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日本の職人の手仕事の技、次世代に伝えたい

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「錫光(すずこう)」の錫師中村圭一さん(右)と「ニッポン手仕事図鑑」を立ち上げた大牧圭吾さん

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埼玉県川口市の住宅街。ここに、伝統的な手法で錫製の酒器などを作る工房「錫光(すずこう)」がある。職人の中村圭一さん(54)が、温まると静かに銀色をたたえる錫が入った鍋からお玉ですくいだして型に入れている。

圭一さんが父・光二さんから工房を本格的に引き継いだのは30歳のとき。サラリーマンをしていた25歳頃のころ、光二さんから「手伝わないか」と言われたが、「安定な収入がある」と周りから反対されたこともあって土日の手伝いから始めたものの、サラリーマンの仕事は続けた。だが「俺がひきつがなかったら誰もやっていかないかも」と決断。その後、仕事を正式にやめて本格的に錫師の道へ入った。

小学校のころ、圭一さんは工房で光二さんのそばで、削られた錫を丸めては遊んでいた。錫を削るときの音や鋳物の臭い、手の動きは幼い頃からなじみがあった。

特に、回るろくろから錫がリボンのようにスーっと削り取られていくリズムは、いい物ができるときの音だとわかる。「なんとなく見ていたから、このリズムが自分に染みこんでいる気がします」と中村さん。

 ◇

こうした錫の器や、革靴、和傘など日本の伝統技術を持つ職人の技術を知ってもらい、次世代につなげるための取り組みを動画メディアサイト「ニッポン手仕事図鑑」は目指している。

職人が培ってきた技術と想いを伝えたいと、広告・デジタルソリューション会社で働く大牧圭吾さん(38)が2015年1月に立ち上げた。これまで職人の現場の見学イベントをしたり、手仕事の様子をきれいに映し出す映像を作ってきた。今後は、職人たちの後継者探しを支援することも視野に入れている。 

大牧さんは、万年筆など職人の技が垣間見える品にひかれていた。職人が一途に打ち込む姿勢が好きだ。だが一方で「職人になりたい」と子どもの希望を親が反対する現実がある。

そこで立ち上げたのがこのメディア。次世代につなげるために、「子どもの頃からものづくりを知ってもらえれば状況は変わるはず」と大牧さんは信じる。

「伝統工芸は自分たちからアピールするのは難しい。特に若い人に知ってもらうためには、子どもの時に本物を見て記憶に残しておいてもらうのが一番いい」。

クラウドファンディングサイトA-portでは、小・中学校を訪問して、職人の手仕事を撮影した映像を観てもらい、その場にいながら社会科見学をしてもらうプロジェクトのための資金を集めている。

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スズを溶かすと、「鏡のスープ」のようになる。

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クラウドファンディングサイトA-portで資金を集めている。支援額に応じた魅力的なリターンが満載だ。