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植村隆氏の長女をTwitterで中傷した男性に170万円賠償命じる 東京地裁

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(写真はイメージ) | Deux via Getty Images
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元朝日新聞記者の植村隆氏(58)の長女(19)が、自分の写真と中傷コメントをTwitterに投稿され、精神的苦痛を受けたとして、関東地方の40代男性に損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)は8月3日、原告の訴えを全面的に認め、170万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決によると、男性は2014年9月8日、別の場所で入手した植村氏の長女の写真をTwitterにアップし「朝日新聞従軍慰安婦捏造の植村隆の娘」として、当時通っていた高校名と実名を書き込み、祖母や母親に言及した後「反日捏造工作員の父親に育てられた超反日サラブレッド。将来必ず日本に仇なす存在になるだろう」と投稿した。

原告側はTwitter社に対し、投稿したIPアドレスなどの開示を求め東京地裁に仮処分を申し立て、開示された情報をもとにプロバイダーに訴訟で発信者情報の開示を求め、書き込んだ男性を特定して提訴した。「原告の父は、かつて作成した記事により、不特定多数の者から脅迫等を受け、インターネット上の書き込みの中には、家族への攻撃を示唆するものも多数存在したのであり、本件投稿により、原告の生命及び身体に危険が生じる可能性がある」として、プライバシー権や肖像権の侵害にあたると訴えていた。

男性側は書き込みをしたことや、違法性について認めたが「本件投稿のみが原因で原告の生命及び身体に対する危険が増加したわけではない」と主張していた。

朝倉裁判長は「原告の父がその仕事上した行為に対する反感から未成年の娘に対する人格攻撃をしたものであって、悪質で違法性が高い」と認定。「本件投稿をスクリーンショットによって撮影した画像がインターネット上に残存しており、権利侵害の状態が継続している」として、賠償額は本来、原告の請求を上回る200万円が相当とした。

朝日新聞デジタルによると、弁護団は「無関係な家族へのネット上の攻撃が許されないことや、匿名の投稿でも特定できるケースがあることが、改めて示された」と判決を評価した。また、長女は以下のようなコメントを出した。

裁判官のみなさま

よい判決を出していただき、ありがとうございました。

弁護団のみなさま

私のためにここまで力を尽くしていただき本当にありがとうございました。

心から敬意を表します。

2年前、インターネットやツイッターに私の写真がさらされ、誹謗(ひぼう)中傷の言葉が大量に書き込まれたとき、私は「怖い」と感じました。

匿名の不特定多数からのいわれのない誹謗中傷は、まるで、計り知れない「闇」のようなものでした。

こうした書き込みを、友達が読んだら、どう思うだろうか。

それが心配で、不安でなりませんでした。

そんな中で、私がこの裁判をしようと思ったのは、インターネットの使われ方がおかしいと思ったからです。

テクノロジーが発達し、ネット空間では自由に意見を発表できる場が広がっていますが、利己的な欲求のために誰かを攻撃し、プライバシーをさらすようなことは絶対に許されないことだと考えたのです。

こんな酷(ひど)いことが行えてしまう社会はおかしいと思いました。

また、私に対して起きたことは、他の人にも起こり得るものです。

こうした攻撃にさらされる人がないような社会になって欲しいと思いました。

今回の判決が、こうした不当な攻撃をやめさせるための契機になってほしいと思います。

また、健全なインターネットの利用とは何かについて、考える機会になってほしいと思います。

元朝日記者長女を中傷、男性に170万円支払い命令:朝日新聞デジタルより 2016年8月3日20時24分)

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