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HPVワクチン訴訟、国・製薬2社は争う構え 車いすの原告は「私たちの存在を認めて」

2017年02月13日 22時11分 JST | 更新 2017年02月13日 22時11分 JST

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種による副作用で健康被害を被ったとして、女性28人が国と製薬会社2社を相手取り、1人あたり1500万円の損害賠償を求めた東京地裁の裁判で2月13日、第1回口頭弁論が開かれ、被告側はいずれも棄却を求めて争う構えを示した。

HPVワクチンを巡る訴訟は、全国で計119人が東京、大阪、名古屋、福岡の各地裁に提訴している。東京で第1回口頭弁論が開かれたことで、すべての地裁で訴訟が実質的に始まり、当事者の主張が出そろったことになる。

国側は、健康被害とワクチン接種の因果関係を否定する答弁書を提出した

製薬会社グラクソ・スミスクライン(東京)の代理人弁護士は、同社のHPVワクチンについて「有用性は医学的・科学的に確立している」「情報を適時適切に提供してきた」として、原告側が「多くの医学的・科学的エビデンスを無視し、ごく一部の医師が唱える仮説をあたかも医学的知見であるかのように主張している」と主張した。

HPVワクチンは、2013年4月から定期接種とされたが、副作用の報告があったため、国は2013年6月に積極勧奨を中止した。グラクソ社はこの結果「HPVワクチンがほとんど投与されず、多くの女性が子宮頸がんのリスクにさらされている」と主張した。

全国弁護団と東京弁護団の代表を務める水口真寿美弁護士は「接種と副反応の因果関係を否定する根拠となる資料をよくみると、副反応全体を捉えたものではなく、症状の一部を切り取ったり別の疾患にしており、因果関係を否定する根拠にはならない」と指摘した。

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この日、意見陳述した園田絵里菜さん(20)は、中学3年のときに自治体のワクチン無料接種に応じてから、全身の激しい痛みや視力の低下、両手足の脱力状態などの症状が出て、車いす状態になった。「製薬会社はワクチンの有用性についてはよく説明するが、私たちの存在については一切言及しなかった。1人1人、生きている人間として、私たちの存在を認めてほしい」と訴えた。

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酒井七海さん(22)はこの日の弁論で口頭陳述する予定だったが、1月末に倒れて28回目の入院をした。ベッドから起き上がれず、会話もほとんどできない状態だという。会見に同席した父の秀郎さん(58)は「予測できないいろいろな症状が出てくる。最初は手の失神だったのが、半年くらいたったら歩けなくなって車いすになった。今は呼吸困難になっている。根本的な治療をしていくためには国が被害を認め、対応しなければいけないと行動を取ってもらわないとつながらない。一人でも多くの方に、深刻な被害があったことを知って欲しい。一刻も早く解決しなければいけない」と訴えた。