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しがらみのない政党だからできること

2013年07月03日 16時58分 JST | 更新 2013年09月01日 18時12分 JST

去る6月26日、通常国会が閉会しました。

昨年12月の衆院総選挙で国政に復帰し、新たな気持ちで迎えた平成25年も、半年間の国会と共にあっという間に上半期が終わりました。明日からの下半期ですが、まずは7月4日から始まる参院選挙に臨むことになります。

昨年の総選挙で国民は安倍政権を選びました。3年間の〝決められない政治〟を見せつけた民主党政権に見切りをつけた国民の逆ブレにより、自民党は単独過半数を大きく超える圧勝でした。

日本維新の会としては、国民による選択が安倍政権であった以上、その現実は肯定した上で、自公政権による国政運営への提言とチェックを果たすことが野党としての責任です。

特に重要だったのは、単に足を引っ張るだけの従来の野党ではなく、批判すべきは批判する一方で、政権与党の背中を押す提案をしたり、肯定すべきは肯定するなど建設的な野党としての働きをすることでした。

なぜならば、私なりに既に様々な機会に述べてきたように、日本の現状は危機的なのではなく、とっくに危機の真っただ中にいるという認識だからです。まさに内憂外患のこの時期に、党利党略を優先することは政治家としてあるまじき姿だと思っていることに加え、国民が選択した政権がリーダーシップを発揮して山積している重要案件を片付けていくことが最も優先されると考えるからです。

従って、我々はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の協議参加や憲法第96条改正など、重要な案件についての議論が前へ進むよう、安倍政権の背中を押してきました。政府・与党による早期の立法を促すためにも、日銀法改正案、財政健全化責任法案、教育委員会廃止法案、国会同意人事縮減法案、道州制基本法案をはじめとする14本の法案も国会に提出しました。

我が国の置かれた状況に対する危機感を共有し、国の行く末を大局的に考慮しながら建設的な国会議論をしていく新しい野党として、地味とも言える懸命な国会活動をしてきました。

しかし、一見順調に推移しているかに見える安倍政権ですが、「良くなっていく感じ」から「次第に不安になってきた」というマインドチェンジが起こりつつあるように思います。率直に言えば、以前にも増して日本の危機が深まってきたと言うことができます。

私は、第一の矢(大胆な金融緩和)と第二の矢(大胆な財政出動)について、必要は必要だけど、「必要悪」と考えてきました。

第一の矢である大胆な金融緩和は円安誘導にはなりますが、輸入コストによる物価上昇、将来の悪性インフレ懸念などの強い副作用がともなうことを忘れてはなりません。

第二の矢である大規模な財政出動=公共事業増は、ただでさえ先進国中最悪の財政状況をさらに悪化させ、金利上昇圧力となり財政破綻の可能性を高めることになります。そもそも、公共工事を増やしても従来のような景気刺激効果はありません。

それでも、その二つの矢は、閉塞感漂う日本の空気を好転させるためには「必要悪」だと評してきました。

問題は成長戦略と言われる第三の矢です。そもそも国が個別の企業を成長させることなどできないわけですから、企業が自らの成長を期して業態拡大や設備投資などをしていくようなビジネス環境を整備することが政府のやるべきことです。そのためには、閉鎖的な業界や規制が厳しい分野に新たな企業が参入していけるようにすることであり、その結果、消費者が新しい商品やサービスを購入していくことで市場が広がり経済が活性化します。

いわば、既得権益にメスを入れ、成長産業が生まれていくようにすることが大命題であるはずです。例えば、私は、企業が農業にもっと参入できるようにして輸出のための農産物を生産できるようにしたいと思いますが、これには全国の農協が反対します。また、先端医術と保険診療対象の医術を併用して受けられるようにして患者の治療の選択肢を広げたいと思いますが、これには日本医師会が反対します。福祉業界、保育業界、電力業界など挙げれば切りがないほど業界団体はあり、それらの反対に配慮し、これまでも自民党は大胆なメスを入れることを避けてきました。

高支持率の安倍政権だからこそ、今回の第三の矢には、私だけでなく多くの期待が集まりましたが、残念ながら「自民党もここまで変わったか」というような内容は一つもありませんでした。

やっぱり自民党は、選挙を気にして既得権益者の嫌がることに踏み込む改革はできないのです。ですから、自民党が圧勝すれば、また緊張感のない政治に戻ることは火を見るより明らかです。そうなれば、上述したアベノミクスの副作用がどんどん大きくなって、日本の危機は不可逆的なものになってしまいます。

国民が選んだ安倍政権を本当の意味で働かせていくためには、緊張感ある政治状況を作ることが何としても必要です。来る参院選挙では、足を引っ張る野党を増やすのではなく、大局に立ってメリハリある建設的な行動をする野党を増やさなければなりません。その役割を果たせるのは、先の通常国会でその役割に徹してきた日本維新の会だけです。

いよいよ7月21日の投開票に向けて参院選が始まります。

私たちは、既得権益に縛られない「しがらみのない政党」として、結党の原点に立ち返り全国で訴えていきます。私自身、その先頭に立って粉骨砕身して参りますので、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます。

「中田宏のオピニオン」に6月30日に掲載された記事の転載です)