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アメリカの友人たちへの手紙

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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

◇◇◇

この手紙を書きはじめる前、私は少しためらっていました。ここで私が言おうとしていることには、特に目新しいものがないのではと思ったからです。

しかし、現在の日本とアメリカを取り巻く状況において、必要なことがいくつか忘れられていたり、誤解されたりしているのではないかと思い、この手紙を書いています。

たとえば、日本に関して、下記に示すいくつかのことが言われています。


― 日本は防衛に関してアメリカに「ただ乗り」していて、十分な対価を払っていない。

日本はアメリカ軍の駐留費の中で非常に大きな割合を負担しており、その総額は年間20億ドルほどにもなります。この数字は、他の国に大きな差をつけて、世界で一番の額だと思います。

― 日本はアメリカを守る必要が無いのに、アメリカは日本を守る義務があるというのはフェアではない。

アメリカが日本を守る義務を持つ見返りとして、アメリカは極東の国際平和と安全を維持するにあたり、日本の軍事施設を利用することを許可されています。さらに、日本では最近になって憲法の解釈が変わり、日本は集団的自衛権を行使できるようになりました。この新しい安全保障法案は昨年2015年に成立・公布されました。

― もし日本の尖閣諸島が他の国に攻撃されても、アメリカは曖昧な態度を取るべきだ。

「戦略的曖昧さ」とは、問題の当事者国について、双方とも思い切った行動に出られないようにするため、いずれにも支援の保証を行わないという意味です。アメリカは台湾の情勢に関して、このようなスタンスを取っていると言われています。

しかし、同盟関係というのは全く別の問題です。同盟関係は、明確な信頼関係が、敵国の攻撃的な動きを抑止するという考えに基づいたものです。いかなる曖昧さも、同盟関係の信頼性を弱めることになるのです。

日本はアメリカの司令官が尖閣諸島の防衛問題について、アメリカは尖閣諸島を防衛するという考えを明言してくれたことに感謝しています。日本はアメリカが信頼できるパートナーであるかぎり、自衛を主体とした防衛政策を続けることを強く決意しています。

― 自動車のような日本の市場はアメリカに対して閉ざされており、アメリカは日本と貿易をすることで赤字が溜まっている。

これらの議論は80年代によく聞かれたものです。当時、アメリカの貿易赤字の70%は日本との貿易によるものでしたが、現在は日本との貿易による赤字は10%を下回っています。現在は日本の産業は政策を変え、アメリカ国内でも製造を始めました。日本の企業はアメリカ国内で、70万人以上の従業員を直接雇用しています。

日本で大きなアメリカ車が走っているのをあまり多く見ない、というのは確かに本当です。日本の市街地は道路が狭いため、そこを走りやすい小さめのヨーロッパ車のほうが、日本では需要があるのです。しかし、これは貿易障壁による問題ではありません。市場の需要による問題なのです。


いくつかの事実について指摘させていただきましたが、私たち日本人は、第二次大戦後にアメリカが果たした役割について、大きな尊敬を抱いていることを強調させていただきたいと思います。

アメリカ建国の父らが有していた自由、民主主義、そして人権といった哲学は、現在では世界の多くで普遍的な価値観として受け入れられています。

私たち日本人も、その哲学を強く支持しています。


また、アメリカはテロとの闘いでも、勇敢に指導的立場を取ってきました。私たちはそんなアメリカにサポートと称賛を惜しみません。

5年前に起きた東日本大震災の際には、日本はアメリカから多大な援助を受けました。私は当時ワシントンDCに滞在しており、両国の仲介役を担っていたので、そのことはよく知っています。

70%以上の日本人が、アメリカは信頼できるパートナーであると考えており、アメリカ人もほぼ同じくらいの人が、日本をパートナーとして捉えています。私たち両国は、この70年間でこれほどの素晴らしい信頼関係を築いてきたのです。


私たちは、今後もアメリカが世界において指導的な立場であり続け、日本の良きパートナーであり続けてくれることを確信しています。

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オバマ大統領と日本の首脳
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