BLOG

卵の殻がツルリとむける!「ゆで卵」の作り方の秘密がわかった!

2016年04月02日 00時24分 JST | 更新 2017年03月31日 18時12分 JST

元の記事はこちら

2016-03-29-1459243899-7194594-138f230dc9c536452d5fa692f1643a4f.jpg

クックパッドニュースで最も人気のある記事ジャンルといえば「裏ワザ」。実は、料理の裏ワザには、驚きだけでなくちゃんとした理由があるんです!その理由を、料理研究家・関岡弘美さんが、クックパッド食みらい研究所 特任研究員・石川伸一先生に徹底取材。裏ワザの科学的根拠を解説します。

料理研究家の関岡弘美です。料理の「裏ワザ」と呼ばれる意外なテクニックが成立する理由を解明するこのコーナー、第5回目のテーマは「ゆで卵をきれいにむく裏ワザ」。今回も、みなさんに代わって裏ワザの裏側にある、科学的な理由を解き明かしていきたいと思います。

ツルリとむける!ゆで卵は何が違う?

卵は、毎日の食卓に登場する定番食材の1つ。そんな卵を使った料理の中で、よく聞く悩みの1つが、ゆで卵の殻むき。白身が殻にくっついてしまい、きれいにむけないという声に応え、卵の殻がきれいにむける裏ワザが、注目を集めています。

2016-03-29-1459244036-4963758-56caa7cc7422ef9640bf9b5b2cec2b38.jpg

トゥルントゥルン♪に剥けるゆでたまご by 木公夲

2016-03-29-1459244081-5944608-af737aeaf3ad4634d25b6197ab68ee99.jpg

綺麗に剥ける♫失敗なしのゆで卵の作り方♡ by ura681225

上記の裏ワザ、ゆで方はそれぞれ違いますが、実は共通するポイントがあります。それは「ゆでた後、すぐに氷水につけて急冷する」ということ。実際に、どれくらい差がでるか、試してみました。

2016-03-29-1459244120-9004318-2924ee34c23530eaeb03301a820a862f.jpg

卵を1パック用意し、すべて同じ条件でゆでてききます。

2016-03-29-1459244145-6021633-1870ec53f99a169f759a08596c87b2f3.jpg

今回は、卵を室温に戻した状態で熱湯に入れ、8分ゆでます。

2016-03-29-1459244168-4881522-467c286df11756b66506665681b8bfb9.jpg

加熱後、半量はゆでた後ざるにあげて、自然に冷めるまで放置します。残り半量は、ざるで水気を切ったあと、すぐに氷水につけて急冷します。

◆冷めたゆで卵をむいた結果が、こちら

2016-03-29-1459244211-9544147-0cba8fe6448ce43250f7cabb60482e39.jpg

(左)自然に冷ましたもの、(右)氷水で急冷したもの

氷水で急冷したもの(写真右)は、5個中5個がきれいにツルリとむけました。一方、ざるにあげて自然に冷ましたもの(写真左)は、1つはきれいにむけましたが、残り4個は殻に白身がくっついて、一緒にはがれてしまいました。

殻と卵の収縮の差が、きれいにむける秘訣だった!

氷水で急冷すると、ツルリと殻がむけるしくみについて、宮城大学の石川先生にうかがいました。

ーすぐに冷水につけると、きれいに殻がむけるのはどうしてでしょうか?

「ゆであがった卵を冷水につけると、殻も、中身の卵も冷えて縮みます。しかし、殻と中身の卵では、この収縮の程度の差が違うことから、殻の内側にある卵殻膜という薄皮の部分と、卵中身の間に"隙間"ができます。この隙間のおかげで、卵の殻がはがれやすくなるのです。

また、冷水につけて卵の殻の外側が冷えると、まだ熱い卵の中身から出た蒸気が冷えて水となり、殻と中身の間に水がたまった状態にになります。その水が、殻と白身の密着を防ぐので、殻がむきやすくなるとも考えられています。」

ー冷水につける以外にも、殻がむきやすくなるポイントはありますか?

「卵の鮮度は、殻のむきやすさに大きく影響し、新鮮な卵ほどむきにくく、時間がたった卵ほどむきやすいことが明確に分かっています。

卵は産まれてから時間が経つにつれて、卵白に溶けていた二酸化炭素が外に放出されます。これが卵殻膜の間にたまって、気室という空気の層ができます。気室があることで、殻と卵白との間に隙間ができるので、ゆでたときに殻がむきやすくなります。産みたてのたまごよりも、一週間くらいたった卵のほうが、むきやすくなっているでしょう。

また、卵のpHも、殻のむきやすさに大きく関係します。新鮮な卵ほど卵白のpHが比較的低く、時間がたつにつれて高くなっていきます。pHが低いほど、卵白と殻の内側が強く結合するので、殻はむきにくくなります。新鮮な卵をむきやすくするには、pHを高くし、アルカリ性にすることです。卵をゆでるお湯に重曹を加えれば、簡単にアルカリ性にできます。目安としては、お湯1Lに、小さじ1/2程度の重曹を加えてゆでるといいでしょう。ただし、重曹を入れると、卵の硫黄臭が強くなるので、注意が必要です。」

きれいにむけないイライラも、ポイントさえわかれば、これで解消!毎日の食卓に登場する卵だからこそ、きれいにむけたゆで卵で、見栄えよく食卓を飾りたいですね。

◆取材協力

石川 伸一(いしかわ しんいち)

福島県生まれ、博士(農学)。宮城大学食産業学部准教授、「クックパッド食みらい研究所」特任研究員。専門は分子食品学、分子調理学、分子栄養学。主な研究テーマは、鶏卵の機能性に関する研究。『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(化学同人)、『必ず来る! 大震災を生き抜くための食事学』(主婦の友社)ほか著書多数。

執筆:料理研究家 関岡弘美

出版社にて食育雑誌の編集に携わった後、渡仏。 料理、製菓等を学び、レストラン、パティスリーで研修後、帰国。 雑誌、広告等を中心に活動するほか、都内でおもてなし料理とワインの教室を主宰。近著に、『10・15・20分でできる毎日かわいい園児べんとう』がある。ブログはこちら

クックパッド編集部

◆クックパッドニュースの人気記事

>>>【裏ワザの裏側】材料を1つ変えるだけ!「パンケーキ」がふっくら厚焼きになる理由とは?

>>>【意外と知らない】「厚揚げ」はとっても優秀な食材だった!

◆クックパッドニュースについて
クックパッドニュースは日本最大233万品のレシピが集まるクックパッドから編集部が見つけた食や暮らしのトレンド情報をお届けします。