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クラウドファンディングで即日、目標額を達成!29歳の紅型作家・新垣優香の世界、食卓にいかが?

2015年03月28日 14時00分 JST | 更新 2015年05月26日 18時12分 JST

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クラウドファンディング、初日で目標額達成

沖縄で15世紀以前から受け継がれてきた染色「紅型」(びん・がた)。かつて琉球の王や貴族の衣装を彩った、艶やかさを誇る技法で、着物や帯などは高級品――。

その独特の魅力にとりつかれた紅型作家・新垣優香さん(29)が、紅型をもっと身近なものにするため奮闘している。日々の食卓で使ってもらいたいと、紅型デザインの食器制作のプロジェクトをクラウドファンディングサイト「A-port」で立ち上げた25日、みるみるうちに支援を集め、目標金額の50万円の調達を即日達成した。開始即日での達成はクラウドファンディングでは異例のことだ。

支援した人は支援金額に応じ、リターン(特典)として完成した食器を入手することができることもあり、さらに調達額を伸ばしている。

伝統工芸の可能性に挑む若手作家に、支援者からは続々と応援メッセージが寄せられている。

「紅型デザインが食器として楽しめるのは、とても嬉しいです」

「紅型、漆器等々、沖縄の伝統工芸、大好きです」

「伝統的なのにモダンな風合いは現代のインテリアにもはまるはず。 毎日使える身近な紅型食器を楽しみにしています」

気鋭の紅型作家として活躍

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那覇市に生まれ、沖縄県立首里高校の染織デザイン科で学んだ。卒業後は紅型の工房などで修業をし、独立した。「あなたの作品を見ると、元気が出る」とファンに言われることも多いという彼女の作品は、沖縄の太陽を感じさせるひときわ明るい色彩が特徴。咲き乱れる南国の花や、幸せを運ぶと言われる蝶のモチーフも多く登場する。古典柄にとらわれず、染めものとは思えない大胆な彩色で、新しい紅型の世界を切り開いてきた。

型を複数重ねて染色する繊細な「重ね型」の技法や、キラキラと光る「グリッター」など独特の素材を使う。紅型作家の登竜門である「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」で2年連続大賞に輝いたほか、日展入選、上野の森美術館奨励賞など、数々の賞を受賞。国内外で展示会を開き、伝統的な技法と、アート性の両面で高評価を得ている。

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沖縄の大地 歩き回り取材

紅型の魅力は「南国ならではの、太陽の強い日差しがあるからこそ生まれる色」と言う新垣さん。型で染めるからこそ生まれる、布地の白の美しさも紅型の魅力という。カメラを片手にあちこち歩き回り、沖縄の大地に咲き誇る花々や蝶、空、海を見て、作品の構想を膨らませる。鉛筆で型を起こすところから仕上げまで1カ月以上かかる作品もあるという。

紅型の魅力にとりつかれたのは高校の頃。沖縄の伝統工芸全般に興味を持ち、特に紅型の美しさに惹かれ、紅型をやっていくと決めた。高校で染色を学んでも、職人として独立する人は少なく、全く別の道に進む同級生も多いという。

「幼い頃から紅型の存在は知っていました。『王様の衣装』というイメージが強く、すごく手間がかかっていて高いもの、だからこそ価値があると思っていました。でも紅型を学ぶにつれて、より多くの人に紅型に触れてもらいたい、知ってもらいたいと思うようになったんです」

「紅型だけじゃなく、沖縄は様々な伝統という宝物が眠っている島だと思う。伝統のひとりの担い手として、時代に合わせて進化しながら広く伝えていきたい」

紅型デザインを食器に 

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染め物となると対象が限られるが、食器だと誰もが毎日使うもの。マグカップや小皿といった食器をつくろうと思ったのは、日々の生活の中で紅型のデザインを採り入れてもらい、老若男女問わず、お茶を飲みながら紅型を話題にしてほしいと思ったためだ。

これまでも、沖縄の高級リゾートホテルのエントランスに紅型作品を提供したり、近年文房具として人気の「マスキングテープ」で自身の紅型デザインの商品を発売したりと、紅型の可能性を広げようと幅広く活動してきた。

今回、支援者からはこんなコメントも寄せられた。

「沖縄で泊まったホテルで新垣さんの作品を観て、一目ぼれ状態になり、作品を自分の家に飾りたいなぁと思っていたら、こんな素敵なプロジェクトを発見しました! 元気になれるお皿で、美味しく食事ができることを楽しみにしています!」

伝統の担い手として

これからも、この道で生きていくと決めている。だからこそ、紅型作品が「高級で希少なもの」のままではいけない。紅型自体のことを多くの人に知ってもらい、紅型の作品を一人でも多くの人に手にとってもらいたい。国内だけでなく、海外の人々にも紅型の美しさを広めたい。いま、そう思っている。日本中の多くの伝統工芸が直面している課題である担い手不足に陥らないためにも、今後は紅型の技術を子どもたちに伝えていく活動にも力を入れていくつもりだ。

引き続き、朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト「A-port」で食器の制作資金を集めている。「紅型で、世界中に笑顔の花を届けたい」。まずは、毎日触れる食器で、彼女のエネルギーを感じてみては――。

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(食器の完成イメージ)

食器デザインのコンセプトは「琉花」(りゅうか)。沖縄の花々をイメージした。

支援額1500円で新垣さんの作品集、2千円で桃色の小皿、2500円で一回り大きい水色の皿、4千円でお皿セット、5千円でマグカップ、8500円で皿セットとマグカップを送付予定。また、手染めのパネルが2万5千円、手染めのパネルと食器のフルセットで3万2千円。

詳しくはA-portへ。