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駒崎弘樹 Headshot

「面会交流」が子どもを殺した

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crime
ひとり親支援をしている、認定NPO法人フローレンスの駒崎です。

僕は怒りに震えています。

【また面会交流で殺人】


昨日飛び込んできたニュース。

面会日に無理心中か=4歳娘と、別居の父親―兵庫
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170424-00000022-jij-soci

兵庫県伊丹市で、面会交流中に父親が4歳の娘を殺し、その父親も首を吊って自殺。面会時間が終わっても連絡が取れない元妻が心配して、警察に連絡したことから発覚した、という事件だったそうです。

だから言ったじゃないか!と叫びました。

1月に、長崎県で、面会交流のために、子どもを元夫宅に連れて行った元妻が、夫に殺害された事件があったばかりでした。

「面会交流」に、ひとり親は殺された
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20170301-00068244/

4歳といったら、僕の息子と同い年です。親バカですが、ものすごく可愛いんです。そんな年の子が、自分の父親に絞め殺される。どんなに怖かったでしょう。そう思うと、悲しくて、やりきれなくて・・・。

あの時、社会がもっと真剣に動いていたら・・・と無念でなりません。

【裁判所は一律面会交流の原則を採る】


2011年に民法766条が改正され、離婚時に「子どもの利益を最も優先して考慮」し、家庭裁判所は面会交流を推し進めることに決定しました。本来が個別ケースごとに相談していけば良いのですが、家庭裁判所の職員不足も背景にあり、面会交流の原則一律実施の家裁実務へと変貌していったのでした。

たとえ妻へのDVがあっても「妻との葛藤と子どもとの関係は別物」と面会交流が決められ、虐待を主張しても、相当確度の高い物証が求められて、なかなか認められない状況がつくりだされていきました。

裁判所がまさか、と思われるかもしれませんが、国会で以下のような事例が紹介されています。

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国会議員「ある名古屋家裁の判決文を持ってきました。申立人で「会いたい」と言っているのは父親です。この父が妻に度々暴力を振るっていた。子どもの前でも暴力を振るっていた。でも、未成年者の子どもへの直接暴力は確認できていない。だから、面会することが未成年者の福祉を害するとまではいえない。で、(家庭裁判所は)面会交流認めているんです。」

(引用: 裁判所「児童虐待した父親にも、子どもを会わせろ」→「それは酷い」と国会で突っ込みが炸裂
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20170308-00068455/

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DVがあっても面会交流を促されるのですから、ない場合は裁判所から更に執拗に求められます。

【面会交流は本当に「子どもの最善の利益」か?】


裁判所が根拠にしている、「子どもにとって、別れても親は親。会えることが望ましい」という素朴な理論。

これは本当にそうなのでしょうか?

以前も紹介しましたが、DV親と面会交流し続けることで、子どもが鬱や引きこもりを、一般の子どもよりも18倍発症しやすくなるという研究も出てきています。

DV家庭の子どもは二度、心を壊される
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20170325-00069035/

面会交流=子どもにとって良い、ということは何の根拠もないのではないでしょうか。

面会交流をして子どもにとって良いケースもあれば、悪いケースもある。そうした表現の方がより正しいのです。

【裁判所による「殺人」を今すぐやめよ】


4歳の子どもが犠牲になった今、「面会交流の事実上の強制」という家裁実務は、今すぐやめるべきです。

民法766条には、「面会交流は必ず実施すべし」なんて書いておらず、裁判所が勝手に解釈して運用しているだけなのだから、法務省が、通達一本出せば解決する話です。

もちろん、殺す加害者が一番悪いのは言うまでもありません。しかし、一定確率で暴力的・支配的な配偶者というのはいるわけで、むざむざそういう人の前に子どもと妻の命をさらけだすことを強制する運用をしている、というのは、およそ正気の沙汰とは思えません。

もしこの家裁実務を放置して、この先も人が殺され続けたら、それは裁判所が人々を死に追いやっていることと、変わりないのではないでしょうか。

国会議員の皆さん、もし今回の事件で胸を痛めたのなら、ぜひ国会の場において質問してください。

「なぜ、家庭裁判所はDVだろうが、高葛藤だろうが、面会交流を強制させているのか」と。

「それが『子どもの最善』どころか、殺人につながる危険性があることを、わかっているのか」と。

(2017年4月25日「駒崎弘樹オフィシャルサイト」より転載)