「ロヒンギャの村を焼き討ち、住民をレイプ」ミャンマー軍の弾圧が激化

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ミャンマーでのイスラム教徒に対する暴力行為を逃れ、バングラデシュ、テクナフのレダ非公式キャンプに避難したイスラム系少数民族ロヒンギャの人々。2016年12月5日 / ANADOLU AGENCY VIA GETTY IMAGES

ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャはここ数カ月、新たな暴力の波に直面し、世界で最も迫害を受けている民族の一つになりつつある。国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチが12月14日に発表した報告書で新たに公開された衛星画像からは、ロヒンギャの村で10月初旬からこれまでに、すくなくとも1500棟の建物が焼き払われたことが確認できる。

ヒューマンライツ・ウォッチの報告書によると、放火事件の責任はミャンマー軍にあるとしている。ミャンマー軍はイスラム系の反政府勢力を取締まるという名目で、ロヒンギャに対し数十年にわたり人権侵害を行ってきたとみられる。ミャンマーで人口100万人を超えるロヒンギャは、政府から攻撃される一方で、人口の大半を占める仏教徒の国民に蔓延する差別にもさらされている。仏教徒の国民たちは、ロンヒギャが別個の民族であるという考えを拒否している。

ロヒンギャはまた、深刻な難民危機の真っ只中にある。 隣国バングラデシュの難民キャンプで暮らす人々の数は推定20万人、さらに多くの人々が安全を求めて近隣の国々へ逃れようとしている。2012年にミャンマーのラカイン州西部で弾圧が強まった際には、ロヒンギャの家屋が数多く破壊された。 少なくとも10万人のロヒンギャが収容所へ移されたが、行動が制限され、生活必需品や医療サービスが不足することも多い。

ビルマ(ミャンマー)、ラカイン州の村落放火事件

2016年12月9日時点で、ヒューマン・ライツ・ウォッチは建物1500棟の破壊を確認している。

今回のロヒンギャに対する一連の襲撃は、10月9日、ラカイン州で起きた襲撃事件をきっかけとしている。ミャンマー警察は、この事件で警察官9人が死亡し、首謀者は好戦的なロヒンギャだとしている。ミャンマー軍は事件に対応して軍事作戦を開始した。人権団体は、この作戦は州内にあるロヒンギャの村落に対する組織的かつ無差別な軍事攻撃だと主張している。

ロヒンギャの現地住民は人権団体アムネスティ・インターナショナルに、軍が武装ヘリコプターを使い民間人を銃撃したほか、兵士が民家に火を放ったと証言している。またロイター通信が複数のロヒンギャ女性の証言として伝えたところによると、10月下旬、軍の侵攻中に住民数十名が銃で脅され、レイプ被害に遭ったという。アムネスティ・インターナショナルによると、この数カ月でバングラデシュへの避難を試みたロンヒギャ数千人が強制送還されている。


バングラデシュ、コックスバザールの検問所でバングラデシュ国境警備隊(BGB)に捕えられ、涙に暮れるロヒンギャ族のイスラム教徒たち。2016年11月21日 / MOHAMMAD PONIR HOSSAIN/REUTERS

ラカイン州の警察と行政当局は、ロヒンギャに対する軍の暴力行為を黙認してきた。ラカイン州の議員のひとりはBBCの取材に、兵士がレイプするには、ロヒンギャの女性はあまりにも「汚らわしい」と答えた。また、放火事件はロヒンギャの武装勢力によるもので、自分たちの村に火を放ったのだとして彼らを非難した。ラカイン州への報道陣の立ち入りは軍によって遮断されており、ジャーナリストや人権団体が現地情報を得るのは非常に困難な状況だ。

ミャンマー政府の主導的存在であり、ノーベル賞受賞者のアウン・サン・スー・チー氏は政府軍の襲撃に関して沈黙を続けている。数十年続いたミャンマーの軍事政権が2016年始めに終結して以降、スー・チー氏がミャンマー政府の実質的指導者を務めているものの、軍は依然としてかなり強い権力を維持している。スー・チー氏がロヒンギャへの攻撃に関して軍を処罰しないことに、長年続くミャンマーの人権侵害に彼女が対処するよう期待していた人権団体や有識者から批判が高まっている

ロヒンギャの窮状を伝えるハフィントンポストUS版の動画「Behind The Fence」はこちら。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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ロヒンギャ族、インドネシアで保護
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