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なんでこの男はスタートアップばかり5社も手がけてきたのか

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AppSocially、Kaizen Platform Inc.を経て、Oneteamにジョイン。リードエンジニアとして働いているのが長瀬敦史さんだ。彼がスタートアップのシード期5社で見てきたものとは?なぜスタートアップに惹かれる?

長瀬敦史がOneteamで目指す「協業のイノベーション」


「シード期のスタートアップにおいて、技術面で大きな貢献を果たしていく」

エンジニア、長瀬敦史さんが歩んできたのはこういった道だった。本人は「偶然そうなっただけ」と語るが、かなり稀有なキャリアを積んできたことは間違いない。

とてもユニークなのは、長瀬さんのファーストキャリアだ。グラフィックデザイナーから舵を切り、数年後には「スタートアップのシード期に強いエンジニア」へ。本人でさえ想像していなかったキャリアだろう。

これまで立ち上げに携わってきたスタートアップは4社(LittleApps、tattva、AppSocially、Kaizen Platform)。そして現在、5社目となる「Oneteam」にて約10名ほどのエンジニアをまとめあげる。

Oneteamは「時間・場所を飛び越えたチームでの協業」のイノベーションを目指すスタートアップだ。プロダクトとしての「Oneteam(クローズドβ版)」は、表面だけ見るとSlackやChatWorkのようなビジネス上のコミュニケーションツールのよう。しかし、根底にある思想と機能は大きく異なっているところがおもしろい。

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チャット型ではなく、テキスト型での投稿が可能。たとえば、リアルタイムのやり取りを見逃したとしても「解決したいこと」「プロジェクト」ごとにやり取りが整理される。いつ、どのタイミングでも、どう進捗しているか、自身が何をすべきか、非常にわかりやすく可視化される(エンジニア、デザイナー、ディレクター、営業など職種をこえたコミュニケーションにも最適化される)。

ユニークなのはその構想だ。ゆくゆくは「Oneteam」上でのコミュニケーションを分析。各メンバーのプロジェクト関与度・貢献度など可視化し、組織マネジメントに活かしたいという。最終的なゴールは、企業・チームでの協業、人々の働き方にイノベーションを起こすことだ。

なぜ、このOneteamに長瀬敦史さんはジョインしたのか。そして、どのように「スタートアップに強いエンジニア」へ成長していったのか。その道のりから、新しいキャリアの可能性、人生の選択軸について考えてみたい。

グラフィックデザイン出身?意外なファーストキャリア


― 長瀬さんはAppSocially、Kaizen Platformなど立ち上げのタイミングでエンジニアとしてジョインされていますよね。勝手に技術出身の方だと思っていました。

もともとは専門学校でグラフィックデザインを学び、デザイン事務所に入社しました。だから広告デザインの出身といえるかもしれませんね。

ただ、高校生の頃からWebサイトは遊びでつくっていたんです。高校生の頃からダンスミュージックが好きでその情報サイトをつくったり、レンタルサーバで掲示板を置いたり。すごく原始的なやつですが(笑)。それでも小さなコミュニティ感があってハマっていましたね。

同時に、当時は「Webは仕事にならないだろう」って思っていたんです。今ほど市場も大きくなかったし、マニアックだったし。なので、仕事としてご飯を食べていきやすそうなグラフィックデザインの道を選びました。

― そこからどのようにエンジニアに転向したんですか?

じつはデザインの事務所で働きながら、勝手にアルバイトしていたんです。その時にやっていたのはFlashやJavaScriptでのRIA開発だったかな。ちょうどWeb開発やソフトウェア開発の市場がどんどん大きくなっていたタイミング。当時は好きできちんと勉強すればフリーで開発の仕事を任せてもらえたから、そこでスキルを身につけていきました。

徐々にデザイン事務所の仕事より、バイト感覚でやっていた開発における稼ぎのほうが多くなっていって。「プログラミングに時間を割いたほうが自分のためになるな」とデザイナーを辞め、フリーのエンジニアになりました。

― すごくおもしろい転向ですね。ただ、当初はスタートアップにコミットしていくエンジニアではなかったわけですよね?

そうですね。はじめは完全に受託だけでした。リクルートさんのプロジェクトに入れさせてもらったり、あとはこまごまと仕事をもらったりして。

まあフリーなので、家にこもって部屋着でずっとプログラミングだけ、という日々もあって。打ち合わせとちょっとした買い物でしか外出しない。そんな、引きこもりの生活を続けていたら...すごい孤独感、虚無感が湧いてきまして(笑)。やっぱり誰かと一緒にモノをつくりたい。そう思うようになっていきました。

常駐してプロジェクトに入るといった選択肢もあったのですが、たまたま知り合いがスタートアップを立ち上げるという話があって。「iOSアプリの開発を手伝ってくれない?」と誘ってくれたのが「tattva, inc.」という会社でした。

当時社員5人のKaizenへ。事業の成功にコミットしたかった


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― はじめてのスタートアップで、収入面での不安はなかったですか?

