雅子さま53歳、文書で感想(全文) 陛下の退位意向「重く受け止めている」

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雅子さまの53歳の誕生日にあわせ、記念撮影された皇太子ご一家=東宮御所・談話室で(宮内庁提供)

皇太子妃雅子さまが12月9日、53歳の誕生日を迎えられた。宮内庁を通じて感想を文書で発表し、天皇陛下が8月に退位の意向をにじませるお気持ちを表明したことについて「テレビ放送を厳粛な思いで拝見し、陛下のお気持ちを重く受け止めております」と思いをつづった。

雅子さまは、陛下のお気持ち表明を長女の愛子さま(15)とテレビで見たという。感想では両陛下の多忙なご公務に触れた上で「くれぐれもお身体を大切になさり、永くお健やかにお過ごしになりますよう、心よりお祈り申し上げます」と述べた。

体調不良で約1カ月半、学習院女子中等科を欠席した愛子さまについては「皆様には大変ご心配をおかけ致しました。お陰様で、現在は体調もかなり回復し、残り少ない中学校生活の日々を大切に送りながら、勉強に取り組んでいるように思います」と記した。

雅子さまは適応障害による療養がなお続いているが、「今年も体調に気をつけながら、4月の神武天皇二千六百年式年祭の儀を始め、東宮御所内外での公務について、できる限りの務めを果たそうと努力して参りました」と記した。公務などで都内や地方を訪れた回数は2015年の50件から57件に増え、2010年以降では最多となった。「多くの方々に笑顔で温かく迎えていただいたことは、私にとりまして大きな励みになりました」と振り返った。

誕生日に合わせ、東宮職医師団も見解を公表した。「公的なご活動を一つ一つ着実に積み重ねていらっしゃることが、妃殿下のご自信につながり、結果として活動の幅が広がってきていることは、東宮職医師団としても望ましいと考えております」とする一方、従来と同様に「まだご快復の途上にいらっしゃって、ご体調に波がおありです。そのため、これまで同様、周囲の方々の理解と支援をお受けになりながらご治療を続けていただくことが大切ですので、ご理解、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます」との見方を示した。2015年とほぼ同様の表現となっている。

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皇太子さまが上高地で撮影した写真を見ながら談笑されるご一家=東京・元赤坂の東宮御所(宮内庁提供)

■雅子さま 誕生日に際しての感想(全文)

この1年も、国の内外で様々なことがありました。4月の熊本地震や夏の台風第10号による洪水、海外でも多くの自然災害が発生するなど、今年も心の痛む災害の多い年でした。不幸にして亡くなられた方々とそのご遺族に心からの哀悼の意を表します。また、被災された方々のご苦労もいかばかりかとお見舞いを申し上げますとともに、1日も早く安心できる生活に戻ることができますよう、心からお祈りしております。熊本県での震度7の地震の発生は、思いもよらないことで、被害の大きさに心が痛みました。また、大きな余震も随分と長い期間続きましたので、多くの方が大変な思いをされたのではないかと思っております。

東日本大震災も、これまで常に私の心に懸かってきていることです。6月に、復興状況視察のため皇太子殿下とご一緒に岩手県を訪れました折には、災害公営住宅や団地の造成が進むなど、復興が着実に進んでいることを実感致しました。一方で、今なお仮設住宅にお住まいの方々などから、ご苦労が続いていることのお話を伺い、心が痛みました。さらに、そのような中、台風第10号が岩手県岩泉町や北海道に大きな被害をもたらしたと知り、被災された方々の受けた衝撃の大きさを思いました。また、近年、規模の大きい災害が多くなっているように感じられ、災害への日頃からの備えの大切さを改めて感じます。被災された方々が1日も早く安心して暮らせるよう願うとともに、今後とも、皇太子殿下とご一緒に、被災地の復興に永く心を寄せていきたいと思います。

