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新しい民主党を創る 細野豪志 政見

2015年01月08日 19時16分 JST | 更新 2015年01月08日 19時16分 JST
時事通信社

民主党の政権運営は失敗に終わり、その後三度の国政選挙も連続で敗北であった。

閣僚や党の役員を務めた私にもその責任がある。過去を否定することは苦しいが、我々は失敗を率直に認めたうえで、一から党を再建していかなければならない。

巨大与党の暴走による民主主義、立憲主義の危機を救うため、我々はただ批判するのではなく、対案を示し、多くの国民に信頼される政党に生まれ変わる。

過去の連続線上に政権復帰はない。私は自らの反省の上に立ち、民主党の過去と決別し、新民主党の旗を掲げ、政権を担う国民の選択肢となる粘り強い政党を目指す。

1.目指すべき社会と政策の方向

(1)ボトムアップ社会(⇔トリクルダウン経済)

我が国が直面している人口減少と格差拡大の傾向を反転させ、正社員として働ける社会、結婚できる社会、安心して子育てできる社会を目指す。20世紀型の大都市、大企業、富裕層からのおこぼれによる繁栄(トリクルダウン)はもはや期待できない。被災地や農山漁村を含めた各地域、中小企業や社会的事業者などの各現場に寄り添い、家庭、若者、女性、高齢者への支援を行うことにより、経済と社会保障の底上げ(ボトムアップ)を目指す。

常に生活者・納税者・消費者・働く者の立場に立ちながら、主権者である国民一人ひとりの幸せにつながる経済、社会保障、財政の好循環を実現する。

・「正社員化促進法」(中小企業が正社員を新たに雇った場合の追加的社会保険料負担を半減)の制定、最低賃金アップ、労働規制緩和阻止、同一労働同一賃金の徹底等により、労働分配率向上を目指す。

・家計における二大出費である教育費・住宅費の負担を下げるため、配偶者控除廃止を財源とした子育て支援の充実、中古住宅市場の活性化推進。

・年金・医療・介護・福祉を通じた総合合算制度の導入などにより、障がい、難病、低年金、低所得などのリスクを気にせず安心して暮らせるよう最低保障をより確実にするとともに、サービス提供者の処遇を改善。

・総合的な収入保険制度の創設などによる農家経営の安定化を図り、共同体の存続を前提とした農村機能を維持。

・復興集中期間の延長、被災者の住宅建築支援制度を拡充。

・地元品購入運動(「Buy川崎」)、マイクロファイナンスによる起業支援等により、地域の力を活かす「土発経済」を創出。

・貿易赤字の原因たるエネルギー・食料・医薬品等の自給率向上により、富の流出構造を転換。

(2)持続可能性の確保(⇔未来への問題先送り)

真の民主主義は、未来の主権者も尊重するものでなければならない。人口減少を直視し、20世紀に設計された人口増大を前提にした制度全般を見直し、持続可能な社会を創る。

・拡張型から維持補修型へのインフラ政策転換。

・各世帯の経済力に応じた持続可能な社会保障を構築。

・再生可能エネルギー開発、電力の地産地消による、脱原発とエコ社会の実現。

・子どもを持つか持たないかを決定でき、性に関する健康を享受できる権利の確立。

(3)多様性ある社会(⇔地位・価値観を固定化する社会)

真の民主主義は、個人の尊重から始まる。個人の可能性を生かし多様性を認める社会は心地よく、強い。機会均等で助け合える社会を目指す。

・貧困の連鎖を断ち切るため、里親・養子縁組の活用や給付型奨学金創設など教育・子育て支援策を拡充。  

・障がい者福祉、DV、自殺対策の重視。

・選択的夫婦別姓の導入を推進。

・LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)への偏見を排除。

(4)現実的平和主義(⇔積極的平和主義)

