BLOG

「女性は働くとバツゲーム」税制の改正に、諸手を挙げて賛成する

2014年03月15日 15時28分 JST | 更新 2014年05月14日 18時12分 JST

default

読売新聞で、以下のニュースが!

配偶者控除見直し、専業主婦世帯の反発必至 : : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

http://bit.ly/1oCoWao


働く女性を支援するため、所得税のあり方を見直す案が浮上している。


麻生財務相は7日の記者会見で、専業主婦がいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除の見直しについて、「検討してみたい」と述べた。ただ、控除が縮小されれば、専業主婦がいる世帯には増税となり、反発を招くのは必至だ。


子どもが多い世帯ほど税負担が軽くなる「世帯課税」を導入する案も浮上しているが、いずれも課題は多い。


配偶者控除は、サラリーマンなどの夫と、専業主婦の妻がいる世帯で、夫の課税対象の年間所得から38万円を差し引くことで、所得税を減らす仕組みだ。妻がパートなどで働いても、年収103万円以下なら控除の対象となる。約1200万人に適用されている。


対象になるため年収を103万円以下に抑える女性も多く、女性の働く意欲をそいでいる、との声が多い。現在は共働き世帯が多く、政府も女性の活用を成長戦略の柱としていることから、制度の見直し案が出てきた。

ということで、「103万円以上稼ぐと、税金増えるよ」というお馴染みの配偶者控除の撤廃検討が話題になっています。

これまで幾度となく取り上げられてきたこの話題について、子育て支援・女性支援に民間から携わる身として、私見を述べたいと思います。

【控除によって失われる多額の税収】

ちなみに、この配偶者控除が財政に与えるダメージは、かなりのものがあります。

配偶者控除によって、本来政府に入るべき税収が失われる規模は、国税だけでおよそ3800億円。地方税を合わせるとほぼ倍の7600億円ほどが税収ロスになっているはずです。

3800億円ってどのくらいの規模かと言うと、高校無償化予算がこのくらい。(正確には3950億)

去年の子育て支援予算(保育所の運営費とか全て入れて)、約5000億

今、待機児童対策も含めた子ども・子育て支援に関する検討をしていますが、当初予定されていた予算約1兆円超(約1兆1千億円)のうち、推定で7000億円しか確保できておらず、「このままじゃ足りない!これじゃ待機児童ゼロなど子育て支援策が実現できない!」と大騒ぎになっています。その不足額、およそ4000億。大きさのイメージがつくかと思います。

【富裕層を優遇する配偶者控除】

かつ、配偶者控除は、「お金持ちほど得をする」という仕組みです。

というのも、所得控除は、控除後の課税所得を減らせるから。課税所得に税率をかけることで所得税額が出されますが、富裕層ほど税率は高いので、課税所得が38万円減るインパクトは富裕層の方が大きい、ということになるわけです。

また、関西学院大学上村教授の言葉を借りると「年収1500万〜2000万の人に、年7万の『補助金』を与えているのと同じこと」だと言います。

「奥さんを養うのに大変だから、税金を控除しますね」という大義名分は、一体どこにいったのでしょうか。

もし本当にそうならば、低所得家庭のみに限定すれば良いのだし、しかもそれは税額控除ではなく、給付等の社会保障でやれば良いだけの話です。

【配偶者控除廃止は、専業主婦いじめ?】

一方この議論は、専業主婦vs働く母親論争と絡み、感情的になりやすいテーマでもあります。

「専業主婦いじめをするのか!」みたいな。

でも、配偶者控除廃止は本当に専業主婦いじめでしょうか?

僕は違うと思います。

例えばこの制度を廃止して生まれるお金(国税だけでも3800億)を、専業主婦世帯にも恩恵のある形で使えば、全くいじめにはならないのではないでしょうか?

最低でも児童手当と同様に年収所得制限を設けるなどして、それから得られた財源を様々な形に活用していくことはできないでしょうか。

例えば幼稚園を始めとした、幼児教育の充実。特に幼稚園教諭の待遇の低さを改善し、より質の高い幼児教育を実現することに使うこともできるでしょう。

また例えば、子どものいない世帯にも、生涯学習支援やDV防止、不妊治療助成や、高齢化した際の見守りや老老介護支援のための諸政策等、様々な福祉政策や教育政策を充実させることができます。

このように、「控除からサービスへ」という転換を行うことで、恩恵をそのままにして、就労意欲の低下を防ぐことができると思います。

【なぜいまだに配偶者控除が存在するのか】

女性の就労にガラスの天井をはめる遺物、配偶者控除。とっとと無くなってほしいと切に思います。

しかし、こんな化石制度、なぜいまだに残っているのでしょうか。

それは「残してほしいと願う人々」が多く、彼らの反対の声が大きいからです。

残してほしい、という人々は誰でしょうか。我々国民です。

妻が専業主婦の夫や、あるいは妻自身、つまりこの制度に恩恵を受けている国民が「なくさないで」と(当然のことですが)願っていて、その声が政治家に伝わるからです。

政治家は、恩恵を分配するのは得意でも、痛みを強いることは苦手です。

痛みを強いれば強いるほど、自分が政治家であり続けることが難しくなるからです。

先日もある自民党の重鎮の方に軽くこの話題を振ってみました。「いい加減無くして下さいよー」みたいに。

そうしたら返ってきた答えは。

「やってごらん、蜂の巣になるよ」と。

それだけ批判と抵抗が強いテーマだ、ということです。

【痛みの伴う改革を、推し進めるためには】

ではやっぱり無理なのか。あと30年くらい、こういう恥ずかしい制度を持ち続けていくのでしょうか、我々は。

いや、そうじゃないでしょう。批判と抵抗の数だけ、いやそれよりも多く、応援と賞賛を送れば、政治家も動けるはずです。

批判の弾丸で蜂の巣にされる前に、盾になって「やれやれ!!」と言い続けていく。それこそが答えではないでしょうか。

というわけで、僕は早速こうしてブログで応援表明をしています。

配偶者控除廃止、賛成!と。

同意して頂ける方は、ぜひ応援と賞賛を、RTやシェアで政治家に届けていこうじゃないですか。

駅前で演説している与党議員にチラシをもらう瞬間に「配偶者控除廃止、頼みます」と声がけするのも良いし、地元選出の与党議員の事務所に「配偶者控除廃止を、支持します」と電話で伝言を残しても良いでしょう。

地味に、でも確実に声をあげていけば良いと思います。

黙っていたら、過去の延長が未来に伸びていくだけ。

やれることは、やっていきましょう。

男だろうと女だろうと、皆同様に誇りを持って働け、輝ける社会の実現を目指して。

(2014年3月10日「駒崎弘樹公式ブログ」より転載)

楽しい子育て! 画像集