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2017年12月15日 06時00分 JST | 更新 2017年12月15日 09時40分 JST

都立高の入試に「英語のスピーキング試験」導入へ 学習塾「明らかにチャンス」

どんな試験になる? どうやって教える?

ferrantraite
画像はイメージ

東京都立の高校入試で、英語の「スピーキングテスト」が始まることになりそうだ。

東京都教育委員会の検討委員会が12月14日に提言した。そのスケジュール通りに進めば、2019年から試験的な導入が始まる。文法や英作文、リスニングなどに加えて、高校試験で「話す力」が問われることになる。

国が定める学習指導要領では、「読むこと」「書くこと」「聞くこと」「話すこと」が、中学英語教育の4つの柱だ。ところが、これまで都の高校入試では「話す」能力は試されてこなかった。

提言は、スピーキング試験の導入によって、「コミュニケーション能力の基礎を養うための指導が一層推進される」として、教育現場の変化にも期待している。

●どんな試験になる?

ただ、具体的にどんなテストになるのか、それが固まるのは、しばらく先の話になりそうだ。

「検定試験などを実施している民間団体の知見を活用」する方針だが、詳細は未定。提言では次のような2つの方法をあげ、どちらにするか、比較検討をしている段階だ。

1つめは、面接で試験をする方法。これは、数万人を一挙に試験するための会場や日程の確保が課題として指摘されている。また、面接実施後に、受験者同士が接触しないように工夫をする必要もある。

もう1つは、タブレットやパソコンなどの機器を用いる方法だ。この場合には、機器の不具合や誤作動のリスクへの対処、静かな受験環境の確保などが求められる。

どちらを導入するにしても、面接官を教育したり、システムを作り上げたりと、大がかりな準備が必要となる。

●受験業界の反応は...?

英語教育の大きな転換とも思えるが、受験業界にとって、この動きは「想定内」だったようだ。

関東圏を中心に展開する進学塾「早稲田アカデミー」の取締役で、教務本部長兼高校受験部長の伊藤誠氏は、ハフポスト日本版の取材にこう話す。

「今まで、日本の英語教育で話すという部分が重視されていなかった面もあるが、グローバル化を背景に、今後海外に出ていく人たちがどんどん増えていくことを鑑みれば、入試の改革は違和感のあるものではない」

すでに小学5年生の一部の講座で、生徒同士で英会話をさせるカリキュラムがある。また、今後パソコンやオンライン・ツールを使って、ネイティブスピーカーの講師がその場にいなくても、英会話学習ができる仕組みを整えていく方針だという。

「スピード感を持って対応できている。どちらかといえばチャンスだ」(伊藤氏)

●入塾のきっかけになる?

河合塾グループで小・中学生向け講座を担当する「河合塾Wings」の事業推進室の石坂英明・室長も「明らかにチャンスと捉えている」と話す。

これまで塾に関心がなく、不要だと思っていた家庭でも、英会話をきっかけに入塾を検討するだろうと、石坂氏はみている。

現状、会話に特化したカリキュラムがあるわけではないが、河合塾ではこれまでも速読力を身につけさせるために「英語の音読」を徹底させてきたという。「学校であれ塾であれ、英語教育から"音"は切っても切り離せないものになっている」と石坂氏は話す。

これまで小・中学校の英語教育の中では、軽視されていた感のある「英会話」だが、入試に採用されることで、教師や生徒の意識は大きく変わるかもしれない。