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トランプ氏「星条旗を燃やしたら市民権剥奪も」 実際は合法なのに...

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ニューヨークのトランプ・タワーの前で国旗を燃やして抗議するデモ参加者 / November 9, 2016. REUTERS/Andrew Kelly

ドナルド・トランプ次期大統領は11月29日、アメリカ国旗を燃やす人々は、市民権を剥奪すべきだとの考えを示唆した。

これは、過去の連邦最高裁判所の判例だけでなく、現行のアメリカの法律にも反している。

アメリカ国旗を燃やす行為は、いかなる人であっても決して許されるべきではない。もしそうするなら、それ相応の罰が必要だ。市民権の剥奪や年単位での懲役もありえる!

国旗を燃やす行為は、アメリカでは完全に合法だ。1984年8月、テキサス州ダラスで開催された共和党全国大会の会期中、当時のレーガン大統領の政策に抗議するためにダラス市庁舎の前に集まった群衆の中で、共産党員のグレゴリー・ジョンソン氏が市庁舎の前で国旗に灯油をかけて火を放った。ジョンソン氏は当時の国旗冒涜法に違反するとして逮捕されたが、1989年6月21日の「テキサス州対ジョンソン裁判」で連邦最高裁判所が、憲法修正第1条のもと言論の自由として保障されるという判断を示した。

2月13日に亡くなった連邦最高裁のアントニン・スカリア判事は保守派の代表格で、トランプ氏もよく称賛している人物だが、この裁判では多数意見に同調した。

政治家たちは過去に、この慣習を違法とする動きを見せたがあるが、市民権の剥奪まで主張した人はいなかった。市民権を剥奪するのは大変困難だ。大まかに言うと、アメリカ人が国籍を失うのは、他国へ忠誠を誓ったり、反逆罪を犯したり、自発的に放棄したりする場合に限る。

作家のアナンド・ジリッダ・ラダス氏は、「トランプ氏のツイートはファシスト体制の歴史を思い出させる」とツイートした。

このことを真剣に受け止めよう。何か新しい兆候かもしれない。合法的な行為のために市民権を奪われる危険がある。

ヨーロッパ諸国が市民権剥奪を認める法律を制定し始めたのは、第一次世界大戦頃からということに注意しなくてはならない。まずフランスで1915年に「敵国の起源」がある人の市民権を剥奪する法律を定めた。1922年には、ベルギーがその法律にならい、戦争中に反国家的な行為をした人間の市民権を無効にした。1926年にはイタリアのファシスト政権が、政府が「イタリア国民にふさわしくない」と判断した関する同様の法案を通過させた。1933年にはオーストリア。そして1935年、ドイツでドイツ人とユダヤ人の結婚を禁じ、ユダヤ人から市民権を奪うニュルンベルク法が制定された。

市民権剥奪の歴史を少し紹介しよう。こうした国は、健全な方向には進まなかった。

これまでに、トランプ氏はすでに合衆国憲法と矛盾する発言を繰り返している。報道機関の厳しい取り締まりを約束したり(修正第1条に違反の可能性)、イスラム教徒の入国禁止を明言したり(平等保護条項に違反の可能性)、当然の報いだという理由で人々を拷問にかけるべきだと主張したり(残酷かつ異常な刑罰に該当する可能性)している。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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