真の民主主義は、世界の平和なくしてあり得ない。普天間、尖閣漁船衝突事故の反省に立ち、現実を見据えつつ、平和主義を貫く。多様性を認め寛容を旨とする我が国の国柄を踏まえ、「開かれた国益」を外交の基本に据える。

・歴史の修正主義には立たない。戦後の国造り、平和主義、日米同盟、アジアとの共生、国際貢献を継承する。ヘイトスピーチ規制の導入。

・安全保障基本法、領域警備法の制定。

・卑劣なテロ行為の原因となる経済格差を縮小するため、貧困国の教育環境整備や国際資産課税創設に注力。

・日本の気候風土や文化芸術の多様さ、環境技術を活かした「文化環境立国」の推進。

(5)自律分散型国家(⇔中央統制型国家)

真の民主主義のためには、地域と現場の自主性を重んじ、「利権と分配の政治」から脱却するべき。地域と現場が自ら創意工夫し、自由に連携できる「自律分散型国家」を目指す。

・手挙げ方式による道州制により、権限と財源を大胆に地方政府に移管することを目指す。

・コミュニティスクールや、子育て・高齢者・障がい者を地域で総合支援する体制整備など、官が独占してきた「公共」を地方自治体、学校、NPOなど地域に還す。住民投票の範囲拡大等により、地域住民が重要な決定に参加。

・土地利用規制などの基礎自治体への権限移譲の推進。

・ひも付き補助金の廃止、より広範な一括交付金、消費税の段階的地方税化等により、財政調整機能は残しつつ、将来的には自主財源での地域運営を目指す。

(6)国民に開かれた政治行政(⇔権力を独占する政治行政)

民主主義は、国民に積極的に情報を公開し、国民の理解と協力を得ながら政治行政を進めるのが本来の姿。政府監視機能の強化、投票率向上への取組みにより、国民に開かれた政治行政を確立する。

・歳入庁の設置、日本版GAOの設置、予算の複数年度化等による、予算に対する監視強化。

・租税特別措置の大胆な廃止。

・法令や予算の概要説明を義務付ける情報公開法改正、公文書管理法改正などオープンガバメント推進による、国民の知る権利の充実。

・被選挙権を含めた成人年齢18歳への引下げ。「早朝から駅前投票」を可能とするなど、投票時間・場所の規制緩和による投票率引上げ。

・個人献金の税額控除を導入する。

・寄付税制の拡充で「新しい公共」を促進。

2.政党運営(ガバナンス)

民主党政権は消費増税という難しい課題に直面してバラバラになった。同じ失敗を繰り返すようでは政権に復帰する資格はない。地方の地力を高め、多様な意見をまとめあげる、民主的でねばり強い党を目指す。

(1)対案路線

・単なる反対野党でなく、先送りでなく、対案を示し安倍政権をチェック。

・政権交代しうる責任政党として、中長期的なビジョンと、政権をとった場合に実行する政策の選択肢を示す。

・外交ビジョン、自律分散型国家モデル、財政破綻リスクなどを研究するシンクタンクの創設。

(2)党運営の民主化

・議論は百花繚乱、決定には一致団結して行動する。

・議会および党内の活動を客観的に評価するシステムの導入。

・党幹部と各級議員の非公式なコミュニケーションの場を積極的に設定。

(3)地方重視

・地方議員、党員・サポーターと国会議員の連携を強化し、民主固定票を創る。

・自前の後援会を強化するなど地域に根付いた総支部長、地方議員の活動強化と、これに対する党からの支援充実。

・国政選挙候補者を、地方の声を聞いた上で早期選定し、物心両面で支援を拡充。

・地方議員による政策提案、国会議員からの情報提供の強化。党員、サポーターとの双方向ツールの開発。

・地方版マニフェストの策定を支援。

(4)若手・女性政治家の育成

・クオータ制の導入など、女性が政界に進出しやすい環境を作る。

・代表就任した際、私自身は比例重複立候補を行わず、総理経験者にも同様の対応を求める。