今年の明るい話題としては、夏のリオ・オリンピック、パラリンピックで日本選手団がすばらしい活躍をしたこと、また、大隅良典博士がオートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞されたことなどがあげられます。そして、アジアのノーベル賞と言われるマグサイサイ賞に、1965年に発足した青年海外協力隊が選ばれたことは、日本の若者たちによる国際貢献が世界から高く評価されていることの証しであり、これらのことをとても嬉しく思います。

ただ、国内では、障害を持った方々や、子供、お年寄りといった社会的に弱い立場にある人々が犠牲になる事が目につくようになっており、気にかかっております。世界に目を向けても、貧困や、難民の増大、テロによる多くの犠牲者の発生など、課題は山積しています。人々が、広い心を持ってお互いの違いを乗り越え、共に手を携えて英知を結集し、様々な問題の解決に向け一致して取り組むことが、今の世の中で大切になっていると感じます。

天皇皇后両陛下には、1月のフィリピン国ご訪問を始め、この1年も、一つ一つのお仕事を大切になさりながらお務めを果たしてこられているお姿を拝見し、深い感慨の念を新たにしております。そして、今年8月の天皇陛下のおことばは、テレビ放送を厳粛な思いで拝見し、陛下のお気持ちを重く受け止めております。両陛下には、ご公務に大変お忙しい毎日をお過ごしでいらっしゃいますので、くれぐれもお身体を大切になさり、永くお健やかにお過ごしになりますよう、心よりお祈り申し上げます。

10月には、三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。三笠宮様には、皇太子殿下を始め、私や愛子もお世話になり、良くしていただいておりましたので、寂しく感じております。この機会に改めまして、これ迄の感謝の気持ちと、ご長寿を全うされたことへの敬意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。また、海外でも、タイ国のプミポン国王陛下が崩御されました。長年にわたりタイ国のために尽力され、国民から慕われてきた方でいらっしゃいましたので、タイの国民の悲しみも深く、とても残念なことでした。二十年余り前、私にとりまして結婚後初めての外国訪問となった中東諸国への途次に立ち寄らせていただいたバンコクで、離宮にお招きいただき、深く思い出に残る、心温まる夕食会を催していただいた時のことを懐かしく思い出します。心からご冥福をお祈り申し上げます。

私自身につきましては、今年も体調に気をつけながら、4月の神武天皇二千六百年式年祭の儀を始め、東宮御所内外での公務について、できる限りの務めを果たそうと努力して参りました。その中で、6月に千葉県と岩手県、7月に奈良県と京都府、8月に長野県、そして11月に岐阜県を訪れました折に、多くの方々に笑顔で温かく迎えていただいたことは、私にとりまして大きな励みになりました。今後とも、皆様方からのお力添えをいただきながら、快復に向けての努力を続けていきたいと思います。

愛子は、多くのお友達に囲まれ、充実した中学校生活を送るとともに、今年に入り、皇太子殿下や私とともに、神武天皇山陵や「山の日」制定記念式典を始め、様々な行事や場所に出かけることも多くなりました。そうしたことを通じて、皇族としての自覚と役割を学びつつあるようにも感じます。秋に入り、体調を崩し、皆様には大変ご心配をおかけ致しました。お陰様で、現在は体調もかなり回復し、残り少ない中学校生活の日々を大切に送りながら、勉強に取り組んでいるように思います。これからも色々な経験を積みながら、より大きく成長していってもらえるよう願っております。両陛下には、日頃より温かいお心遣いをいただきながら、私や愛子をお見守りいただいておりますことに、この機会に改めまして心から御礼を申し上げます。また、国民の皆様からお寄せいただいている温かいお気持ちに対しても、重ねて御礼を申し上げます。

東北地方や熊本を始めとする被災地も厳しい冬の寒さを迎えていることと案じております。被災された方々が、多くの人からの温かい支援に支えられて、少しでも心穏やかな日々を過ごすことができますよう心から願っております。

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誕生日を迎えた皇太子妃雅子さま=東宮御所、宮内庁提供


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