給としてスタート。現在、第1子には140ユーロの現金かまたは育児パケージの支給が受けられるが、ほとんどの家庭では育児パッケージを選択するという。育児パッケージは出産前に支給される。箱はベビーベッドにもなり、中には箱にぴったりのマットレスや布団を始め、衣類、オムツ、おもちゃなど約50点がパックになっている。

育児パッケージは、実際の子育てに役立つばかりでなく、支給を受ける際に妊婦が健診を受ける動機付けになるなど、早期のリスク発見にもつながるが、“イクメン”にも「意外な効果がある」とミッコさんは説明する。

「女性が妊娠しても、パートナーの男性はまだ実感がわきません。女性は妊娠による身体の変化で心構えができるのかもしれまんせが、男性の場合は具体的に自分の体に変化がないので、ピンと来ないのです。私は3人の子どもを育てていますが、妻が妊娠中、初めて心音を聞いて、子どもが生まれるのだとわかりました。でも、そうした具体的な経験は男性には少ないです。でも、フィンランドでは、この育児パッケージを受け取る時に、父親としての自覚が生まれます」

■3人のイクメンたちが育児パッケージを世界60カ国に

そんなフィンランドの父親たちの経験から生まれたのが、フィンランド・ベイビー・ボックス株式会社だ。子育て中の男性3人によって、2014年に設立。フィンランドでしか入手できなかった育児パッケージを製品化し、販売を始めた。現在は日本を含めた60カ国以上に輸出されているという。

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ミッコさん(左)とベイビー・ボック社のヘイッキ・ティーッタネンCEO

ミッコさんは、日本で“イクメン大使”として活躍していたことから、ベイビー・ボックス社に声をかけられ、NGOでの仕事の傍ら、その広報に一役買っているという。日本での子育て事情をよく知るミッコさんは、こう語る。

「日本では、子どもを産んで育てることが本当に大変です。女性が妊娠すればマタニティ・ハラスメントを受けたり、出産後もキャリアが中断したり。保育園に入れて働こうと思っても、待機児童問題があります。男性も長時間労働で育児に関われないのに、祖父母には遠方で子育てを手伝ってもらえない。さらに教育にもお金がかかってしまいます。

そうした、今の日本の問題を解決するには、いろいろな方法を探したほうが良いと思います。フィンランドで導入されているネウボラ(包括的な出産・育児支援)や育児パッケージもその一つです。もっと楽に子育てできれば、子どもも増えるでしょう」

フィンランドでは、育児パッケージを受け取る際、「ようこそ、赤ちゃん」という政府からのメッセージを感じるとミッコさん。子どもを歓迎する国の方針も伝わるという。

ベイビー・ボックス社の育児パッケージは、フィンランド政府が配布しているものをベースに、各国の気候や文化に合わせて、カスタマイズされている。日本では、つま先まで覆うロンパースよりも好まれる、足首までのものに変更。ムーミン人気が高いため、ムーミンのオリジナルグッズが入ったパッケージも販売している。

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ベイビー・ボックス社が販売するムーミンの育児パッケージ

千葉県浦安市でもフィンランドの育児パッケージをモデルに、独自の「こんにちは赤ちゃんギフト」を導入。その認知度は徐々に日本でも高まっている。

「フィンランドでは、政府が育児パッケージを支給してくれますが、海外ではプレゼントとして人気があります。単にフィンランドのグッズがたくさん入っているだけではなく、初めての子育てで最もストレスがかかっているパパやママには助けになります。子育てを少しでも楽にするためにも、ぜひ使ってみてほしいです」

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