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「子育て世代の女性が働いていない県」を紐解くと・・・

2014年07月30日 14時43分 JST | 更新 2014年11月05日 18時03分 JST
ハフィントンポスト日本版

今朝のハフィントンポストで「【地図】子育て世代の女性が働いている県・そうでない県」という記事が掲載された。

非常に興味深い地図だったので、東京周辺の状況について自分なりに分析してみた。

東京周辺の子育て女性が働いていない要因としては、

・東京への通勤時間が長いため、2人ともフルタイムで通うということが難しい。

・地方出身のため、親などの手助けを得られる環境ではない。

――などが挙げられるだろう。

周辺地域でも、親と同居していたり、親が近所に住んでいたりして、協力してくれる人がいる場合は夫婦ともに働いている場合が多い。

そうでない場合、東京周辺に住む多く女性は通勤と子育ての状況に気兼ねをして、「働き続けることを諦めてしまう」選択をしてしまう。当然、待機児童などの問題が尾を引いていることも要因となっているだろう。

自分の意志で主体的に辞めることを選択をしたのか、はたまた、

仕事と子育ての状況を考えて辞めざるを得ない状況になったのか、

この2つには大きな精神的な乖離がある。

前者の場合は、自分の意志で選択をしたことから、

子育てについてもポジティブに捉えていることが多い。

ママ友との交流や趣味を大事にしたりして楽しい子育てライフを送ることだろう。

しかし、そのように考えているケースは以前よりは減っている。

本当は仕事を続けたかったのに、辞めざるを得なかったことは、

子育てについてもネガティブな思考になりがちだ。

何かしらの後悔の念を持ち続けながら子育てを続けることで、

子育てで悩み、夫婦の関係もギクシャクすることになる。

ちょっと離婚件数との相関関係が気になったので調べてみた。

「都道府県別統計とランキングで見る県民性~離婚件数~」

http://todo-ran.com/t/kiji/14268

どうだろう?ある程度相関関係が高いと言えるのではないだろうか。

そのほかに、ひとり親世帯や核家族世帯の比率も首都圏で多い。

昔は、教育上男女平等を謳っておきながら、「女性が家庭に入ること」が是認されたが、

いまは、男女関係なく、それぞれの自己実現を追求できる社会に向かっている。

にもかかわらず、現在の日本のこうした環境がそれを阻んでいる。

これまで保守系の政治家が、「女性は家庭に入る」ことを推奨し、

場合によっては、「家族が壊れる」という批判もあった。

しかし、結果はどうだろう。

専業主婦だと、逆に「家族が壊れる」という結果を招いてはいないだろうか。

だとしたらいまの日本にとって選ぶべき道筋が2つある。

1つは、教育上も「女性が家庭に入る」ことを前提にし、働く続けることなど考えないように仕向けるか、

もう1つは、男性も子育てができる環境を整備し、女性が働き続けられるようにするかだ。

当然、前者を選ぶという選択肢はあり得ない。後者を徹底的に推し進めることだ。

しかし、いまの日本にとって後者だけでも足りない。

日本の構造そのものを変えていくことを同時に行っていく必要があるだろう。

以下の4つの案を考えてみたい。

案① 東京に居住地を増やし、衣食住接近を奨励する。

案② 東京周辺の雇用を拡大させる。

案③ 東京に本社を置く企業の在宅勤務などのテレワークを奨励する。

案④ 首都(機能)を地方に移転するなどし、東京に人を集約させない仕組みを作る。

案①はあえて書いたが、財政上ほぼ不可能だろう。。

案①を実行するためには、当然保育所などの整備が必要となり、莫大な財政出動が必要となる。またこれが実現できたとしても、地方の疲弊が加速度的に進み、第1次産業を中心に、

壊滅的な打撃を受けることになる。

案②を考える上で重要なのが、有効求人倍率だ。

6月の有効求人倍率をみてみると、

全国平均で1.10とバブル期以後で高い水準となっており、

東京では1.56と好調だ。

しかし、これに対して、その周辺をみると、

神奈川が0.83、千葉が0.91、埼玉に至っては0.74と、軒並み低調だ。

やはり、東京に仕事が集まってしまっているため、

東京の人手不足が深刻になっている。

だからと言って、その周辺から人を集める、

特に子育をしている女性を集めるというのは

最初に指摘したように非常に難しいのではないだろう。

その上で、周辺地域で雇用を新たに拡大させる意味は大きいだろう。

案③については、テレワークを実施する技術的な面はクリアしている。

あとは、企業がどこまで時間管理的な制約をなくし、

セキュリティを確保しながら推し進めるかであろう。

企業にとっても高い賃料と通勤代を払って、わざわざ東京に毎日社員を呼び出すよりは、

テレワークを進めることで、東京で部屋を借りるスペースも狭くて済み、

通勤代も減らすことも可能だ。

ホワイトカラーの職種でどれくらい進められるかが今後のカギとなる。

そのためには、在宅でできる環境を整備することも1つだが、

地域ごとに仕事ができるスペースを作るということも必要だろう。

たまたま、今日の朝日新聞で空き家率の記事があった。

「空き家率、過去最高13.5% 820万戸、総務省調査」

http://www.asahi.com/articles/ASG7Y2VL2G7YUTIL003.html

特に、地方にはこんなに空き家物件が余っているのに、それを使わない手はない。

東京に新しい大きなビルを建てて、人を集めるよりも、

地方にある既存の建物を整備することのほうが

日本の持続可能性を考える上では重要ではないだろうか。

その視点からの投資を政府や企業が積極的にすべきであろう。

そして、案④の首都(機能)を移転させることも、

案②、③を進めるためにも大きな起爆剤となるだろう。

10年くらい前に盛んに機論されたが、いまは永田町からこの話を漏れ聞くことはない。

例えば、「子育て世代の女性が働いている県」に首都(機能)を移転させることで、

政府が盛んに言う「活躍できる女性」も増えるのではないだろうか。

「子育て世代の女性が働いていない県」の今後を考えることは、

日本の今後を考える上で、極めて重要なことだ。

この地図が10年後もまったく変わっていないという想像はしたくはない。

(7月30日付「労働・子育てジャーナリスト吉田大樹のブログ」より転載)