産まずに赤ちゃんを育てる2つの方法 里親と養子縁組ってどこが違うの?

あなたにとっての親子は、どんな形?
※写真はイメージです
Toru Hanai / Reuters
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親子と言うと、どんな形を思い浮かべるだろうか。子どもがお父さんとお母さんから産まれた親子もいれば、親が別のパートナーと再婚した親子も。それとも、子どもを他の人に頼んで産んでもらった親子もいるだろう。

形はさまざまで、その人から産まれたことだけが、親子の証ではない。自分で産まなくても、子どもを授かることはできる。

その方法の一つが里親と養子縁組。何となく聞いたことはあっても、あんまり馴染みがないし、どこか難しそう。そもそもどんな制度で、どんな違いがあるのだろうか。まとめてみた。

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■里親と養子縁組はどんな制度?

里親と養子縁組は、親の不在や虐待などの事情で家庭で育てられない赤ちゃん・子どもを、希望する世帯が「家族」として迎え入れる制度。

どちらも、誰かの助けが必要な赤ちゃん・子どもを家庭環境で育てようという考えは同じだが、子ども年齢や戸籍の記載などいくつか違う点がある。

里親とは...

子どもを決まった期間預り、産みの親の代わりに自宅で育てること。目的に応じて4つのタイプに分かれる

厚生労働省のリーフレットより

養育里親:子どもを預かって産みの親の代わりに育てる

養子縁組里親:預かった赤ちゃん・子どもと養子縁組を予定している

専門里親:虐待や非行、障害などの理由で、専門的な援助が必要な子どもを育てる

親族里親:産みの親が死亡・行方不明になった場合に、おじいちゃん・おばあちゃんら親戚が育てる

養子縁組ってなに?

子どもと迎え入れる家庭が、法律・戸籍上の「親子」になること。実の親子と同じ権利・義務が与えられ、親権も移る。

年齢上限がなく、跡取りや相続など広い目的で利用される普通養子縁組と、6才未満が対象で、実の子どもと同じ安定した家庭環境で育てる特別養子縁組がある。

■里親と養親縁組、こんなところが違う

里親と養子縁組は、どんな違いがあるのだろうか。グラフで「里親」「普通養子縁組」「特別養子縁組」に分けて整理してみた。

①親権は移る?

里親 × ふつう養子縁組とくべつ養子縁組

②親子関係(戸籍)はあるの?

里親 × 産みの親との法律・戸籍上の親子関係が残る。子どもは産みの親の戸籍に長男/長女として記載されたまま、変わらない。

ふつう養子縁組 △ 産みの親と育ての親の両方との間に、法律・戸籍上の親子関係がある。産みの親の戸籍には長男/長女、育ての親の戸籍には養子/養女と記載。どちらの親との間にも、相続権や扶養義務が残る。

とくべつ養子縁組 ◯ 産みの親との法律・戸籍上の親子関係がなくなり、育ての親と実の「親子」になる。相続権や扶養義務も育ての親に移る。

③迎える子どもの年齢

里親:0歳〜18歳になるまで(延長もできる)

途中で産みの親の元に戻るか、18歳になったら自立する。自立が難しい場合、例外的に20歳まで認められる。さらに大学へ進学した場合などに、卒業するまで(22歳)里親の元で支援が受けられる。

制度上は里親家庭から自立する年齢が決められているが、それ以降も一緒に暮らすことができる。

ふつう養子縁組:年齢制限なし(養親よりも年上はダメ)〜ずっと親子

とくべつ養子縁組:6才未満〜ずっと親子

④呼び方は?

里親:里親、里子 ふつう養子縁組:養親、養子 とくべつ養子縁組:実親、実子

⑤手当はあるの?

里親 ◯ 国と都道府県や市町村から養育費と里親手当が出る

ふつう養子縁組 ×

とくべつ養子縁組 ×

⑥関係を解消できる?

里親 ◯ 産みの親が育てられるようになったら途中で実家へ戻るか、原則18歳になったら自立する。

ふつう養子縁組 ◯ 子どもと親の間で同意があれば、養子縁組を解消できる。

とくべつ養子縁組 × 虐待などの特別な理由があった場合のみ、家庭裁判所が離縁させることができる。

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家族のかたち」という言葉を聞いて、あなたの頭にを浮かぶのはどんな景色ですか?

お父さんとお母さん? きょうだい? シングルぺアレント? 同性のパートナー? それとも、ペット?

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