不安は全くなかったですね。もちろん給料は下がりましたけど、普通にもらえていたし、まあ生活ができたらいいかなくらいの感覚で。給料よりも、ずっと孤独だったので「誰かと一緒にプロダクトをつくりたい」というほうが大事でした(笑)

― そこからも「スタートアップでやっていく」というこだわりが?

うーん、意外とたまたまですね。誘われておもしろそうだったらやってみるという感じで。たとえば、AppSociallyだとSaaSでやりたいことがあって立ち上げたんですけど方向転換があったので抜けて。それがちゃんとできそうなKaizen Platformに行って...と。

Kaizen Platformだと2013年に参加して、当時はまだ社員数が5人くらいで。立ち上げも立ち上げだったので、とにかく何でもやりましたね(笑)

デプロイは全部手作業でやったし、ユニットテストも自分のローカル環境でやったり。最初の半年くらいで開発フローを整備して。フロントエンドもバックエンドもやって。途中でインフラに強い優秀なエンジニアが入ってきてくれたので任せることができてホッとしました(笑)

そこからはデプロイの自動化を行ったり、データ取得の基板を開発したりとか...まあホントにいろいろなものを作ったと思います。

― 得られることも多そうですね。

そうですね。広くやりたい方にはスタートアップがおすすめかなと思います。あと得られたものとしては「開発フローをいかに構築するか?」という、より大きな視点ですね。

スタートアップにせよ、普通の会社にせよ、どうしても事業サイドから「いつまでにこれを開発してほしい」と要望されることが多いですよね。営業目線といってもいいかもしれない。

あまりエンジニアの目線から「今のフェーズにおいて、どこが最も注力すべきポイントか」語られてこなかった。逆にいえば語れるエンジニアがおらず、事業が失敗するケースもあるのかなと思います。

スタートアップはスピードが命ですので、ここは突っ込むべきか、この作業に時間かけるべきか。事業全体を見たときの撤退ポイントなども分かる部分が増えてきたかもしれません。多少は「鼻が効く」ようになってきた、そう言ってもいいかもしれませんね。

課題を解決していなかったら、ただの「屍」


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― 長瀬さんがスタートアップに魅了されるのはなぜでしょう?

スタートアップって常に危機的状況、てんてこ舞いなんですよ。それが好きなのかもしれません。途方もなく大変なことしている時にこそやりがいを感じる...変わり者ですね(笑)

エンジニアとして、というよりも私はですが「売上も安定してきたし、あとは大丈夫かな」ってあぐらをかいて危機感を失った状態って一番良くないと思っていて。

自分たちで課題を探して解決していく。考えて切磋琢磨する。給料をもらって作業はしているけど課題を解決していなかったらただの「屍」じゃないですか。で、企業に飼い殺されるよりもずっと大変な状態でいたい、得意なことを延々と続けたいですね。

― 最後に、Oneteamで叶えたいことについて教えてください。

私はいろいろな組織を見てきたなかで、よくエンジニアサイド、ビジネスサイドという言い方をするんですよね。本来は「サイド」ではなく「一つのチーム」であるべきだと思っています。

そもそも人には得意・不得意があって職種によってできることが違う。それによって自分の叶えたいことが叶えられないのは不幸ですよね。だから「チーム」があるし、「チーム」の力があれば、絶対どうにかできるはずだと信じているんです。だから「これやろうぜ」っていう人たちが集まって、それが成し遂げられていくのをどんどん見ていきたい。

もともとは、できるだけ「人」を介さず、可能な限り自動化する、どちらかというと無機質なプロダクトをつくりたいといった思いがありました。でも、プロダクトの裏側に「人」が介在し、有機的なプロダクトを開発していくおもしろさも知ることができた。

自動化しても、そのウラ側には人の思いが詰まっていて、それが最終的には大切になるんですよね。ここまでの道のりですごく勉強をさせてもらったので、その思想を広めていきたいと思っています。

― スタートアップで働く魅力や広がるスキル、キャリアなどたくさんのヒントをいただくことができたと思います。あとはやりたいことに素直に飛び込んでみる。ここも大切かもしれませんね。本日はありがとうございました!


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