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あなたがいつも疲れているように見える本当の理由

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dofonline

※映画「食べて、祈って、恋をして」の原作を手がけた作家、エリザベート・ギルバートの寄稿です。

突然だが、元プロボクサー・マイク・タイソンのホワイトタイガーを覚えている人はいるだろうか。

珍しい動物も、タイソンがボクシングで稼いだ巨額の富をつぎこんで買った数々のちょっとした贅沢の一部に過ぎなかった。タイソンの買い物を他にあげれば、6件の豪邸、100台以上の超高級車、そして純金製といわれる200万ドル(約2億円)のバスタブ……。でも、個人的にはタイガーが忘れられない。

私には忘れられないタイソンの1枚の写真がある。ジャングルの風景のなかで、タイソンがポーズをとっているが、身に着けているのは腰巻ひとつだけ。体はベビーオイルで光り、威風堂々としたホワイトタイガー2頭のうちの1頭を鎖でつないで携えている。当時の私には、タイソンはまさに、躁病的で、神経過敏で、本当に疲れているように見えたのである。

mike tyson white tiger

何を言っているかと思うかも知れないが、もう少し付き合ってほしい。

あなたは本当に疲れ切ってしまったことがあるだろうか? 私は人生のほとんどをそう感じて過ごしてきた。常にだ。長年、私はエネルギーが足りないという厄介な問題と闘っていた。精力が限りなくゼロに近かった。インフルエンザの季節になると最初にかかり、ハイキングをしてもいち早くあきらめ、パーティーを真っ先に抜け出して家に寝に帰るのが常だった。湖のなかで眠ってしまっただってある。冷たい水に胸まで浸かった湖のなかに立っていて、あまりの疲労からうとうとしてしまったのだ。なぜかできてしまった。

私は、エネルギー代謝に問題があるのか、甲状腺の異常なのか、それとも脳腫瘍なのかと心配した。もしかしたら、もっといいマットレスに変えるべきだろうか? 体にいいフラックスシード(亜麻仁の種)をもっととるべきだろうか?

問題は、フラックスシードなどではなかった。

実際、私の問題は低エネルギーなどではまったくなかった。エネルギーなら、小さな街の電力を賄えるほど私は十分に蓄えていたのである。問題は、それを浪費していたことにあった。私は何年もの間、貴重な注意力を、“おべっか使い”という、ヘトヘトに疲れる行為に費やしていたのだ。

例えば(ほんの一部に過ぎないが)不健全な性的関係を持ったり、中毒的な友人関係に執着したり、自分ではない誰かになったフリをしてみたり、決して喜ばない人たちを喜ばせようとしたり、決して救われることのない人たちを救おうとしたり、自分を好きになってくれない人に、好きになるよう説得しようとしてみたり、みじめなときには幸せを装ったり、本当は「ノー」なのに「イエス」と言ってみたり……。

これはすべて、とても疲れることだ。正直、私が何もやる気が起こらなくなってしまったのも無理はない。しかし、私がこんなふうに自分を消耗させておいて、「おい、みんな、もう僕にはエネルギーが全然ないんだ!」と言うのは、マイク・タイソンが著名なキャスターのラリー・キングに、「もう俺は一文無しなんだ、ラリー!」と愚痴ったのと同じである。

それは違う、タイソン、君はお金をたくさん稼いだのに、それをホワイトタイガーに使ってしまったんだ。(映画「食べて、祈って、恋をして」の原作を手がけた作家でこの記事の執筆者)リズ・ギルバートのように、君はたくさんのエネルギーを与えられたのに、それを途方もなくバカげたことに使う道を選んだのだ。

私たちはみんな、それぞれのホワイトタイガーを持っている。つまり、私たちはみんな気をつけていないと自分の身を滅ぼしてしまうような、そして自分のエネルギーを枯渇させてしまうような、とても危険なペットを持っている。あなたにとってのタイガーは何だろう。何かの中毒だったり、共依存だったり、仕事中毒だったり、怒りだったり、完璧主義だったり、他者非難だったり、ギャンブルだったり、摂食障害だったりするのだろうか——私にはわからない。

しかし、自分の経験から私にもこれだけはわかるが、健全に生活していれば、エネルギーは惜しげもなく流れてくれるのだ。だから、もしエネルギーの流れに滞りがあるのなら、それはもう一度自分自身に問いただしてみる必要があるというサインなのだ。今の私にとってのタイガーは何だろう? 現在、私はどんな狂気の沙汰を鎖でくくりつけているだろう?

自分のタイガーが何かを特定できたなら、ここでしなければならない大事な選択がある。今の狂気をそのまま持ち続け、珍種のホワイトタイガー2頭をつれて歩くことが普通のことであるかのようなフリをし続けるか、それとも鎖を手放して、タイガーをどこかへ行かせてしまうか。

ここで真面目な話をしよう。自分自身の厄介なタイガーから逃れるただひとつの方法は、自分の生活について真実を語ることだ。中毒について、共依存について、仕事中毒について、怒りについて、完璧主義について、他人を責めることについて、ギャンブルについて、摂食障害について、それが何であれ、自分を枯渇させてしまうものについて、真実を語ること。それが自分にもたらす恐ろしい影響について、自分に正直になるのだ。

それができたなら、エネルギーは戻り始める。活力という形で。それは、持続できないような自分自身を作り上げ、それを永久に持ち続けていこうとする(または、200万ドルのバスタブを購入することで得られるような)偽りの活力ではない。自分自身に立ち返り、十分に元気を回復し、今後の日々を活力に満ちた状態で送りたい、と欲求を持つところからくる活力なのだ。

ハフポストUS版に掲載されたものを翻訳・編集しました。

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