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アベノミクスは、なぜ選挙で威力を発揮しているのか?

2013年07月16日 23時35分 JST | 更新 2013年09月15日 18時12分 JST

7月4日にスタートした参議院選挙の選挙戦も残りわずか。マスコミ各社の世論調査によると、自民党優勢のまま当日を迎えそうである。

大きな争点となっている「アベノミクス」が、こうした流れをもたらした、という見方が支配的だ。それなら、なぜ選挙で「アベノミクス」が威力を発揮したのか?私なりの考えを記してみたい。

各紙の調査をみる限り、有権者が挙げる争点は「景気・雇用」が一番となっている。ストレートに考えれば、ゆえにアベノミクスで株価が上昇、景気に対する期待感も増し、それが調査結果に反映されたと受け止めることが可能だろう。

だが、私は少しニュアンスが違うと感じている。各種調査において、年代別にみると「景気・雇用」は20~50歳代はトップであるものの、60歳代は「社会保障」──そりゃそうだ、決まった額が支給される年金や、これまでの蓄えを取り崩して生活する人にしてみれば、「景気・雇用」よりも、お金がかかる「社会保障」に関心が向くのは当然だ。

では、60歳以上にとって「アベノミクス」とはどういう位置づけになるのか──第2の矢の公共事業、或いは第3の矢の成長戦略に目を向けるのではなく、既に放って大きな効果をもたらした第1の矢である大胆な金融緩和、心の中ではこれで"完結"しているのではないかと考えられる。

現在、日本人における金融資産の保有者の中心になっているのはこの年代で、アベノミクスの恩恵を最も享受したとみることも可能だろう。そして、最も投票所に足を運ぶのもこの年代。であれば、選挙で威力を発揮するのは容易に想像できる。昨年末の総選挙の際も、既にアベノミクスの先取りで株価は大きく上昇していた。

しかし、株価の上昇というのは、金融緩和や期待感だけでは長続きしない。実需が伴わなければ二段上げはなく、相場用語でいうところの中間反騰で終わってしまう。

肝心の第3の矢がマーケットでは期待はずれであった点を考えると、先行き、株価上昇の恩恵を伴った層の投票行動に変化する可能性が出てくる──私の立場で言うと悔しいが、今回はまんまと"逃げ切り"という表現がピッタリとなりそうだ。