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オバマケア代替法案、可決の見通し立たず トランプ氏は共和党議員に「議席を失うぞ」と警告

2017年03月23日 14時45分 JST | 更新 2017年03月23日 14時45分 JST
Bloomberg via Getty Images
U.S. President Donald Trump, center, walks to a House Republican conference meeting at the U.S. Capitol in Washington, D.C., U.S., on Tuesday, March 21, 2017. Trump warned House Republicans in a closed-door meeting Tuesday that many of them could lose their seats in the 2018 elections if they don't pass their bill to replace Obamacare. Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images

アメリカのドナルド・トランプ政権が目指す、共和党が提出した医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案をめぐり、共和党内の調整が続いている。

オバマケアの医療費負担適正化法(アフォーダブル・ケア・アクト)の完全撤廃を求め、法案の修正を主張する保守派の反発が強く、共和党首脳が目指す3月23日の下院本会議採決の行方は不透明で、法案通過の見通しは立っていない。

トランプ氏は21日、議会を訪れ下院共和党議員に代替法案への支持を求め、法案が通過しなかった場合は「本当に2018年の選挙で議席を失う」と警告した

共和党指導部が時間も選択肢も失いつつあるなか、オバマケア代替法案可決を成功させる最も簡単な方法は、共和党保守派議員グループ「下院自由議員連盟」の望み通りに動くことだ。

保守派議員たちが強く主張しているのは、共和党のオバマケア代替法案は、保険料の高騰を食い止めるべきというものだ。法案から政府による最低限の健康保険助成に関する条項を削除し、医療費負担適正化法の医療保険受給資格を定めた部分を破棄するべきだという厳しい姿勢を取っている。医療制度や医療保険制度のコンサルティング会社ミリマンによると、最低限の健康保険助成(産後ケアや診察への助成金を義務付けるもの)を撤廃しても、保険料高騰を食い止める効果はそれほどないという。

ホワイトハウスと共和党首脳は、これまで保守派議員たちの要求を退けてきたが、今となっては下院自由議員連盟に妥協し、少なくとも要求の一部を受け入れて、法案への賛同を得る可能性が出ている。

しかしその算段も非常に複雑だ。共和党首脳によると、保守派議員の要求に応じると議会運営規則違反の恐れがあり、上院での過半数が得られなくなる可能性があるという。

さらに下院自由議員連盟のメンバーには、法案の保険料助成を規定した部分を変更するだけでは賛成票を投じないという議員もいる。そうなると、共和党指導部は下院自由議員連盟に対して、さらなる妥協を迫られるケースもある。

そうなれば、保守派の意向を汲んだ法案修正となり、今度は共和党穏健派からの支持を失うリスクが出てくる。

しかし何もしなければ、廃案に追い込まれることは確実だ。保守派議員は修正なしに法案が提出されたら反対票を投じるという姿勢を崩していない。ハフィントンポストUS版による非公式の票予測によると、廃案になる見込みは高い。下院自由議員連盟に妥協して法案を修正するのはギャンブルだが、何も手を打たなければ確実に廃案に追い込まれる。

見通しは厳しいが、共和党指導部が法案提出を進められる可能性はある。共和党穏健派に対しては、上院で修正部分が骨抜きになると説得し、上院審議で過半数割れにならないよう内容を調整することに期待をつなぐ。

上院の審議で修正内容が受け入れがたい、または受け入れ不能と見なされる可能性はある。修正された条項が受け入れがたいとなれば、修正内容を削除するか、定員100のうち60の賛成票で法案通過というルールを適用することもあり得る。修正内容が受け入れ不能となった場合、法案そのものが廃案となる。

唯一の現実的な妥協策があるとすれば、今後10年間かけて最低10億ドルを減税するという予算措置を撤廃することだろう。受け入れがたい修正がある場合は、法の施行が危うくなるだけですむ。

しかし法案そのものがすでに危うい状態だ。

下院を通過しなければ、共和党全体に非難の声が及ぶ。メンツを保って下院で法案を通過させるには下院と上院で同時に審議し、上院で下院案を通過させるように働きかけることになる。しかしそれでも、下院で即座に廃案となるよりはましと考える向きもある。

トランプ氏は一貫して、法案修正には交渉の余地があると主張している。しかし共和党下院首脳は一貫して逆の見解だ。トランプ氏の交渉術には天性のものがあるので、同意を得るためには手段を選ばない傾向がある。下院自由議員連盟に対し妥協を余儀なくされ、議会規則を破ることになっても構わないと思う可能性もある。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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