これからの経済

ネット炎上、参加者わずか2.8% それなのに拡散するのはなぜ?

ネガティブな言葉がクローズアップされる背景は…

2017年09月24日 11時01分 JST | 更新 2017年09月24日 11時04分 JST
Flickr/liz west
ネット炎上のイメージ画像(CC BY 2.0)

ネット上で非難が殺到する「炎上」を見つけたときに、それに関して書き込みや拡散をする人は、わずか2.8%だった。

文化庁が9月21日に発表した「平成28年度版 国語に関する世論調査」で明らかになった。全国16歳以上の男女3,566人を対象に、2017年2月〜3月の期間で個別面接調査を実施したという。

この調査は文化庁が2006年度から毎年、日本人の言葉やコミュニケーションへの意識や理解を把握するために実施しており、今回初めて「炎上」という言葉が登場した。

炎上という言葉をネット上で頻繁に目にするようになったが、一体どこで起きているのか。炎上の背景には、どんな感情があるのだろうか。

■「炎上」に参加する意志があるのは、100人に3人以下

「いわゆる『炎上』を目撃した際に書き込みや拡散をするか」という質問に対して、「大体すると思う」と答えた人は0.5%、「たまにすると思う」と答えた人は2.2%。合計で2.8%だった。

53.2%は「全くしないと思う」と回答した。

文化庁
平成28年度「国語に関する世論調査」の結果について

また、『いわゆる「炎上」という現象を好ましいと思うか』という質問に対して、「好ましい」「どちらかと言えば好ましい」と回答したのは合計で5.0%、「好ましくない」「どちらかと言えば好ましくない」と回答したのは合計で77.5%だった。

文化庁
平成28年度「国語に関する世論調査」の結果について

■炎上と言っても様々だけど...

企業や自治体が広告やプロモーションで、性的表現や差別的な表現で消費者を不快にさせることから起きる炎上もある。

サントリーが7月に公開したウェブPR動画は、「女性を性的に表現している」といった批判で炎上。公開翌日に動画の掲載を中止する事態に至った

壇蜜さんを起用した宮城県のPR動画は、公開直後から「卑猥だ」といった批判が相次ぎ「炎上」騒ぎになったが、村井嘉浩県知事は即時に公開停止などはせず「リスクを負っても皆さんに見ていただくものをと思いました」と発言していた

■人はネガティブな情報に価値を感じやすい

なぜ炎上が起きてしまうのか。ポジティブな言葉よりもネガティブな言葉が広がってしまうのか。

社会心理学者で筑波大学准教授の湯川進太郎さんは「AERA」の取材に、ネガティブな言葉がクローズアップされて広がってしまう背景を以下のように語っている。

SNSは、例えば嫌なことがあったらそのつらさをすぐに書いてしまいますよね。本人が怒り、侵害されたことにのみ、焦点が合っているときに書けば、怒りばかりがクローズアップされる。

そもそも人間はネガティブな情報の価値のほうが高いと感じやすく、注意がそれにくいのです。また、目の前に相手がいないので、殴られたり危険にさらされたりする心配がなく、抑制がかかりづらい面もある。匿名ならなおさらです。

(「AERA」2017年09月11日号)

「炎上参加者」は2.8%。この数は、炎上が蔓延している現状の割に、非常に少ないように思えるかもしれない。メディアの報道などが炎上に加担し得るという現実もある。

炎上を目撃した時に「炎上しているから悪だ」とすぐに決めつけず、冷静に自分の意見を持つことが一番大切なのかもしれない。