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政党も国会も官僚も信用されていないという調査結果

2013年07月10日 23時15分 JST | 更新 2013年09月09日 18時12分 JST

「水清ければ魚棲まず」の例えがあるように、あまりに潔癖さを求めすぎるとかえって社会の活力を失う結果にもなりかねません。それよりは社会がどう感じているかだと思います。ドイツに本部を置くNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」が、世界107カ国の11万4000人を対象とした、それぞれの国が腐敗していると思うかどうかについての世論調査の2013年の結果を発表しています。面白い結果なので取り上げてみます。

時事ドットコム:世界の汚職、一段と悪化=27%が過去1年に贈賄-NGO調査:

世界の53%の人が過去2年間で汚職状況が悪化したと考えて、回答者の27%は過去1年間に、公的機関に賄賂を渡したことがあるという現実があり、とくに36カ国では警察が最も腐敗していると見ていて、またこれらの国では平均53%の人が警察から賄賂を求められたことがあるということですが、さすがに日本では警察に賄賂を渡したというのはゼロ回答です。

先進国である日本は極めて公正さや透明性の高い北欧各国に比べれば、腐敗度は少しは高いとしても、すでに先進国レベルなので、各国との比較よりは、公正さや透明性が日本で高まってきているのか、あるいは悪化し問題だと感じているかどうか、またどこが腐敗していると感じていて改善が望まれるのかです。

その国別レポートもありました。グラフがかなり工夫されているので英語がめんどうだという方も覗いて見る値打ちはあります。

日本の結果グラフjapan :

まず日本ではこの2年で腐敗は進んだかということについては、「非常に進んだ」9%、「やや進んだ」12%、「変わっていない」53%、「やや減った」20%、「非常に減った」6%で、さほど変化していないという結果でしょう。

官庁や公務員といった公的機関の腐敗に関しては、「深刻な問題がある」48%、「問題がある」27%、「やや問題がある」22%、「あまり問題はない」3%、「全く問題がない」1%で、やはり「公」は信頼されていないということでしょう。

大きな特定の組織や団体の利益を求めた活動でどれだけ政府が影響されているかは、「非常に」16%、「かなり」28%、「やや」53%、「わずかに」3%、「まったく影響されていない」1%でした。銃規制問題などでロビー活動のすさまじさを見せた米国では、「非常に」20%、「かなり」44%という結果となっているのはさすがに米国だという感じでしょうか。

気になるのは日本で腐敗していると人々が感じているのはどこかです。日本で腐敗していると感じる人の割合が高いのは、トップは政党で80%、2位が国会で76%、3位が宗教団体で74%、4位が公務員66%、それに警察61%、マスコミ60%が続いています。

政党や議会の腐敗、透明性の不足を多くの人が感じているということですが、それはそうでしょう。選挙制度改革にしても、自らの政党の利権が第一で、国民の権利や公平性は二の次です。別に国会議員を減らすことがベストな選択だとは思いませんが、しかしいったん約束したことも平気で破るのですからモラルも破綻しています。

ちなみに米国も政党が腐敗していると感じている人が76%、韓国が70%、ドイツは65%なので、まあ政党はどの国でも信頼性が低いとはいえ、とくに日本はその最先端を行っているということでしょう。あまり好ましいことではありません。「日本を取り戻す」前に、まずは隗より始めよで、「信頼される政党」をつくれと言いたくなります。

警察も相次ぐ不祥事が影響したのだと思いますが、それとマスコミがほぼ並んでいるところも興味深いところです。先進国の名に恥じない透明性の確保に対する努力を望みたいものです。

(※この記事は2013年7月10日の「大西 宏のマーケティング・エッセンス」からの転載です)