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教会にヘイトクライムの攻撃 鉤十字、「白人以外お断り」などの落書き相次ぐ

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落書きされたメリーランドの教会のスペイン語礼拝の広告

ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利にかこつけて人種差別的・反LGBT的な落書きをされた2つの教会が、人種嫌悪を強く非難し、愛と寛容を示すよう訴えた。

「トランプの国、白人以外お断り」

メリーランド州シルバースプリングにある米国聖公会の救世主教会で11月13日朝、スペイン語礼拝を告知する横断幕の裏側に落書きされていたのを信徒の一人が見つけた。横断幕はところどころ切り裂かれており、教会の庭園墓地でもレンガの壁に同じスローガンが落書きされていた。この教会では、主にラテン系の信徒向けに礼拝をしている。

13日の礼拝の後、米国聖公会ワシントン教区の司教マリアン・ブッディ師は、信徒以外の人たちに呼びかけた

「教会での礼拝が暴力によって冒涜されました」とブッディ師は語った。「こうした暴力を断固として拒絶します。私たちの国は移民の国、あらゆる異なった文化と信仰を持つ人々の国であり、このような暴力が許される場所はどこにもないと明言するために、私たちはここに立っています」

信徒たちは、連帯と愛情を示すメッセージを英語とスペイン語の両方で教会のそばの歩道に書き記した。教会とは関係のない人物がクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で落書き撤去の支援キャンペーンを始めた。


メリーランド州シルバースプリングにある米国聖公会の信徒たちは、レイシスト的な落書きに対して愛情と連帯を示すチョークのメッセージで応答した。

「こんな憎しみに満ちた出来事に接しても、愛はかならず憎しみに勝ることを皆さんにお伝えしたいのです」と、教会区長トレイシー・ヘンリー師はハフィントンポストUS版に語った。「コミュニティの反応に圧倒されています。彼らは大きく腕を広げ、私たちを受け入れてくれました」

モンゴメリー郡警察のポール・スタークス署長は、さまざまな方面から今回のヘイトクライムを調査していると語った。手がかりはまだ見つかっていないが、心当たりがあれば届け出るよう地元住民に呼びかけている。

「深刻な事態として受け止めているこうした犯罪はコミュニティ全体に悪影響を及ぼす」とスタークス署長は語った。

インディアナ州ビーンブロッサムにあるセント・デイヴィッド米国聖公会では12日夜、ハーケンクロイツ(鉤十字)や「ハイル・トランプ」「ホモ教会」といった言葉が落書きされていた。米国聖公会は LGBTの信徒に向けて門戸を開いており、地元のテレビ局WTHRによると、この教会で同性愛者の結婚式を開いたことがあるという。

セント・デイヴィッド教会の司祭ケルシー・ハットー師はFacebookにメッセージを投稿した。

Sometime Saturday night St. David's Episcopal Church in Bean Blossom was vandalized. Three tags were painted on the...

Posted by Rev'd Kelsey Hutto on Sunday, 13 November 2016

私たちの安全な聖域が汚されたことは残念ですが、私たちのキリストと世界への愛を押さえつける行為を決して許すことはありません。私たちは引き続き、自分たちの信念と、すべての人々への寛容、そしてあらゆる人類の尊厳に対する敬意を持って生きていきます。私たちは加害者のために祈り、またこのような軽蔑的な言動にさらされた人々のためにも祈ります。


私たちは前へ進み続け、この世界でキリスト者でいつづけましょう。


教会の聖域に来る人は誰でも温かく受け入れられます。このような行為は人々を分断する行為です。わたしたちがお互いを分断し、神から身を離すということは、罪を意味します。私たちは神との、神に護られた人々との、そして私たち自身の連帯を祈ります。


この落書きは、世界中で起こっている現象をよく表しています。私たちは自分自身と世界を神から切り離してしまっているのです。

何日も何週間もかけて、神からの、お互いからの、そして自分自身からの分断に橋を架けられるよう、望み、祈っています。

セント・デイヴィッド教会の落書きはヘイトクライムとみられると、ブラウン郡保安官事務所の報道官グレゴリー・ピットマン氏はハフィントンポストUS版に語った。彼らはヘイトクライム対策本部の州捜査官に、事件に関する報告書を送付した。保安官事務所は捜査を続けているが、容疑者はまだ見つかっていないと語った。

大統領選挙の1週間前には、ミシシッピー州の黒人教会が放火され、「トランプに投票せよ」という落書きで荒らされる事件が起こった。この教会にもその後、多額の寄付がよせられている。

トランプ氏の当選後、人種差別的で憎悪に満ちた事件がアメリカ中で頻発している。公民権運動の監視団体「南部貧困法律センター」では大統領選直後3日間で、200件を超えるハラスメントや脅迫事件を把握している。 ただしその1つ1つを個別に確認しているわけではない。

トランプ氏は13日に放送されたCBSの番組「60ミニッツ」の中で、人種差別的な暴力に気がついていなかったと語った。

「その話を聞いてほんとうに驚いている」とトランプ氏は言った。「もし効果があるなら、『やめろ』と言おう。カメラに向かってもう一度言おうか。やめるんだ」

トランプ氏はまた、「ヘイトクライムばかりをとりあげている」とメディアを非難した。

トランプ氏の選挙運動は、支持者の一部の排外主義的で人種差別的な恐怖を煽り、白人のナショナリズムと「オルタナ右翼」(従来の保守とは異なる右翼思想)をメインストリームにまで押し上げた。KKKの指導者だったデイヴィッド・デュークもトランプ氏の当選を祝った。「私たちの同胞がトランプ当選に大きな役割を果たした!」と彼はツイートした。

トランプ氏は、政権の首席戦略官にブライトバート・ニュース・ネットワークの会長であり、白人ナショナリズム運動で重要な役割を果たしているスティーヴ・バノン氏を指名した。

南部貧困法律センターによれば、バノン氏は「ブライトバートを白人の民族ナショナリストのプロパガンダ工場にした張本人」だという。

ブッディ師は米国聖公会の救世主教会の落書き事件を非難する中で、トランプ氏に直接言及した。

「私たちは特に、今回当選した大統領候補と、彼に投票した人々に、彼の名の下に行われる暴力やヘイトから自らを引き離すよう要求します」と彼女は語った。「私たちは有色人種や移民の友人たち、そして攻撃されやすいすべての人々に、これが私たちの国なのだと思ってほしくはないのです」

トランプ氏に抗議する人々は、大統領選が終わってから通りを埋め尽くし、トランプ氏が移民、ムスリム、女性やマイノリティを攻撃していることに抗議を続けている。14日にはシルバー・スプリングの高校で数百人の学生たちが教室から行進し、トランプの選挙キャンペーンで攻撃対象にされたひとたちへの連帯を表明した。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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